リップル・カルダノが人気に!?南アフリカの仮想通貨事情を徹底解説【G20】



G20では仮想通貨に関する議題が定期的にあがるようになり、世界中で注目されていることが伺えます。ICOも多数され、ブロックチェーンの技術も世界規模で注目を浴びるようになりましたが、異様な投資の加熱が原因で、仮想通貨には法整備が必要とされています。

G20参加国の一つである南アフリカも同様であり、仮想通貨に対して注目をしています。ブロックチェーンの技術を評価していることは確かですが、仮想通貨は価格暴落や犯罪に利用されるなどのリスクも無視できません。

南アフリカでは実際にどのような規制を行っていて、また国内ではどのように流通しているのかをこの記事で紹介します。

南アフリカの概要を解説する

南アフリカ共和国はアフリカ大陸の最も南に位置する国であり、人口は約5500万人です。

アフリカ大陸の中では最もトウモロコシの栽培が活発で、小麦やマカダミアナッツの生産も盛んになっています。金やダイヤモンドなどの生産も豊富で、金は世界の産出量の半分を占めていることが特徴です。

G20には1999年から参加しています。南アフリカ国内での鉱物生産量が高いため、貿易国としては重要な立ち位置になりますが、南アフリカ最大の都市であるヨハネスブルクの治安が世界でもトップクラスに治安が悪い時期がありました。

国内では犯罪が多発しており、海外からの旅行者は充分な警戒が呼び掛けられています。現在の治安は回復の傾向にありますが、油断してはいけないことに変わりはありません。

南アフリカでの仮想通貨の認知度と保有率はどれくらいか

南アフリカでは仮想通貨の関心が徐々に高まりつつあります。

2018年5月、南アフリカのニュースサイトのMyBroadbandは1,244人もの読者を対象にした
意識調査を行いました。

調査の結果、読者の7割が仮想通貨の保有または保有権を所持しており、残る2割も今後の投資に強い関心を持っていることがわかっています。

仮想通貨に向けた感心は確実に広まっており、今後も国内で更に普及する見込みが高いです。

南アフリカで人気の仮想通貨とは何か

南アフリカではビットコイン(Bitcoin/BTC)の流通が進んでおり、2017年9月では大手スーパーのPick n payがビットコインによる決済を導入しました参照:Bitcoin Proof of Concept Pick n Pay−electrum.co.za)。取引のプラットフォーム(環境)にはイーサリアムが利用されています。

南アフリカではビットコインとイーサリアム(Ethereum/ETH)が高く評価されており、今後の普及に期待ができます。

南アフリカでの仮想通貨の歴史を読み解く

南アフリカでは仮想通貨の普及が確実に進んでおり、人々の生活を支えるライフラインになりつつあります。

仮想通貨が広まるきっかけは数多いですが、日常の決済で取り入られるようになったことが大きな要因の一つです。Pick n payでのビットコイン決済導入の他にも、仮想通貨は南アフリカで確実に広まりつつあります。

国内でどのように仮想通貨が広まるようになったのかを紹介していきます。

南アフリカで仮想通貨が人気になったきっかけと時期はいつか

南アフリカでは仮想通貨取引所がいくつも展開されており、一般の人でも仮想通貨に手を出しやすい環境が整っています。

2013年に南アフリカでは仮想通貨取引所LunoやICE3Xが設立されて、仮想通貨取引所の中ではかなりの老舗です。また、ICE3Xでは2018年8月よりカルダノ(Cardano/ADA)の上場が決定し、今後の流通に期待されています。

南アフリカでは仮想通貨取引所に関係するニュースが頻繁に報道され、2018年4月には新たな仮想通貨取引所ChainEXが設立されたニュースが話題になりました(参照:Digital Asset Exchange launched in SA―ITWebr)。ChainEXでは2018年7月よりリップル(Ripple/XRP)の上場が決定したことも話題になり、世界中から注目を集めています。

今後も南アフリカにおける仮想通貨のニュースは目が離せないでしょう。

南アフリカでの仮想通貨ニュースを読み解く

南アフリカ国内では仮想通貨が盛り上がりを見せていて、技術に対して信用の姿勢を見せる国民も多いです。ただし、国内で報道されているのは明るいニュースばかりではありません。

2018年3月には、南アフリカで投資家達が5000万ドルもの詐欺に遭ったことをLloyd Ramovha氏が述べています(参照:$50-million cryptocurrency scam cripples South African investors―timesLIVE)。

南アフリカに限らず、仮想通貨が関わる詐欺事件は世界的な規模で起きています。被害者を守るため、今後の法整備が求められるでしょう。

2018年5月には南アフリカのヨハネスブルクでビットコインのATMが初上陸したニュースが話題となりました(参照:SA’s first cryptocurrency ATM comes to Joburg―BUSINESSREPORT)。ビットコインだけでなくイーサリアムの購入も可能となっており、ウォレットを保有していれば手軽に仮想通貨が手に入ります。

アフリカで広がりはじめた仮想通貨ATM。南アフリカらケニアへ

2018.06.21

ヨハネスブルクでビットコインのATMが導入されたことが、国内で仮想通貨の普及が加速するきっかけの一つにもなります。

時期 出来事
2013年 サウジアラビア政府による王族や官僚の拘束が行われる
2018年1月 ACWAパワー社がソーラーコイン採用を発表
2018年1月 仮想通貨取引所のLunoが設立される
2017年9月 Pick n payがビットコインの決済を導入
2018年3月 Lloyd Ramovha氏が5000万円に及ぶ仮想通貨の詐欺事件を発表する
2018年4月 仮想通貨取引所のChainEXが設立される
2018年5月 ヨハネスブルクでビットコインのATMが設立される
2018年5月 MyBroadbandが行った意識調査で国民の大半が仮想通貨に強い関心を持つ結果が出る
2018年7月 ヨハネスブルクでビットコインのATMが設立される

各機関の仮想通貨への姿勢と見解を解説する

南アフリカでは仮想通貨の普及と同時に、仮想通貨に関連する事件も多数起きています。

仮想通貨のベースとなるブロックチェーンの技術自体は優れていますが、必ずしも仮想通貨が信用されているとは限りません。実際に、仮想通貨が悪用された事件が原因で不信感を抱く人も多いです。

もちろん、仮想通貨の技術を評価する声も多数あります。国内で起こる出来事に対して、南アフリカの政府・銀行・企業はどのように捉えているかをニュースと共に説明していきます。

南アフリカ政府の仮想通貨への姿勢と見解を解説する

南アフリカの歳入庁(SARS)は2018年8月に仮想通貨の課税に関する法案を国会に提出しました参照:SOUTH AFRICA RELEASES DRAFT CRYPTOCURRENCY TAX LAW―Bitcoinist)。仮想通貨は決済として導入されていますが、南アフリカ全域で利用されている訳ではありません。

仮想通貨は特定の国家で保障されている通貨ではないので、無形資産と見なされています。仮想通貨の取引で所得が生じれば、利益の分だけ納税しなければいけません。

南アフリカ政府は厳重な規制は行っていませんが、納税に関しては他国と同じように設定しています。今後、新たなる法整備が行われる可能性も充分にあります。

現在、南アフリカ政府は仮想通貨の普及を進めるために、規制をしている段階です。

南アフリカの銀行の仮想通貨への姿勢と見解を解説する

2018年5月、南アフリカの中央銀行である南アフリカ準備銀行では、ビットコインなどのデジタル通貨を通貨とは認めず、サイバートークンに分類されることを発表しました。

南アフリカ中央銀行「仮想通貨を通貨として認めない」と発表

2018.05.27

一方で、南アフリカ中央銀行はブロックチェーンに注目をしており、分散型台帳技術(DLT)が取引で大幅に成長している事例から、南アフリカ準備銀行によるDLTイニシアチブテストのプロジェクト「Project Khokha」が2018年9月に開始されました参照:Best Distributed Ledger Initiative: South African Reserve Bank―CENTRAL BANKING)。このプロジェクトの影響で1日で7万~20万もの取引処理を行うことが可能になり、取引内容のプライバシーも保護されるようになりました。

中央銀行はFinTech&RegTech Best Distributed Ledger Initiative賞を受賞しており、トランザクション(取引)の時間やプライバシー、そして高いセキュリティの構築も目標としています。もちろん、金融市場のインフラの原則も遵守しております。質と速さの両立を掲げており、取引データの改ざんも防止してくれます。

今後、中央銀行による仮想通貨関係の取り組みには注目ができるでしょう。

南アフリカの企業の仮想通貨への姿勢と見解を解説する

投資会社のシグニア・アセット・マネジメントが、2018年に仮想通貨取引所のシグニアコインの設立することを、2018年5月に発表しました参照:Magda Wierzycka to launch SygniaCoin – a cryptocurrency exchange for SA―BusinessTech)。

また、南アフリカのケープタウンでは『Blockchain Academy』と呼ばれるブロックチェーンに関わる技術を学べる教育機関が用意されており、仮想通貨とブロックチェーンのことを学ぶ機会が国全体で用意されています。

ブロックチェーンの技術は保管したデータの改ざん防止に役立ち、政治や企業の腐敗をなくすことが期待されています。他にもインフレ改善にも効果があり、南アフリカのように情勢が悪化している国ではリスク分散として仮想通貨の需要が高まります。

南アフリカでは企業発信で、仮想通貨に関わる機会を増やそうとする動きが積極的に行われています。

南アフリカでの仮想通貨の将来性と南アフリカが世界に与えるインパクトを考察する

南アフリカでは仮想通貨決済の普及が進み、ATMの設置やブロックチェーンの教育も用意されているので、G20の中でも技術の浸透に力を入れていることが伺えます。

南アフリカで仮想通貨に関する動きが進む度に世界に衝撃を与えます。現在でも、南アフリカ国内では仮想通貨に関わるプロジェクトが多く動き出しているので、南アフリカで仮想通貨が普及する可能性はとても大きいです。

南アフリカでの仮想通貨の将来性を考察する

南アフリカでは仮想通貨の規制が少なく、国内で仮想通貨が普及する基盤が整いつつあります。南アフリカでビットコインを始めとした仮想通貨市場が発展すれば、他のアフリカ諸国でも流通するきっかけにもなります。

2018年にはビットコインやイーサリアムの価格が昨年に比べて大幅に減少したにも関わらず、南アフリカではこれらの通貨が高い人気を誇っています。2018年3月、南アフリカのGoogle検索ではビットコインが多く検索されています。ビットコインの検索数が多かった理由は、国内の経済混乱からの法定通貨への不信感と認識されています(参照:South African Google Searches for Bitcoin Spike Amid Economic Uncertainty—Bitcoin.com)。

価格が暴落する事態に陥っても、技術を支持する人は多くいることから仮想通貨の信用は成り立っています。

ヨハネスブルクではビットコイン用のATMが設置されるようになり、企業も仮想通貨やブロックチェーンの普及に力を入れています。今後、仮想通貨が南アフリカで普及する可能性は充分に高いです。

南アフリカでの仮想通貨の発展が与える世界へのインパクトを考察する

南アフリカでは仮想通貨の普及が進んでおり、企業や銀行も率先して投資に力を入れています。

ビットコインのマイニング用のハードウェアを販売するBitmartは、2018年2月より、小売店舗のオープンを発表しました参照:Physical Bitcoin Mining Hardware Store Bitmart Opens in South Africa—Bitcoin.com

ハードウェアとソフトウェアのコンポーネント(部品)を筆頭に、ブランドの時計やTシャツなどの生活雑貨を販売し、ハードウェアの財布などの商品も販売します。Bitmartはクライアントに向けてビットコインのATMを用意しており、クレジットカードやインターネットバンキングの代行サービスによる支払いも受け付けています。

Bitmartはビットコイン普及のため、企業が決済の手段にビットコインを導入するシステムのサポートを積極的に行っています。

2018年6月では、南アフリカの中央銀行は銀行間の取引で、ブロックチェーンをベースにしたシステムの試行に成功したことを発表しました。取引ごとに匿名性を維持しながら成立させて、ブロックチェーンの実用性が証明されています(参照:South Africa’s Central Bank Eyes JPMorgan Blockchain Tech—coindesk)。

以前にも、同年2月より中央銀行はイーサリアム技術開発のConsenSysと提携しており、中央銀行を含む大手銀行はブロックチェーン導入を目指していました(参照:South Africa’s Central Bank Claims Success in Blockchain Payment Trial—coindesk)。

これらのプロジェクトの成功によって、瞬時に仮想通貨の決済が進む訳ではありません。しかし仮想通貨の決済に必要な環境が整い、国内で仮想通貨やブロックチェーンの信用性が増しています。

南アフリカで仮想通貨のプロジェクトが積極的に進行すれば、ビジネスの効率化も上がり、ブロックチェーンのデータ保管技術によって不正防止も進みます。

南アフリカで仮想通貨が普及すれば、ボツワナやナミビアなどの近隣する国々でも仮想通貨が広がるようになり、最終的にはアフリカ全域で流通することが期待できます。

未開の地と呼ばれるアフリカ全域で仮想通貨が広まり、国の情勢が大きく変われば、世界に経済的に大きなインパクトを与えることになります。

南アフリカの仮想通貨事情をまとめる

南アフリカでは国の治安が不安定なため、ビットコインなどの仮想通貨が資産として支持されています。仮想通貨は投資の手段と見られがちですが、実際には新しいお金またはビジネスを進める手段と言えます。

仮想通貨自体の値段が下がっても、非常に優れた技術を誇っていることが、世界的な規模で支持者がいる大きな理由です。

南アフリカ国内ではブロックチェーンの教育を行う環境が整っており、政府や銀行も技術を取り入れています。ビットコインATMも導入されて、シグニアコインやChainEXを始めとした取引所の登場によって、南アフリカにおける仮想通貨取引所の文化は大きな盛り上がりを見せています。

南アフリカで報道される今後のニュースには要注目です。

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