【その取引ちょっと待った!】FcoinJP、本当に大丈夫ですか?



元HuobiのCTOである張健が立ち上げた仮想通貨取引所である「Fcoin」は、1日の取引高世界一を記録したこともある取引所です。
FT(エフトークン)と呼ばれる独自トークンを発行しており、取引の際に生じた手数料をトークンで還元する仕組みです。

取引ペア数も多く、Huobiが第2のbinanceであるなら、Fcoinは第3のbinanceと言えるかもしれません。

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そして今回はFcoinの日本版として、Fcoinの提携で立ち上がった「FcoinJP」についてです。

Binanceについていく形で成長を見せる「Fcoinの日本版の誕生」には期待感もありつつ課題点もあるように感じます。
一緒に見ていきましょう!

FcoinJPについて説明する

FcoinJPとは?

 
Fcoinの日本版として、Fcoinの提携で立ち上がったものが、FcoinJPです。

既に運営が開始されており、現在、1日あたり100億円以上の取引がなされており、これまでに10億枚を超えるFJトークンが発行されています。

取引手数料については本家Fcoinと同じようにFJトークンで還元されます。

日本人向けの取引所ですが、認可された日本の取引所ではありません。

海外のサーバーを使っており、取引量が少ない場合は個人情報(KYC)の登録もありません。
 

FcoinJPのホワイトペーパーを読み解く

FJトークンを基軸とした自律参加型取引所

取引手数料は全て、FJトークンとして翌日に取引者に還元されます。1日の取引手数料が1ETHであったとすれば、翌日に1ETH分のFJトークンが分配されます。

また、収益の80パーセントをFJトークンの保有量に応じて、FJトークンとして参加者に分配します。

FJトークン保有者は、コミュニティへの参加権利や選挙権等を有するので、FcoinJPはトークン保有者が共同運営するコミュニティ組織であるとされています。
   
つまり、FcoinJPを運営するのは、トークンを保有しているFcoinJP取引所利用者全員であるということを言いたいのでしょう。

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「F」の意味

金融レベルの取引所を示す「finance

未来志向の取引所である「future

未来の金融取引所を目指しているということだとおもいます。
  

取引所マイニング

FJトークンの保有量に応じてトークンを貰うことができる「Proof of Stake(PoS)」を採用した通貨となります。
また発行されるトークンのうち総量の51%(51億枚)がコミュニティ報酬として保有量に応じて配布されます。

1日の取引手数料は全てFJトークン還元されるので、取引をすればするほど報酬が増えます。
  

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FcoinJPの取扱通貨

  
現在取引が行われている通貨は、8種類です。匿名通貨はありません。

  • BTC(ビットコイン)
  • BCH(ビットコインキャッシュ)
  • FJT(FcoinJPトークン)
  • EOS(イオス)
  • ETH(イーサリアム)
  • ETC(イーサリアムクラシック)
  • LTC(ライトコイン)
  • XRP(リップル)

とUSDTペアの取引を行うことが出来ます。BTCとの直接取引ペアはありません。

なお、本家Fcoinは90種類ほど取扱ペアがあります。

そして、いわゆるホワイトリストを考えたときに、EOSとFJTはホワイトリストから外れた通貨です。
 

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FcoinJPに対する期待を考える

現在日本の市場は停滞しています。1日の取引高が100億円を超えるような取引所は国内には他にありません。

市場の活性化に繋がる可能性があります。
 
また、完全日本語のサイトという分かりやすい形で取引所マイニングという形態を試すことには、意義があると感じます。
  

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FcoinJPの問題点を考える

FcoinJPについては期待すべき点より問題となる点の方が多いように思います。
以下の4つについてかんがえていきます。
  

仮想通貨取扱事業者としての認可がない

日本の仮想通貨業界の現状は大変厳しいことはみなさん承知だと思います。
取引所の認可についても認可待ちが多く、相当厳しいものとなっています。多くの企業が仮想通貨取扱事業者としての申請認可を待っている中で、当然ながら、湧いて出てきたようなFcoinJPが仮想通貨取扱事業者としての認可を得ていることはありません。
   
仮に申請中であったとしても、coincheckのようなみなし仮想通貨取扱事業者となることはありませんので当然国内営業は無許可で行なっているという事になります。

過去にBinanceに対して日本人相手に無許可で営業を行なっているとの警告を金融庁が出したことは記憶に新しいと思います。この際binanceは日本語のホームページを全て削除し、日本での営業はしないという形をとりました。
  
またFcoinJPは『JP』とつけ、あたかも日本法人であるかのようにうたい、完全な日本語のHPで取引所運営をしています。仮想通貨に対する規制が厳しい中で金融庁がこの現状を見過ごすことは考えられません。

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ホワイトリストの対象外銘柄がある

取引できる銘柄は多いわけではありませんが、いわゆるホワイトリスト外のEOS、FJTがある点です。

個人レベルで発行しDEX(分散型取引所)に強制上場される個人発行のトークンでさえグレーゾーンであると考えられてるにも関わらず、独自の取引所銘柄と、ホワイトリスト外の通貨を扱っている時点で、これについても金融庁は問題視すると考えられます。

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運営母体が不透明で信頼性が低い(無い)

所在が不明

Fcoinは最初に書いた通り、元HuobiのCTOである張健が立ち上げた仮想通貨取引所ですが、FcoinJPを見る限りでは張健との関わりははっきりと書かれていません。

ホワイトペーパーを見る限りでも本家Fcoinと「提携」と書かれているだけです。

また、日本の仮想通貨事業者であれば、本社の所在や連絡先等の記載がありますが、FcoinJPにはそれらの記載が一切ありません。
 

海外サーバーの活用と問題点

また、利用しているサーバーについて調べたところAmazon Web Service(AWS)でした。アメリカのサーバーですので、捜査共助等の話は別にして、直接日本の司法権が及ぶ範囲ではありません。
  
これは、
 ・不正アクセスによって仮想通貨を紛失してしまった場合責任追及ができない
 ・資金を持ち逃げされても所在がわからない
 ・資産に対する保証がない
ということです。最悪の事態が起きた場合は泣き寝入りするしかありません。

この点を踏まえると表向きは、日本の取引所と言っていますが、実際のところは、所在不明の海外の取引所であるということです。
 

運営に疑問

 
ツイッターアカウントの行動に疑問が残ります。運営が率先して抽選でFJトークンをばら撒いています。

参加者全員に対して配布する等の形であれば分かりますが、個人のプレゼント企画と同レベルの活動をしています。

企業レベルでやることではないといえ、運営と言いつつ、個人(もしくは複数人レベル)で活動していることが伺われます。
  
  

FJトークンの価値が不明

FJTのチャートは、1週間でおおよそ1/9まで価格が下落しています。
  
これが意味するものは仕手の存在(Pump&Dump)です。FJトークンに目をつけた仕手が価格を釣り上げ、一気に売り抜いたことが容易に考えられます。

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FJトークンは現状の価値は、「取引所トークンとして取引をしてもらったお礼に配られているだけのもの」にすぎません。

言い方は悪いようですが、前記のように運営が不透明であることから、発行主の分からない個人発行トークンと何ら変わらないとも捉えることができます。
ERC20トークンのようですが、FcoinJP上での取引にのみ使えるトークンです。

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FcoinJP自体に懐疑的な声も聞かれる中、FcoinJPを主要な取引所として使う事の方がリスクが大きいように思います。

また、同じ取引所トークンであってもBNB(binanceトークン)とは趣旨が違います。BNBはbinanceにおける株券的な要素もあります。配られるものではなく、購入するものです。取引所としての信頼性も違います。だからこそBNBは価値がついています。

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FJトークンは、例え発行上限があったとしても、取引手数料の還元があり、保有量で日々分配され、使い道に乏しく、過疎化が進む日本の仮想通貨市場において、現状として仕手が売り抜く以外の使い道には乏しいと思います。

1日に100億円以上の取引があるにも関わらず、トークンの価値が下がっていることが答えであると言えます。
 
また、日本人向け取引所であっても日本の仮想通貨取扱事業者ではないということであれば、新規の参入は見込むことができません。
 それを考えればFJトークンはこのまま下落の一途をたどる可能性が高いと言えるでしょう。

FcoinJPとどうかかわるべきなのかをまとめる

取引所の登録・参加は自己責任ですので、FJトークンに未来を見出しているのであれば登録する価値はあると思います。

しかしながら、これまで書いた通り、「JP」とあっても日本の仮想通貨取引所ではありません。あくまで日本人向けに開設された、運営元が不明の海外取引所です。手口は詐欺まがいと言えるかもしれません。

信頼性という点においては乏しく、金融庁の目下の標的となり得る取引所であることは間違い無いでしょう。
失っても良い資金で参加する程度にしておかないと、あとで泣きを見るかもしれません。

そしてFJトークンは、取引手数料報酬としてもらうならまだしも、もし購入を考えているとしたら、本当に利益となり得るのか。今一度考えてから購入しましょう。

貴方がもらえるということは他の取引している人がみんなもらえるのです。他に使い道の無いトークンは売るしかありません。みんな売りたいのです。
  
ICOについてもそうですが、ツイッターやブログ等で様々な情報が錯綜します。100パーセント誰しも儲かるようなうまい話はありません!!

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