カレンちゃんは仮想通貨の歴史を勉強していると、過去にコインチェック(仮想通貨取引所)から約580億相当の「NEM」という仮想通貨が流出した事件があったことを知りました。
そこで調べて見ると一番の原因はコインチェックが「コールドウォレット」ではなく「ホットウォレット」を使って仮想通貨を管理していたことでした。
カレンちゃんは思いました。
「ん?ホットとかコールドとか何?そもそも目に見えない仮想通貨をどうやって安全に保管するの?」
ということで、今回は仮想通貨を保管する”ウォレット”の種類とそれぞれの用途、そして将来、ウォレットによって大きく変革する仮想通貨の取引まで世界一わかりやすくビット編集長が解説します。
目次
【基礎】そもそも「ウォレット」って?
でもそもそも、なんで自分で管理していた仮想通貨がハッキングされるんですか?ブロックチェーンは安心って散々いろんなとこに書いてるのになあ…。
しかもそれを”取引所に置きっぱなし”にするってさっぱりわからないです…。
そして、ウォレットの保管場所によって種類、安全性、保存方法が変わってくるんだよ。
でも一方で、たくさんの仮想通貨が集まる取引所にもつながっている故にハッカーから狙われやすい危険もあるんだ。
【その前に!】ウォレットの仕組みをもっと詳しくチェック!
ウォレットの種類を見ていく前にまずウォレットの仕組みについてもう少し整理していきます。
ウォレットの主な機能としては以下があります。
- 秘密鍵の作成、保有
- 送金を行うトランザクション(取引履歴)の作成
そもそも厳密に言うとウォレットで管理するのは仮想通貨ではなく「秘密鍵」と呼ばれる膨大な量の数字を無作為に組み合わせた暗号のようなもの。
例えば、ビットコインで使われる秘密鍵は0〜77個の数字が使われます。
その秘密鍵からは仮想通貨を受け取るために使われる公開鍵が複雑な暗号を使って作られます。
そして秘密鍵は、仮想通貨の送金時のトランザクションを記録するのに使われます。
つまり、秘密鍵は自分の仮想通貨の所有を証明する目印なのです。
ですが、AさんがBさんに秘密鍵の目印をつけたまま送金してしまうと秘密鍵の意味がなくなります。そこで秘密鍵からアドレス(仮想通貨の住所のようなもの)を生成して取引を行います。そうしてこのアドレスが取引の履歴としてブロクチェーンに記録されるのです。
おもな5種類の「ウォレット」を解説する
スマホで簡単管理!ホットウォレット
インターネットに接続しているホットウォレットには2種類あります。
それぞれの特徴や使用に適した場面などと一緒に解説していきます。
オンラインウォレット
オンラインウォレットはインターネット上に存在しており、PCやスマートフォンなどの媒体で利用できるので、もしその媒体が使用できなくなっても他の媒体でまた使用が可能です。
つまり、インターネット上でサイトのマイページを開いてログインして、サービスを利用できるようなものです。
気軽に使えるのですが、ウォレットの秘密鍵をサービス提供者に委ねる状態なのでセキュリティ面では万全とは言えませんし、サービスに不具合が起きた場合はそのウォレットは使用不可になる恐れもあります。
安全性は高いとは言えませんが、投機や投資目的で仮想通貨を頻繁に取引所で扱うのであれば、その取引所が準備するオンラインウォレットを使うのが効率的です。
クライアントウォレット
クライアントウォレットはホットウォレットとコールドウォレットの間のような立ち位置です。
PCやスマートフォンにインストールして使うのですが、サービスによってオフラインとオンラインの両方で利用できるものもあります。
秘密鍵を取引所のような集権的なサーバで管理するのではなく、
ユーザーの端末のみで管理することで第三者の介入を防ぎます。
また、仮想通貨取引所が破綻しても秘密鍵を握っているのは、個人なので影響がない点がオンラインウォレットよりセキュアだと言えます。
しかし、使用しているデバイス自体に密に紐付いたウォレットのため、故障や機種変更の際にはバックアップが必要になります。
仮想通貨を持ち歩けるコールドウォレット
インターネットに接続していないコールドウォレットには2種類あります。
ペーパーウォレット
ペーパーウォレットは紙に秘密鍵とアドレスを記載して、それを完全なるオフライン環境で管理するのでサイバー攻撃を受ける可能性は非常に低いです。ただ、物理的に保管するので火災による消滅や紛失には十分に気をつけなければなりません。紙なので保存状態によっては劣化して文字が見えなくなる恐れもあります。
また、インターネットからは完全に離れているため、仮想通貨を取引する際は手間がかかります。長期的に大金を保管する時などにはおすすめです。
ハードウォレット
ハードウェアウォレットはPCなどの媒体に外付けでUSBのようなハードウェアで仮想通貨を保管する方法です。
簡単に持ち運べるサイズなので、PCのウイルス感染などのサイバー攻撃を除けば、セキュリティ面では安心です。
しかし秘密鍵を保管するのでメルカリなどの中古品だと故障してしまう恐れがあるので信頼度の高いメーカーの製品の購入を推奨します。
カレンちゃんの振り返りノート
仮想通貨取引所コインチェックから大量のコインが流出した事件は、取引所の責任だけじゃなくてユーザーも初めからウォレットを正しく使い分けることができたなら被害は未然に防げたのかもしれないなあ。
それをこれから仮想通貨の勉強を進めるカレンちゃんにはぜひ知っててもらいたいんだ。