【後編】ウォレットが創るあたらしい経済とは?ビット編集長の発展講座



〜前回のあらすじ〜
コインチェックから巨額のコインが流出した事件の原因の一つがウォレットの保管場所にあることを知ったカレンちゃん。
そこでウォレットについて理解を深めるためにビット編集長から仮想通貨を保管するウォレットの仕組みと、その保管場所によって異なる種類や用途を学んだ。

だが、レクチャーの終盤にビット編集長は『ウォレットはあたらしい経済をつくる。』という一言を放った。

果たして、ビット編集長が放ったその一言の意味とは?
今回は、ウォレットがつくる「あたらしい経済」とは何かを見ていきます。

そもそも取引所で仮想通貨を売買する目的って?

カレンちゃん
ビット編集長!前回のレクチャーの最後のひとことが気になりすぎてずっと眠れませんでした!
ビット編集長
『ウォレットがあたらしい経済を創る』ってやつだね。
カレンちゃん
そうです!率直に、どういう意味ですか?」
ビット編集長
仮想通貨取引所を介さずにウォレットから直接、仮想通貨のやりとりができるようになったら、トークンエコノミーが加速するということだ。
カレンちゃん
ちょっと全体的に意味不明です(泣)トークンエコノミーもわからないのですが、まずウォレットで仮想通貨のやりとりができるメリットはあるんですか?」
ビット編集長
カレンちゃんには少し難しかったかな。ゆっくり順番に整理していこう。
まず、カレンちゃんは仮想通貨を取引所で売買する人は何が目的だと思う?
カレンちゃん
いろんな種類の仮想通貨を集めたいのかな?」
ビット編集長
間違ってはいないね。取引所にはいろんな種類の仮想通貨があって、その時の人気や情報操作で価格が変動するんだ。

例えば、ホリエモンが『ビットコインを今買わないと損する』ってTwitterで呟いたりするとイーサリアムやモナコインを持っている人はそれを売って、みんなこぞってビットコインを買うでしょ?
そうすると、ビットコインの価値が上がる、そしてビットコインを売った人は元値を差し引いた利益が得られるよね。

カレンちゃん
つまり…。仮想通貨を売買する人はその利益を期待してるってことですか?
ビット編集長
その通り!それらの人たちは仮想通貨の価格変動が大きい特徴を利用して、投資で利益を得ようとしているんだよ。株と似ているね。
カレンちゃん
でも、投資じゃなくて実用的通貨として使いたい人にとって取引所って必要なんですか?」
ビット編集長
そういう人にとっては、仮想通貨を売買する必要がないから、iphoneに搭載されているIDのように、仮想通貨もウォレットから直接決済できるようになる方が便利だよね。
カレンちゃん
だから、仮想通貨の実用的な面が将来進んでいくと取引所がいらなくなるってことですか!」
ビット編集長
そうだね。そうしてウォレットから直接、仮想通貨で買い物ができるようになったら、『トークンエコノミー』がさらに活発化するんだ。
カレンちゃん
その『トークンエコノミー』って…?
ビット編集長
では次に『トークンエコノミー』について見ていこう。

【その前に復習!】ウォレットから仮想通貨で買い物するとは?

今、キャッシュレス決済は一つの端末を店側の端末にかざすだけで、自動的に複数の金融機関を経由して完了します。
例えば、iPhoneであればウォレット機能が以下のプロセスを遂行してくれます。

  1. iPhone端末を店側端末と接触
  2. IDで決済(コンビニ側は楽天ペイなどのサービスを利用)
  3. IDはVISAのデータを利用して決済
  4. VISAは自身の信用情報をベースに銀行から引き落とし
  5. 自身は現金を銀行に預金

これを仮想通貨でもできるようにする可能性を秘めているのがウォレットです。

ウォレット内では、いろいろな種類がある仮想通貨を、そのときレートで自動的に法定通貨に換算されて表示します。
例えば、ビットコイン0.00002BTC(100円)、イーサリアム0.007ETH(100円)などのように。
※レートは事実では例です。

こうして法定通貨に換算された仮想通貨でウォレットから直接決済できるようになると無数の仮想通貨の種類があっても両替は不要です。
そうすると、割り箸をビットコインで0.00002BTC(100円)、イーサリアムで0.007ETH(100円)のようにウォレットから直接決済できます。
また、マイナーな仮想通貨であっても同様です。

しかし、これはあくまで割り箸に『トークン』が付与されている場合の話です。
では、今から『トークン』についてビット編集長が解説してくれます。

『トークンエコノミー』って何?

ビット編集長
では、これから『トークンエコノミー』について解説するね。
カレンちゃん
お願いします!まず『トークン』って何ですか?」
ビット編集長
トークンは”貨幣の代わりになる価値あるモノにつけるしるし”で、貨幣の代わりにトークンを発行して、それをユーザーが購入することによって価値が生まれるんだ。
カレンちゃん
それって株に似てますよね?
ビット編集長
そうだよ。
カレンちゃん
そのしるしは何に付けてもいいんですか?」
ビット編集長
そうだよ。仮想通貨、音楽の著作権、または物理的に存在しないアイデアやプランにも付けていいんだよ。
最近は、そのトークンを”人”に付けて価値をみんなで決めるプラットフォームも出てきているよ。
カレンちゃん
”人”にもトークンをつけるんですか?それって”人”を株みたいに扱うんですか?
ビット編集長
株は中央集権が発行する法定通貨で価値を決められるよね。でも、トークンは、非集権的な通貨、つまり仮想通貨で価値が決まるんだ。
カレンちゃん
わざわざ仮想通貨を使う意味あるんですか?
ビット編集長
仮想通貨は、みんなで価値を決めるものなんだ。だからこそ、法定通貨の基準だと見向きもされなかったモノやコトが、あたらしい価値を生む可能性があるんだ。
カレンちゃん
例えば、どういうモノが評価されるんですか?」
ビット編集長
カレンちゃんが飲食店に行ったとしよう。そこでは椅子、割り箸、机、鍋があるとする。それらは飲食店を形成する重要な要素であるのに、お客さんはそれに対してお金を払わないよね。
カレンちゃん
はい。料理に対してだけです。
ビット編集長
でも、割り箸がなかったら料理が食べることができないことから割り箸はとても価値あるモノだと考えてそこにトークンを付与する。そうするとその考えに賛同した人たちが集まって割り箸の価値を認める。そしてコミュニティが形成されてあたらしい経済圏ができるんだ。
カレンちゃん
なるほど!でもそれって空き家を活用するAirbnbみたいな使っていない資産を価値あるモノに変えるシェアリングエコノミーにも言えることですか?
ビット編集長
お!カレンちゃん鋭いね!実はいうとトークンエコノミーはシェアリングエコノミーを発展させたものなんだよ。
カレンちゃん
褒めてもらえた!(喜)
ビット編集長
シェアリングエコノミーは、見過ごされている資産(空き家など)に再び価値をもたせている点はトークンエコノミーと似ているけれども、コミュニティの形態が違うんだ。
カレンちゃん
シェアリングエコノミーは法定通貨で、トークンエコノミーは仮想通貨?
ビット編集長
ほぼ正解だね。
でも補足すると、
シェアリングエコノミーでは国家が管理する法定通貨だから通貨発行者と消費者が厳密に区別されている。
それに対し、トークンエコノミーは国家ではない特定のネットワーク内で流通する通貨だから国家から独立した経済圏が作れるようになるんだ。
カレンちゃん
仮想通貨は通貨のルールを独自で決められることもあるってことですね。
ビット編集長
そうそう。だから、CtoCが進むと国が徴税しづらい社会の仕組みにもなることなんかも予想されるね。
カレンちゃん
社会は個人化に向かっているって言われてたけど、そういうことだったんですね!

ウォレットがトークンエコノミーを加速させる

ビット編集長
これで『トークンエコノミー』が理解できたかな?
カレンちゃん
はい!完璧です!あとは、ウォレットがトークンエコノミー、あたらしい経済圏にどう関係していくのかを聞きたいです!
ビット編集長
よし、ラストスパートだね!では解説しよう。
まず、ウォレットにはトークンの一種である仮想通貨が保管されています。そのトークンは例で出た「割り箸」のようなモノに価値を与えることができたね。
カレンちゃん
はい。トークンを認める人たちが集まって既存の価値に左右されないあたらしい経済圏ができるんですよね。
ビット編集長
そうそう!その無限の種類のトークン、ないし、仮想通貨がウォレットから直接個人が使えるようになったら、より自由にトークンを流通させることができてあたらしい経済圏、『トークンエコノミー』の広がりが加速するということだ。
カレンちゃん
おお!つながりました!個々が価値を決める時代はもうそこなんですね!そこでウォレットがその一助を担う、重要な役割をするかもしれないってことか!
ビット編集長
今後、どのようにウォレットが進化していくかに目が離せないね!

カレンちゃんの振り返りノート

投資目的の人にとっては取引所は必要だけど、実用的通貨として仮想通貨を使おうとしている人にとっては仮想通貨の売買をする取引所は必要がないんだね。

ウォレットでは、いろんな種類の仮想通貨がそれぞれのレートで法定通貨に変換されている。
そしてウォレットから直接決済が可能になったら、中央集権に規定されない通貨でモノを購入することができるようになるんだったよね。

そうすることで、今まで資本主義社会の中では価値を見過ごされていた価値あるモノに価値が国家ではなく、個々の合意の上で価値がつけられるようになる。
そのみんなで価値を決定したモノには『トークン』というしるしが付けられて、仮想通貨と交換することで、中央集権ではない、あたらしい経済圏が生まれるんだったね!

これが「ウォレットはあたらしい経済を創る」というビット編集長の一言の意味がわかったね!

今回のレクチャーは専門用語がたくさん出てきたから復習が大切だ〜。
また参考に下の記事を読んでみよう!

近い将来、ウォレットが取引所を「喰う」らしい

2018.10.30

次回は、「ブロックチェーンの仕組み」の中でも話した、誰が取引のデータをまとめるのかについて、ビットコインを例に解説していきたいと思います!

お楽しみに!




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