月間7600万人を巻きこむ LINEが創り上げるトークンエコノミーの本質とは?



2018年、NTTや楽天など多くの上場企業がこぞって仮想通貨事業に参入を表明しました。
金融庁が公表した資料によると、仮想通貨事業に新規参入の意向を示す企業は日に日に増え続けており、この流れは今後さらに拡大していきそうです。

今や日本人の生活インフラとなっているLINEもその中の一つです。
LINEは先日、独自通貨の発行やトークンエコノミー構想を発表しました。

今回はこのLINEが発表したトークンエコノミー構想をわかりやすく解説していこうと思います。

LINEのトークンエコノミー構想を解説する

まずはLINEのトークンエコノミー構想の概要を解説していきます。

LINEのトークンエコノミー構想とは?

LINE株式会社は2018年8月31日付のプレスリリースで以下のようなものを掲載しました。

「LINE Token Economy」構想を発表し、独自に開発したブロックチェーンネットワーク「LINK Chain」を基盤(メインネット)とした「LINKエコシステム」を公開いたしました。
併せて「LINKエコシステム」内で利用できる汎用コイン「LINK Point(日本向け)」と「LINK(海外向け)」も公開いたしました。

では、LINEの独自ブロックチェーン(LINE Chain)上で使うことのできる仮想通貨「LINE Point」と「LINK」を用いた「LINKエコシステム」はいったいどのようなものなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

LINEのトークンエコノミーの目指しているところとは?

LINEトークンエコノミーの目指す世界はどのようなものなのでしょうか?
ホワイトペーパーによると、次のように書かれています。

『LINEが独自に開発したブロックチェーン技術を活用することで、サービス提供者とユーザーの関係をよりフラットにし、ともに成長していくことができる共創関係の構築を目指すトークンエコノミー構想』

「サービス提供者とユーザーの関係をフラットにしたい」ということは、裏を返せば現在は両者の間に大きな隔たりが存在しているということになります。

インターネットの普及により、様々なインターネットサービスを通して大量の情報やコンテンツを無料で受け取ることができるようになりました。ユーザーはSNSやレビューなどにおいて積極的にコンテンツを生み出す「生産者」となり、これらの発展や成長に大きく貢献しています。

しかし、そういったユーザーの貢献に対し、適切なインセンティブが還元されているのでしょうか?

適切なインセンティブを還元する仕組みを構築することは非常に難しく、現状では十分な還元ができていません。

このような問題を解決し、「サービス提供者とユーザーの関係をフラットに」するために開発されたのが、この「LINE Token Economy」です。

それではこの「LINEトークンエコノミー」の中身について見ていきましょう。

LINEが提供するソリューションとは?

LINEトークンエコノミーでは、汎用コインLINK(海外向け)およびLINK Point(国内向け)をベースにした単一トークンエコノミーを共通コインとしています。

この共通コインをベースに、LINEは以下の3つのソリューションを提供します。

  1. dApps
  2. 取引所
  3. LinkChain

dApps

LINK Chain上で動く様々なサービスを指します。

dAppsとは、分散型アプリケーションのことで通常Dappと表記されますが、LINEではdAppと表記されていて、現在LINEから提供するdAppは5つ発表されています。

5つのdAppsについては後ほど詳しく解説します。

取引所

LINEは、仮想通貨交換所BITBOXを開設しました。

LINKはBITBOXに2018年10月16日に上場しています。

日本では未だ登録業者としての交換業が認められていないため使うことはできません。

LINK Point : ICOなしでユーザーのインセンティブとして分配されます。日本在住者向けのインセンティブです。
LINK : 仮想通貨交換所BITBOXにて,7月16日より提供されています.ただし,日本では未だ登録業者としての交換業が認められていないため使うことはできません.

LinkChain

「LINK Chain」は、LINEの独自のブロックチェーンネットワークの基盤(メインネット)です。

1秒当たり1000以上のトランザクションを処理できる高性能ブロックチェーン・コアネットワークと、LINEが培ってきたプラットフォーム構築における技術を融合させ、開発してます。

韓国の仮想通貨ICONのブロックチェーンエンジン、LoopchainをもとにLINKChainを開発ししました。

LINEのトークンエコノミーの流れはどうなるのか?


ホワイトペーパーより

日本国内の居住ユーザーは「LINKトークンエコノミー」に参加するdAppサービスや、今後参加を計画している既存のLINEサービスを利用すると、「LINK Point」を受け取ることができます。

そこでのアクション内容やサービスへの貢献度に応じてインセンティブの量が変わります。

獲得した「LINK Point」は、他のdAppサービスで使用することができるほか、「LINEポイント」に交換して利用することが可能です。
「LINEポイント」は1ポイント=1円として、LINE Payでの決済やLINEサービスでの購入、決済時に使うこともできます。

一方、海外向けである「LINK」は、日米を除くユーザーに配布され、仮想通貨交換所「
BITBOX」上で購入することが可能です。今後、ユーザーがdAppサービス上で獲得した「LINK」を仮想通貨交換所「BITBOX」で他の仮想通貨との交換、取引することも可能となります。

LINEのトークンエコノミー構想の歴史を解説する

次にLINEのトークンエコノミー構想のこれまでの歴史とこれからの展望を解説していきます。

主に2018年の出来事になりますが、以下の表にまとめています。

時期 出来事
4月 LINE Token Economy設計のための子会社UNBLOCK CORPORATIONを発足
6月 LINKブロックチェーンのプラットフォーム開発のために、LINEとICON FoundationがジョイントベンチャーUNCHAIN CORPORATIONを設立
7月 LINK β版を公開
8月 LINKメインネットを公開し、ジェネシス・ブロックを作成
10月 シンガポール拠点の取引所BITBOXにてLINKが上場
11月 LINK開発ツールキット1.0をリリース
4Q LINK Protocolをリリース
2019年1Q LINKエコシステム参加のdAppsを10個以上リリース
2019年2Q LINK Protocolをリリース

LINEの独自通貨「LINK」とは?

次にLINEのトークンエコノミーの鍵を握る「LINK」についてみていきます。

LINKとは?

  • 概要:「LINE Token Economy」において利用可能な汎用コイン
  • 発行方式:LINEが提供する各dAppサービスのユーザーへのインセンティブとして付与
  • 発行元:LINE Tech Plus株式会社
  • 単位:基本単位はLINK(1 LINK=1,000,000 cony)、LINK point

「LINK Point」と「LINK」は合わせて総数10億個が発行され、このうち8億個は「LINK エコシステム」に参加するサービス毎に設けられた報酬ポリシーに従って分配されます。

残りの2億個は予備として発行元(LINE Tech Plus株式会社)で管理されます。

LINKの上場と購入できる取引所とは?

現在、LINK PointはLINEポイントから交換することはできず、日本在住者はdAppの参加報酬として獲得する必要があります。

一方で、LINKは仮想通貨交換所BITBOXで購入することができます。

「LINK(LN)」トークンは、LN/ビットコイン(BTC)、LN/イーサリアム(ETH)、LN/テザー(USDT)との3つの取引ペアで購入可能となっています。

LINKはどこで使えるのか?

LINK Pointは、1LINK Point = 500LINEポイント、LINEポイントは1ポイント=1円として、LINE Payでの決済やLINEサービスでの購入・決済に使用することができます。

LINEが提供する5つのDAppsとは?

LINEは2018年9月27日、LINK Chain上で展開する分散型アプリケーションdAppsを、2019年3月までに順次公開すると発表しました。
ここでは、今まで発表された5つのdAppについてご紹介します。

知識共有のためのQ&A Wizball


Wizballは知識共有のためのQ&Aサービスで、「知識を共有し,共同体の価値を分配することで、より良い知識共有の環境を作り出すこと」というビジョンを掲げています。

ユーザーは質問者、回答、質問や回答を評価する投票者として参加することでLINK Pointを入手することができます。

また、Wizball認定の専門家が参加しているため、情報の信頼性・質が担保されるだけでなく、ユーザーのより良い成長も期待されます.

未来を予想して楽しむ 4CAST


4CASTは、イベントやスポーツの試合に対して、勝敗を予想するプラットフォームです。

予想が的中したらLINK Pointが付与され、LINE Pointと交換することも可能です。

身の回りの口コミレビュー Pasha


Pashaは、調べたい商品をスマホで撮影するだけで商品を認識し、データーベースからユーザーが投稿したレビューを検索できるサービスです。

レビューを投稿したり、データーベースに登録されていない商品を手動で登録することでLINK Pointを入手することができます。

グルメレビュー TAPAS


TAPASは、実際に店舗で飲食を行いレシートを投稿し、料理の写真や評価、コメントを投稿するとLINK Pointがもらえます。

レシートは画像認識技術によって情報が抽出され、店舗情報や食べたメニューなどは自動的に反映されます。

旅行情報SNS STEP


SNS STEPは、ユーザーが位置情報やタグと一緒に旅行中の写真をSTEPにアップし、それらの情報をBOOKという単位で公開します。

そのBOOKが他のユーザーから旅行情報として閲覧されると、LINK Pointを獲得することができるという仕組みです。

LINEが創り上げるトークンエコノミーの将来性を考察する

上で述べてきたことをもとに、どんな世界をLINEが創るか、その世界は需要があるか考察していきます。

現在は5つのdAppsが発表されており、来年にはdAppsが10個までリリースされる予定です。

LINEの月間アクティブユーザーは約7600万人と規模が大きく、日本・アジアを中心にに与えるインパクトは計り知れないものになります。

トークンエコノミーの普及・実現のためには人々が価値を感じるサービスがたくさん存在し、LINK Pointが求める価値の媒介とならなければなりません。

このようなトークンエコノミーがたくさん存在する社会になることで、現代の金銭的な負い目を感じながらの生活から脱却することができます。

アクティブユーザー数が多く、魅力的なdAppsが多いことから、LINEのトークンエコノミーが非中央集権的社会を創っていく可能性は高いです。

中央集権、非中央集権の違いはこちらの記事で解説しています。

【CoinInfo編集長の脳内】中央集権と非中央集権の違いを極端な解釈で健全なエコノミーを解説する

2018.10.28

LINEのトークンエコノミー構想をまとめる

今回は、LINEが展開するトークンエコノミーについて読み解いてきました。

LINEでは既存のSNS事業の特徴を生かしたトークンエコノミーを展開し、サービス提供者とユーザーがお互いに成長しあう共創関係の構築を目指しています。

まだローンチされていない事業もあり、今後どのようなサービスが展開されていくのか、注目していきましょう。




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