【G20】政府による規制が強い国「ロシア」の仮想通貨事情を徹底解説



近年、仮想通貨の技術が世界規模で普及するようになり、仮想通貨の需要も確実に高まっています。

一般的には仮想通貨は投資対象として見られがちですが、新しいビジネスや決済の手段であり、将来性を期待する人は多いです。
ただし、投資熱のあまりにも高くなってしまい、異様な動きに走る人も多く、また仮想通貨の技術が詐欺などの犯罪に悪用されたことから、規制の動きも見られています。

G20でも仮想通貨の存在は無視できない段階に入っており、どのように仮想通貨を扱うべきかを議題にし、活発な議論が行われています。

G20参加国の一つであるロシアも同様で、国内では仮想通貨の普及が進んでいる一方、規制に関するニュースも報道されるようになりました。

本記事では、ロシアでの仮想通貨事情をさまざまな角度から解説していきます。

ロシアの概要を解説する

ロシアは世界で最も広大な国土を誇り、人口は1億4000万人を越えます。
原油や米の生産が活発となっており、ロシアで生産された原油や農作物は世界各国に輸出されています。
鉱物資源も豊富で、日本もロシアとの貿易を積極的に行っていることから、世界経済でも重要な役割を担う国であることが伺えます。

G20には初期の頃から加盟しており、G8の加盟国としてもロシアが含まれています。
ロシアは莫大な国土と豊富な資源によって、世界経済の中でも重要視されている国家でもあります。

そんなロシアも仮想通貨に関するニュースが報道されていて、ユーザーにとっては見逃せない情報が豊富に含まれています。

ロシアでの仮想通貨の認知度と保有率はどれくらいか

ロシアでは若者を中心にビットコイン(Bitcoin/BTC)に関する理解が深まっており、仮想通貨は新しい決済の手段というイメージが浸透しています。
国内でもビットコインに関係する出版物は185,000を超えて、2017年の人気ワードランキングではビットコインが1位にランクインを果たしました。

2018年1月で首都モスクワを対象に行われたロシア全米研究センター(VTsIOM)の調査によれば、ロシア人の56%がビットコインについて知っているとの結果が出ています。

しかし実際に購入したいと考えているのは9%です

仮想通貨は通貨として法的に認められていないことが、購入に踏み切れない原因になっています(参照:Биткойны: Купить? Продать? Забыть?!—Пресс-выпуск)。

日本の保有率は世界でもトップクラスで、ダリア・リサーチ(Daliar Research)の調査では11%であると報告されています。

ロシア 日本
認知度 半数以上がビットコインを知っている 徐々に向上し、高い
保有率 9% 11%
保有人数 約1200万人 約1000万人

ロシアで人気の仮想通貨とは何か

2017年に発表されたソーシャルメディアのネットの検索数ランキングでは、ビットコインがトップとなり、続いてブロックチェーンの単語がランクインしています。
アルトコインのイーサリアム(Ethereum/ETH)も8位に選ばれていることから、仮想通貨の人気が伺えます。

ビットコインは新しい決済として、イーサリアムはDappsと呼ばれるアプリケーション作成のプラットフォームであることやスマートコントラクト(契約の自動化)が評価されており、ロシア国内でも大きな期待を集めています。

現在はロシア国内でビットコインとイーサリアムが高い人気を誇り、2つのコインに続くように多くの仮想通貨がロシアで広まることが期待されます。

ロシアでの仮想通貨の歴史を読み解く

ロシアでは仮想通貨の認知度が徐々に向上しており、仮想通貨関連のメディアも増加の傾向にあります。ロシアでは仮想通貨が普及しつつある中、規制するべきであるという声も少なからずあります。

ロシアではどのように仮想通貨が動き出しているのか。その歴史についても紹介していきます。

ロシアで仮想通貨が人気になったきっかけと時期はいつか

ロシア政府は2017年5月に、同年9月より大手企業のUlmartがビットコインを決済手段として導入する計画について発表しました参照:Russia’s Largest Online Retailer Will Accept Bitcoin Despite Central Bank Slapdown—CCN)。

Ulmartは2008年より発足しており、ロシア連邦では240を超える都市に拠点を置いており、ロシア国民の生活をさせる基盤となっています。日本で例えるなら、イオンのような小売業者です。

2018年5月にはロシアの港町ロストフでビットコインに関係するサービスが増加しており、タクシーがビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash/BCH)の決済に対応するのとが発表されました(参照:Taxis Take BCH, Stores Sell BTC in the Russian City of Rostov—Bitcoin.com)。

また、ロシアのスーパーマーケットのAssortiでは3台ものビットコインATMが稼働していて、BBFpro社の管理の元で運用されています。

近年、仮想通貨が人気を誇っており、そのきっかけは国内で知名度の高い企業がビットコイン決済を導入することにあります。

ロシアでの仮想通貨に関するニュースを読み解く

ロシア国内では仮想通貨の普及が報道されていますが、一方で仮想通貨に関する規制や法整備も行われています。
ロシア連邦議会の下院であるロシア国家院では、仮想通貨の法案の追加を2018年5月に表明しました。
仮想通貨がデジタル資産であり、ロシア連邦の法定通貨ではないことを明確に示しています。

また、ブロックチェーンやトランザクションの定義も与えており、新しい活動に必要な法的な枠組みも確立しました。

また、マイニングを行うマイナーと仮想通貨の所有者に対する課税法案が2018年7月に成立したことを、金融市場の下院委員会の委員長は話しています

その一方で、ロシアでは仮想通貨に関係する悲しい事件も起きています。

ロシアの仮想通貨ブロガーとして有名なパヴェル・ニャシン氏が2018年5月に死亡したというニュースが報道されています。
死因は不明ですが、パヴェル・ニャシン氏は同年1月にも強盗グループに襲われて2400万ルーブル(日本円で約4800万円)もの資産を奪われたことがあります。

ロシアでは仮想通貨保有者を狙った犯罪が多発しており、利用者の保護という観点から見ても法整備と規制が必要とされています。

時期 出来事
2017年5月 ロシア政府がUlmartでビットコイン決済が可能になったことを公表
2018年1月 VTsIOMの調査結果でロシア人の56%がビットコインを知っていると発表
2018年1月 仮想通貨ブロガーのパヴェル・ニャシン氏が強盗グループに資産を奪われる
2018年5月 ロシア国家院が仮想通貨法案を追加
2018年5月 仮想通貨ブロガーのパヴェル・ニャシン氏が原因不明の死亡
2018年5月 港町ロストフのタクシーがビットコインキャッシュ決済に対応する
2018年7月 マイナーと仮想通貨保有者の課税法案が成立

各機関の仮想通貨への姿勢と見解を考察する

ロシアでは仮想通貨の知名度が向上の傾向にあり、国内での需要は確実に高まりつつあります。仮想通貨決済を取り入れる企業も増えており、政府や銀行も仮想通貨に対して注目しています。

ロシア政府は仮想通貨に対して法整備を行っていますが、実際にどのような姿勢で仮想通貨と向き合っているのか。

ロシアの銀行は仮想通貨にどんな印象を抱き、どんな施策を行っているのか。それぞれの姿勢を紹介します。

ロシア政府の仮想通貨への姿勢と見解を解説する

ロシア政府は仮想通貨を始めとしたデジタル通貨に対する規制を実施しています。
2017年10月には、プーチン大統領の署名が付けられている仮想通貨に関係する規制のガイドラインが発表されました参照:Putin Mandates Crypto and ICO Regulation Be Finalized by July 2018—Bitcoin.com)。

大統領直々の署名が与えられたことから、法整備に対して真摯な態度で挑んでいることが伺えます。

他にも、2018年4月には60万ルーブル(日本円にして約100万円)を超える仮想通貨の取引には外国為替規制がかかることも表明されました(参照:Russia: Crypto Bill Review Regulates Crypto-Fiat Transactions Over $9.6K, Report Says—COINTELEGRAPH)。

仮想通貨を詐欺やマネーロンダリングなどの犯罪に悪用させないための法案であり、違反した取引所にはライセンス剥奪などのペナルティが課せられます。

ロシア政府は仮想通貨の普及のために多くの法整備を行っています。

ロシアの銀行の仮想通貨への姿勢と見解を解説する

2018年6月、ロシアでは大手銀行のAlfa Bank(アルファバンク)と国有企業のSberbank(ズベルバンク)が顧客に対して仮想通貨運用のポートフォリオを発表しました参照:Two of Russia’s Largest Banks to Offer Crypto Trading in Six Top Coins―NEWS BTC)。

ビットコインやイーサリアム、ビットコインキャッシュやライトコイン(Litecoin/LTC)を含む6つの仮想通貨を使って投資資産を形成することが可能であり、ズベルバンク副社長のAnna Ivanchuk氏は仮想通貨は世界経済の大部分になることを予測しています。

アルファバンクのマネージャーであるAnton Rakhmanov氏も仮想通貨の将来性を期待しており、仮想通貨を正しい資産として認識させるスピードアップにも期待していると語りました。

仮想通貨保有者を狙った事件も起きたことで慎重な対応が求められますが、ロシア銀行は仮想通貨の将来性を期待していることが伺えます。

ロシアの企業の仮想通貨への姿勢と見解を解説する

ロシアではタクシーの決済にビットコインキャッシュが導入されて、若者を中心に仮想通貨に関するワードが人気になるほどの影響を与えています。
Ulmartのビットコイン決済導入発表も、仮想通貨参入のハードルを下げるきっかけにもなっています。

2018年に開催されたロシアワールドカップでは、ビットコインがロシア国内で実用化するきっかけにもなっています。
カリーニングラードのホテルでは海外からのお客様を想定して、ビットコインで滞在費の支払い提供を決定しました(参照:Russian Hotels to Surprise World Cup Fans with Bitcoin Payments—Bitcoin.com)。
ワールドカップに限らず、海外から旅行者が訪れやすくなることが期待できます。

ロシアでの仮想通貨の将来性とロシアが世界に与えるインパクトを考察する

ロシア国内では仮想通貨に関する規制が行われていますが、小売店やタクシーなどの人々の生活に欠かせない業界で仮想通貨決済が行われるほどに浸透しています。

仮想通貨のメディアも豊富で、メディア総数は18万を超えており、ロシア国民はビットコインに対する理解が深まっています。

ロシア国内での仮想通貨の将来性、ロシアが世界に与えるインパクトを考察していきます。

ロシアでの仮想通貨の将来性を考察する

ロシア国内では仮想通貨の普及が進んでいますが、同様に仮想通貨を狙った犯罪も起きたことも事実です。
パヴェル・ニャシン氏を標的とした強盗や変死の事件など、仮想通貨普及の裏では悲しい事件も起きています。

一方で、大手銀行では仮想通貨が世界的に展開されることを予測しており、政府でも投資家を守るための法整備を整えています。
政府と銀行が制度を用意しているからこそ、国内で仮想通貨決済が進むニュースも頻繁に報道されるようになりました。

今後、多くの人が仮想通貨に関わるための環境は充分に整っており、ロシア国内で仮想通貨が普及する可能性は非常に高いです。

ロシアでの仮想通貨の発展が与える世界へのインパクトを考察する

2018年7月には世界で初めてとなる仮想通貨投資銀行の「HASH」がロシアで設立されて、HASHによる取引所やICOに必要なプラットフォームの提供も発表しました。

2017年7月ではHASHを運営するQiwiはIT教育者のScream Schoolと提携し、ブロックチェーンの原則やITソリューションの開発に焦点を当てたIT専門家向けのブロックチェーンアカデミーも開いています参照:Payments Provider Qiwi Launches Russia’s ‘First’ Crypto Investment Bank—COINTELEGRAPH)。

ロシアはサウジアラビアに次いで石油の生産が豊富な国であり、穀物の生産量が世界で最も盛んになっています。ロシアはエネルギーや食料の輸出量が非常に多いため、世界経済を支える大きな国の一つです。

石油と農業だけでなく、ロシアは仮想通貨の技術に関する教育にも積極的な投資を行っており、世界でもリードしています。

今後、教育の結果が発揮されれば、ロシアは仮想通貨関係でも世界で優位に立つことが可能です。

ロシアの仮想通貨事情をまとめる

ロシア国内ではメディアが積極的に仮想通貨について取り上げており、若者も知識が身に付けられる環境が整いつつあります。
HASHの登場もその後押しに役立てており、国民の多くが仮想通貨に関して気軽に学べる日も近くなっています。

仮想通貨は単なる金融商品ではなく、新しい未来を担う技術でもあるので扱いにはリテラシーが求められます。
正しい知識の元で運用を行うことによって、ロシア国内でも仮想通貨を安心して運用できる場が増えていきます。

法整備の増加など、ロシア国内における課題は多いです。
仮想通貨を正しく運用するための知識を身に付けて、国内の決済を広げていくことがロシアには求められます。




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