ICO規制から考える「ICOのありかた」



金融庁は11月の時点でICOの本格的な規制に向かって動き出すことを明らかにしていたが、先日詳しい規制内容を発表した。

11月30日から12月2日にかけてアルゼンチンでG20が開催されていたが、米中の貿易摩擦や食料問題について話し合われた中で、仮想通貨に対して今後どのように規制を敷いていくのかも議題に上がった。

G20と同じタイミングで発表すると規制が進んでいるような感じもするが、世界ではICOに対してすでに国で規制をかけているところが多いのが現実問題である。

G20での国際的な規制や、今回の金融庁の規制によって、日本国内での仮想通貨に対する姿勢はどう変わっていくのだろうか。

CoinInfoがこの規制に対してどういう意見をもっているのかを書いていく。

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2018.11.03

日本国内のICOの現状

まずは現在の日本国内におけるICOの現状を見ていく。

ICOとは

そもそもICOとは「Initial Coin Offerring」の頭文字をとったものである。

似たものにIPO(Initial Public Offering)がある。IPOは、事業を始めるときや起業するときに株を発行してそれを投資家に売ることによって資金を得る方法のことを言う。

それと比較してICOは、独自の仮想通貨(トークン)を発行してそれを投資家に「イーサリアム」などの広く流通している仮想通貨で買ってもらうことで資金調達する方法のことを言う。

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2018.10.31

ICOの中にも2種類あり、持っているトークンに応じて配当をもらえる「投資型」とその会社のサービスでトークンを使える「決済型」の2つがある。

日本の仮想通貨法律事情

現在、日本で仮想通貨を規制するのは、資金決済法と「日本仮想通貨交換業協会」の定める自主規制規則である。

同協会は2018年10月に金融庁より、資金決済法に基づいた自主規制団体に認定されている。

日本は世界でも先駆けて仮想通貨の法規制に取り組んでいたが、仮想通貨業界の進化の流れに対応するために、法律ではない形で規制することにした。

自主規制規則の内容

  • 匿名性通貨の禁止
  • セキュリティ強化
  • 不正取引の規制

など多岐にわたる。

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2018.10.31

今回のICO規制の内容

上述したように今回の規制は、投資家保護の観点から行われる予定のものだ。

まず、「投資型」のICOに関して、リスクが大きくなることを考慮して一般投資家はICOに参加できず、ICOに参加できる対象を機関投資家に限定している。

「決済型」のICOに関しては、個人投資家も参加することはできるが、業界があらかじめICOの実施内容を判断して許可が下りた場合、企業はICOをすることができるようになる。

投資型のICOには金商法を、決済型のICOには資金決済法を改正することで対応するようだ。

また、株取引と同様に、仮想通貨の価格を上下させるような風説を流すことも金商法で取り締まられる。

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2018.11.21

ICOの事例は日本にはそもそも少ないが、海外で行われているICOの8割が詐欺だったことも含めて投資家保護に力を入れていくようだ。

規制を踏まえてICOを考察する

ここで金融庁の判断に異を唱えたい。

私たちは、そもそもICOの在り方が間違っているのではないかと考えている。

ICOは本来、企業がなしえたいコミュニティを作るために資金が必要で、その資金を仮想通貨によって集めたいというものである。

企業は投資してくれた相手に対して、企業が目指すコミュニティの中で使える決済手段としてトークンを発行しているのである。

そのトークンをよりたくさんの人に保有してもらうことで、企業は自らがなしえたいコミュニティの拡大が図れるのだ。

企業からしたら「たくさんの人にトークンを保有してもらい、たくさんの人に利用してもらう」ことがICOを行うことの目的であるはずである。

よって、そもそも「投資型」や「決済型」という枠組みができていること自体がおかしく、本質から外れているのではないだろうか。

今回の規制の話に戻るが、金融庁は「投資型」ICOの存在自体を規制することはしておらず、あくまで機関投資家による投資なら良いとしている。

投資型ICOが存在する限り、現代の仮想通貨に対しての「投資対象」という意識はなくならないだろう。

これでは、ICOの本来の目的である「たくさんの人にトークンを保有してもらい、たくさんの人に利用してもらう」ことはかなわない。

いつまでも仮想通貨を「投資」先としか見られず、実用化に向かって進むことはできないだろう。

ICOをする目的として、「第三者の介入をせずとも個人間でやりとりができること」もあげられる。

現在の社会では、非中央集権的なシステムは少なく、ほとんどが何者かに管理されている中央集権的なシステムで構築されている。

これを解消するために仮想通貨は生まれたのである。

詳しくは以下の記事を参考にしてもらいたい。

【ビットコイン神話説】サトシ・ナカモトは何を感じたのか?仮想通貨が誕生した歴史を徹底解説

2018.09.11

中央集権がはびこる現在の社会において非中央集権のシステム、トークンエコノミーを作るための手段がICOであるのだ。

ICO規制はこうあるべきだ

上述したように、現在、ICOの本来の在り方とはズレが生じてしまっているのが現実問題にあると考える。

今後の規制に必要なのは、投資対象としてのICOを排除することである。

本来のICOの在り方、トークンエコノミーの形成を実現できる部分だけを残したらいいのではないだろうか。

具体的な規制内容としては、「投資型」ICOの禁止である。

どのように投資型ICOか判断するのかというと、ICOをする企業は業界にその実施内容を正確に申請しなければいけないようにする。許可制にするのだ。

これは今回の規制内容に含まれていたものと同じである。

今回の規制で金商法の対象になっている時点で、仮想通貨が有価証券などの金融商品とみられていることと同じではないだろうか。

「投資型ICOが完全に禁止されて、日本で流通するICOはトークンエコノミーの形成につながるようにするべきだ」というのが私たちの意見である。

ICO規制に関してまとめる

ここまで述べてきたように、そもそものICOの在り方が間違っているのではないだろうか。

ICOが本来あるべき姿はなんなのか、それが見えていない状況では仮想通貨の実用化が進むことは考えられないし、中央集権的システムの中で自由を食いつぶされていくのである。

今回の規制が間違っているとは言わないが、今後仮想通貨の実用化を進めていくのであれば、投資型ICOは禁止されるべきであり、それが必然だと思える社会にしていかないといけない。

残念ながら、そのことに気づけている人が少ないのが現状だ。

私たちは本質をこれからも発信し続けて行きたいと思う。

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