昨年末から本年初頭までの暴騰バブル相場にも一定の区切りが付いたようで、仮想通貨の価格は一定の落ち着きを取り戻しています。
仮想通貨の価格は下がったと言われていますが、前年同期比で見ればビットコインに至っては同水準でもあり、暴騰していた異常期間が終わり底を打って正常な姿に戻ったと捉えることもできます。
そして、ビットコインのボラティリティーが為替程度にまで下がっており、高ボラティリティが魅力のビットコインとすればいささか、寂しいようにも思います。現状ボラティリティーが小さくなっていることは、ETFの申請中の中で必ずしも悪いことではなく、低ボラティリティでも長期的な上昇が認められるような状況になれば、金融商品としての価値は向上するかと思います。
今回の話題は、過去複数回に渡って年末に暴騰した仮想通貨についてです。
過去のビットコイン相場を比較すると、年末に向けて価格が上昇し易いという傾向がありますが、今年の年末も期待している人は多いと思います。
今年も暴騰はあるのか?その期待について追ってみたいと思います。
目次
仮想通貨業界における日本の法整備に関するニュース
少し古い話にはなりますが、2017年4月に日本において、改正資金決済法が世界に先駆けて法整備化されました。
現在、仮想通貨を所有している人の多くはいわゆる出川組(仮想通貨取扱事業者のCMが始まった頃)にて購入した人が多いかと思います。この出川組に繋がる約半年前、日本において改正資金決済法が成立した事で、仮想通貨全体の市場の高騰が始まりました。
一応の先進国であり、金融市場規模も大きい日本が、世界に先駆けて仮想通貨に関する法律を形として整えたことは、市場に与えたインパクトが大きいものとなりました。
この時大きく値上がりした通貨の代表としてXRP(リップル)があることを忘れてはいけません。
納税の簡素化についてのニュースを紹介する
先日の産経新聞の記事に仮想通貨の納税問題についての記事が上がっていました。
実際に仮想通貨の利益を確定して納税と考えた時に、自分の取引履歴を全て入手し、集計し、計算して、納税額を計算できるでしょうか。
噂程度で聞いた話にはなりますが、仮想通貨で利益をあげた人が納税をするため、税理士の方に依頼をしたそうです。その税理士の方が、二度と仮想通貨の税金計算はしたくないと言っていたという話もあるくらいです。
議論は始まっているとのことですが早急な法改正により、「納税の簡素化・早期に分離課税」することが望まれます。
安全資産保有義務化についてのニュースを紹介する
日本仮想通貨交換業協会が、会員各社に対して、仮想通貨の盗難リスクに備えて預金や国債など安全資産の保有を義務づける方向で検討しているそうです。
残念ながら、仮想通貨の流出リスクは比較的身近なものであると言えます。
国内においても二大巨塔であったcoincheckとZaifがそれぞれ資産を流出させています。
coincheckについては自己資金で顧客資産を補填しましたが、Zaifは自己資金で補填することができず、フィスコが会社を事業譲渡を受け、変わって補填するという形になっています。
金融機関は破綻時の補填資産として、預金保険制度が適用されており、普通預金や定期預金は1000万円までは補填されます。
破綻以上に流出リスクのある仮想通貨においても、補填のための預金が設けられる取り組みは必須です。
仮想通貨交換業協会の自主規制についてのニュースを紹介する
仮想通貨交換業協会は2018年10月に自主規制に関するガイドラインを発表しました。
全文はこちらをご覧ください。
仮想通貨交換業協会は、金融庁によって自主規制団体に認定されていて、発表されたガイドラインは法令に近いものと言えます。そのため、周りの仮想通貨取扱団体も協会のことは無視できない存在となり、今後の日本の仮想通貨業界を牽引する存在となります。
詳しくは下の記事をご覧ください。
この自主規制団体の認定やガイドラインの発表は、世界的に見ても新しく、進んでいるといえます。しかし、規制をかけすぎてしまったら仮想通貨のもつ自由な面が阻害されてしまう可能性も考えられます。いかに均衡を保つのかも今後の課題となるでしょう。
協会は日本をリードするだけではなく、世界を引っ張る団体になっていってほしいです。
法整備が進むことのメリットは?
金融商品としての価値が向上する
非中央集権的な仮想通貨の立場を、中央集権的な国が認めたことになります。
非常に残念なことですが、国という集合体で生きている、かつ国の集合体である地球で生きている上で、力を持つ国のお墨付きがあるということは、重要なことです。日本が改正資金決済法で、悪く言えば宙ぶらりん状態であった仮想通貨が、一定の立ち位置を与えられたということになります。
世界的には現在ETFの話が出ていますが、法整備が進むことで、価格面のみでは図ることが出来ない、金融商品としての価値が産み出されます。
責任が明確化する
他の金融商品と同じように、現在国内市場においては、仮想通貨取扱事業者として認められた事業者のみにおいて、仮想通貨を取り扱うことが出来ます。
この結果、先日のZaif事件においても一定の保証が行われることが出来ましたし、みなし取扱事業者であるcoincheckであっても、NEM流出事件については当時の時価で全て保証されました。
消費税の対象外になる
仮想通貨の税金は雑所得であり、利益を確定させた際に大きく課税されることから、分離課税が叫ばれているところではありますが、法律が施行されたことで、購入時の消費税が無くなったことを覚えている方は少ないと思います。改正資金決済法が施行されるまでは、金融商品ではなかったことから、購入時に消費税が課されていました。
法整備が進むことのデメリットは?
取扱商品が制限される
国が認めた通貨以外は取扱いが出来ないのが日本の現状です。
匿名通貨は特にターゲットとされやすく、コインチェックがみなし仮想通貨事業者であった一番の原因が匿名通貨であるとも言われています。
海外取引所が参入しにくい
一時期、バイナンスには日本語のホームページがあったことはご存知の方も多いと思います。
そしてそのホームページは、2018年3月に金融庁がバイナンスに対して、「無登録で日本人に対して営業をしている」と 警告をしたことで無くなりました。
金融庁の介入により、海外の取扱事業者は日本市場に自由に参入することができなくなりました。
個人レベルの仮想通貨やトークン発行に対して制限がかかる
仮想通貨を現在所持している人の多くは、Twitterを利用している人が多いと思います。
Twitterのタイムラインを目にするとわかりますが、
- WAVESを使った個人トークン
- 個人もしくは企業のAirDropからの海外取引所に対する1satoshi上場
これらが目に付きます。
これらが法律的に問題ないか?と言われると疑問が残るところですが、法律でしっかりと縛りを与えたことで、取扱事業者以外が正規な方法で仮想通貨を発行することが出来なくなっています。
世界の仮想通貨情勢を見る
先日のナスダック暴落以降、株式市場は不穏感が漂っています。安全資産とされる円が買われて円高にもなっています。
ビットコインがリスク資産として優れているとは言い難い特性がありますが、「リスク資産として評価されている金」と似た性質を持っていることから、リスク資産として選ぶ人もいるかもしれません。
ビットコインの販売機設置が進む
アメリカをはじめとした世界各国でビットコインのATMの設置が進んでいます。
アメリカ国内で10万台のビットコインATMが設置されるようです。
ビットコインが手軽に入手できるようになれば、それだけ利用機会が増えますから、ビットコインの認知度が上がります。
仮想通貨でタクシー利用が可能になる
少し古いニュースですが、ロシアでは一部タクシーでビットコインキャッシュで決済ができるようです。
観光客にとっては、仮想通貨で決済できることは、両替手数料やクレジットカードの手数料を節約する面でも有利に働きます。海外旅行において仮想通貨決済を活用する機会はすぐかもしれません。
日本も現在観光立国を目指していますから、仮想通貨決済の導入を先駆けていく価値があるといえるでしょう。
韓国は仮想通貨が熱い
インターネット浸透率が高い韓国では、仮想通貨の取引量もとても多いです。
オンラインゲームやインターネット上の取引等に抵抗がない国柄ということも影響しているのではないでしょうか。
「韓国プレミアム」として、他国より仮想通貨の価格も高く取引されていることも多く、アービトラージをしていた方もいたようですが、価格が他国より高騰するくらいには、韓国国民が仮想通貨に熱狂しているとも捉えることができます。
仮想通貨をもらうことができるブログサイトの1つであるSTEEMITは韓国人が多く利用していることで知られています。また、日本に住む韓国人が主体となりsteemit japanなどの団体も活動しています。
みなさんおなじみのLINEが仮想通貨事業に参入とのニュースもありましたが、LINEの親会社も韓国の企業です。
LINEの仮想通貨事業参入は日本でも大きな話題になり、日韓両国に多大な影響を及ぼすことが予想されます。
リップル社主催SWELL2018が開催される
10月頭にリップル社主催のSWELLが行われました。
ビル・クリントン元アメリカ合衆国大統領等の登壇やXRPの商用利用であるxRapidの発表等、大変盛り上がったカンファレンスであったと思います。
投資の格言の1つに「噂で買って事実で売る」というものがありますが、XRPについても当てはまったようです。SWELL開幕と同時に価格が下落しました。その後もxRapid商用利用の発表などで一時値段をあげましたが、月末にかけて下落しています。
ただし、XRP自体は昨年同期比に比べても値段は上がっている状態をキープしていることから、「現実的に利用される仮想通貨」として一定の評価を受け、値段が保たれているのではないかと思います。
仮想通貨は年末に向けて価格上昇を見込めるのかをまとめる
昨年のような暴騰は見込めないかもしれませんが、仮想通貨自体は日々発展をしている、ポジティブなニュースがほとんどです。
日本国内においても、世界的に見ても仮想通貨に対して注目が集まっています。
11月19日現在において、仮想通貨の価格は全体的に落ちてきています。その背景にあるのは、先日のビットコインキャッシュのハードフォークでしょう。しかし、いままでのチャートの傾向から見てとれるのは、価格が落ちたらその直後にはまた上がってくるということです。
やはり仮想通貨の実用性に対しても注目が集まり始めているので、価格の落ち目である今の時期に買いが入り、年末に合わせて価格の上昇がおきると予測できます。
これらの要素から年末の仮想通貨は少なくとも今より価格は上がっていると考えられます。
参考までにビットコインの価格を予想している記事(Trefis、Finder、coinmagazine)をあげておきます。
年末にかけて上昇すると予測する記事や今年は上がらないという記事、いったん下がってから上昇するという記事などいろいろな考えが見て取れます。
仮想通貨はこれまでの金融市場に比べて、時間の流れが相当早く、いとも簡単にアナリストの予測を超えてました。結果、これまでの予測は当てはまらないと言えるかもしれません。
この年末にまた、アナリストの予測を大きく超えてきたら面白いですね。
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