監修は仮想通貨に詳しい人なら知らない人はいないほどの有名人、大石哲之さんです。彼は日本デジタルマネー協会の理事を務め、日本ブロックチェーン協会のアドバイザーも務めるビットコイナー。ビットコイン&ブロックチェーン研究所を主催し、わかりにくいこの業界に関して、毎週の研究レポートを発信 しています。
本書「これからを稼ごう」はお金の役割とは何か?仮想通貨やそれを用いた経済はどうなる?というテクノロジーを通しての問いかけを理解する最適の「仮想通貨の入門ガイド」です。
「お金・仮想通貨」の根本的な仕組み・思想について事例を用いて分かりやすく解説しています。
- 仮想通貨ってどこが革命的なの?
- ブロックチェーンって何?
- 今後のお金の役割はどうなって、私たちの人生にどんな影響があるの?
という人におすすめの一冊となっています。
本記事では、「これからを稼ごう」の内容を要約し、重要ポイントとホリエモンの見解を解説します。
目次
「これからを稼ごう」の本の構成を紹介する
本書は大まかに分けると以下のような構成です。
- 仮想通貨の現状とお金の役割
- 仮想通貨の基礎知識
- イーサリアムとICOについてのホリエモンの見解
- 国家と通貨と規制のイノベーション
- トークンエコノミーと「評価経済」というこれからの時代
「これからを稼ごう」はビットコインなどに特化して解説した本ではなく、仮想通貨とは何なのか、お金の役割とは何かなど定義や基礎知識から、今後の世の中への影響や来るであろう時代についてまでホリエモンの目線から網羅的に述べられています。
つい最近起きた事件や事例を盛り込みわかりやすく解説しています。
以下では筆者が本書「これからを稼ごう」で重要だと考える部分を抜粋して解説します。
「これからを稼ごう」仮想通貨の現状とお金の役割を解説する
仮想通貨は未来を豊かな方向へデザインする
近年、仮想通貨による「億り人」が現れ、世間に広く知られるようになったことで仮想通貨ブームが起きています。
仮想通貨に対する認知は進んできたものの、「仮想通貨=画期的な財テク術」のように新たな儲け話としてしかとらえていない人もかなりいるようです。
儲かる、儲からないの考えでとらえていると、本質を見失う。
仮想通貨は、僕たちのこれからの未来を豊かな方向へデザインする、テクノロジーのひとつだ。
とホリエモンは述べています。
ではなぜ仮想通貨は未来を豊かにデザインできるのでしょうか?
それは仮想通貨が非中央集権的だからです。
この仕組みは通貨の歴史の中で最大級のインパクトを与えました。
従来の通貨とは違い、取引台帳を独占的に管理している組織や個人は存在しないのです。
日本は他国と比べて非常に強力で安定した日本円を使っていますが、世界では自国を信用できない、自国通貨がいつ紙くずになるかわからない国はいくつもあります。
そんな中、数学的なテクノロジーの裏付けがあり、国家の枠組みがない仮想通貨は革命的だったのです。
僕は負の情緒よりも、テクノロジーを信じる。
仮想通貨はいろいろな事件で騒がれることもありますが、この先どんどん広まっていくといえるでしょう。
お金は信用を数値化したものである
お金は物々交換だと取引に限界があることから、その不便さを解消するため、価値を代替するものとして生まれました。
そのため、誰もが欲しがり交換が簡単なものとして、レアな金や銀、美しい貝殻などが用いられてきました。
ホリエモンは「お金は信用を数値化したものである。」とことあるごとにお金の定義を説いてきました。
お金は人の共有幻想。つまり価値があると信じればお金になるのです。
「これからを稼ごう」DAO的未来の到来とICOの本当の価値を読み解く
DAO的未来は来る
2016年、イーサリアム(Ethereum/ETH)で起きた「The DAO事件」でDAOは注目を浴びました。
The DAOは投資ファンドのプロジェクトです。
中心=プロトコル(機械)、周囲=人間
一般の投資ファンドは、ある組織が資金を集めて投資先を決め、利益を出資者に分配します。
それに対しThe DAOは、イーサリアムのスマートコントラムとを利用して、DAOトークン保有者が投資先を決定する投票に参加できる自律分散型を目指していました。
この未来のファンドは世界中で注目され、ICO歴代最高額の150億円以上を調達することに成功しました。
非中央集権的だからこそ一人の合理的でない判断に被害を受けることはないからでしょう。
イーサリアムやビットコインをはじめとする仮想通貨の考え方は、このDAOの考え方に基づいている。中心にブロックチェーンがあり、それは誰からの干渉も受けず、自動的に執行される。
プログラムに従い、ブロックチェーンのメンテナンスを続けていくことで、人は報酬を得ることができる。
ホリエモンはこのDAO的未来が人間にとって幸せかどうかは何とも言えないが、到来は避けられないと考えています。
ICOの本当の価値は議決権の有無に隠されている
注目され盛り上がりをみせるICO。
しかしICOの約9割は詐欺か失敗で、いいイメージのない人が一般的でしょう。
でも、ICOの本当の面白さや価値は議決権の有無にヒントがあるとホリエモンは述べています。
巨額の資金を調達する方法として、今までは株式市場上場(IPO)が最もいい方法でした。
しかし、IPOは株式に議決権がついています。つまり、上場企業は株主のものともいえます。
一方、ICOには議決権がありません。
そのおかげで権利を持つ人から邪魔されて短期的な利益に経営方針を左右されることなく、先鋭的なアイディアと実行力、技術力でよりユーザーにとっての利便性のみ追求したサービスを提供することができるのです。
ライブドア時代、上場企業として当たり前であった「上場企業は株主のもの」という大前提にホリエモンは身動きを縛られてきました。
だからこそICOの時代になったことで、ユーザーメリットを追い求めるサービスが誕生することをホリエモンは期待しています。
「これからを稼ごう」トークンエコノミーと「評価経済」時代を生きる
トークンエコノミーは国から独立した経済圏である
トークンエコノミーとは何か知っていますか?
トークンエコノミーでは国家が発行する法定通貨の代わりにトークンを発行し、それを使ってインターネットの中であらゆるサービスと交換することができます。
既存のビジネスモデルとの大きな違いは、国家ではなくどこか作られたネットワークの中だけで独立した経済圏を持つことです。
例えばイーサリアムのブロックチェーンをベースとしたブロックチェーンゲーム「イーサエモン」では「EMONT」という独自のトークンでモンスターの育成や売却などができます。
頭に描いた夢の通りに、使い方や運用法を創出できる経済圏は、もうテクノロジーの力で実現できる。
そのダイナミズムは、ぜひ実感してもらいたい。
ホリエモンは個人でトークンを発行しています。そして、トークンを出すことは本書を読み通すくらいのリテラシーがあれば充分だと述べています。
お金より信用稼ぎの時代である
これまでの歴史では、働く対価としてお金が機能していました。
しかし今や、「お金の価値は相対的に下がっている」とホリエモンは何度も説いています。
世の中は評価経済社会へと大きく転換しているのです。
インターネット、SNSの普及によって、これまで可視化しづらかったその人の信用・評判を数値化・データ化できるようになっています。
例えばTwitterやInstagramのフォロワーが多いインフルエンサーやyoutuberなどです。
彼らは自分の銘柄、ブランドを持ち、お金との交換ができない独自の価値があります。
「お金をください」と言わなくても、応援したいと思う人が自発的に投げ銭をすることであっという間にお金が集まるのです。
まさに評価経済社会。
これからの未来のお金の稼ぎ方が求められます。
ホリエモンがお金とは信用を数値化したものだ。と言っていますが、「お金」ではなくて「信用」という、これまで貨幣換算が難しかった価値を保存していくことのほうが重要だということです。
【これからを稼ごうのまとめ】いつまで円建てで人生を考えているのか?
本記事では堀江貴文氏の「これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話」を紹介してきました。
「いつまで君は円建てで人生を考えているんだろう?」
これは、本書の冒頭に書かれているフレーズです。
今や私達は自分が選択し納得のできる特定の経済圏を選び、参加できるというチャンスがあります。
自ら小さな変化を起こすことで、次の変化へとつながり、評価や信用へとつながる好循環が生まれてくるでしょう。
さあ、私たちも時代の変化とともに知識をアップデートしていきませんか?
”これから”を稼ごう!
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