今回はブロックチェーンの仕組みと種類について 簡単に徹底解説していきます!
「ネット投票」や医療の現場での「カルテ管理」などに活用されるブロックチェーン。
政府が国民からの票数を集計するネット投票、また病院が通院している患者さんのカルテ管理。
国家の特定の数の有権者、病院の患者さんがいて、さらにそれを管轄する管理者が存在します。
でも、それって「ブロックチェーン」の不特定多数が分散して管理する非中央集権的な仕組みじゃないのでは…。
今回は、ビット編集長に果敢に挑み続けるカレンちゃんと一緒に
「ブロックチェーンの仕組みと種類」
について見ていきます!
目次
ブロックチェーンの仕組みは種類によって違う?
ブロックチェーンの種類の説明の前に、まずブロックチェーンの仕組みについて簡単におさらいしよう!
じゃ、カレンちゃん!ブロックチェーンの仕組みの特徴を3つあげてみて!
え、いきなり!え〜と…。
- ブロックチェーンは参加者全員が管理することができる
- 特定の管理者がいないから中央集権に縛られない
- 改ざんができない
って感じですか?
そうだね。補足するとブロックチェーンのユーザー同士が管理する形式を『P2P(peer-to-peer)方式』というんだ。つまり、同じ力を持った仲間(Peer)でみんな平等に手わけするんだ。
国家や特定の企業みたいな大きな権威じゃなくて、「仲間」なんですね。
そうそう!ワンプレーヤーがデータを集中管理してたら、ハッキングやサーバーダウンが起こった時に一気にシステムがダウンしてしまうよね。その例がPayPayのサーバーダウンで決済が一時利用できなくなったよね。
確かに急にサービスが停止しても利用者は何もできないですもんね。完全に独裁状態ですね…。
それが中央集権の弱点だね。あと、データの改ざんができない理由は知ってる?
取引履歴が高度な技術を使って暗号にするから、解読するには専門知識が必要だからですよね?
65点だね(笑)
ちょっと専門的な話になるけど、ブロックに記録する取引履歴は「ハッシュ値」と呼ばれる一定の不規則な文字列(暗号のようなもの)に変換されるんだ。
新しくブロックを生成する時にはそのハッシュ値に加えて、「ナンス値」というもう一つの暗号を重ねないとダメなんだ。
暗号を暗号でつなげるんですね。
簡単にいうとそうだね。重要なのは、その取引履歴を一度暗号化してしまうと、もう元に戻せないってところなんだ。
あ!だからデータの改ざんがほぼ不可能なんですね!
その通り。そして、そのブロックを生成する作業は「マイニング」と呼ばれていて、成功した人には報酬が渡されるんだ。
時間とコストをかけてマイニングした人にはご褒美が与えられるんだ〜!
そうだね。取引に透明性と安全性をもたらすブロックチェーン技術は大きなメリットがあることを勉強したところで本題に入ろう!
では、ここからブロックチェーンの種類ごとの仕組みについて解説していこう。
管理者がいるブロックチェーンがあるってホント?
ブロックチェーンは、分散型と不可逆性という特徴で取引に透明性をもたらす素晴らしい技術ということがわかったよね。
でも実は、参加者全員でなくて特定の管理者がいないブロックチェーンもあるんだ。
ブロックチェーンの最大の特徴「分散型」がないんですか?
それだけじゃなくて、報酬もなくて、参加者が取引情報を確認できないブロックチェーンの仕組みmもあるんだ。
それってもはやブロックチェーンじゃないような感じ…。
ここで気づいたかな。
ブロックチェーンには『種類』があるんだ。
種類ってはじめて聞きました…。
じゃあ、これまで説明していたブロックチェーンはなんなんですか?
カレンちゃんやたくさんの人が理解しているブロックチェーンは「パブリックチェーン」という種類なんだ。
いわゆる、ビットコインで使われる代表的なブロックチェーンですか?
その通り!では、パブリックチェーンいがいのブロックチェーン2種を説明していくね。
ブロックチェーンの種類①コンソーシアムブロックチェーン
じゃ、カレンちゃん!ブロックチェーンの仕組みの特徴を3つあげてみて!
- ブロックチェーンは参加者全員が管理することができる
- 特定の管理者がいないから中央集権に縛られない
- 改ざんができない
って感じですか?
ちょっと専門的な話になるけど、ブロックに記録する取引履歴は「ハッシュ値」と呼ばれる一定の不規則な文字列(暗号のようなもの)に変換されるんだ。
新しくブロックを生成する時にはそのハッシュ値に加えて、「ナンス値」というもう一つの暗号を重ねないとダメなんだ。
では、ここからブロックチェーンの種類ごとの仕組みについて解説していこう。
でも実は、参加者全員でなくて特定の管理者がいないブロックチェーンもあるんだ。
ブロックチェーンには『種類』があるんだ。
じゃあ、これまで説明していたブロックチェーンはなんなんですか?
一つめは、コンソーシアムブロックチェーン。
コンソーシアムブロックチェーンの仕組みは「複数の特定の管理者」が存在しているのが特徴です。
複数の管理者がいることに加え、以下のようなメリットがあります。
- ブロック生成スピードは格段に早くなる
- 取引承認作業による報酬の有無を管理者がコントロールできる(コスト削減)
- 情報の秘匿性が高い
では、実際にコンソーシアムブロックチェーンの仕組みはどのように活用されているのかをみていきます。
事例① NTTデータ
コンソーシアムブロックチェーンの仕組みはNTTデータが貿易情報基盤の実証実験で活用されています。
NTTデータはシンガポールの貿易プラットフォームであるNTP(National Trade Platform)とのスムーズなクロスボーダー取引の透明性を高める狙いでコンソーシアムブロックチェーンの仕組みを駆使しています。
具体的にはNTTデータが貿易関係者である銀行・保険・総合物流・輸出入者の13者のコンソーシアムでブロックチェーンを管理します。
これら13社以外の企業や組織はブロックチェーン仕様変更も取引データの閲覧も不可能ですが、
限られた範囲での非中央集権的管理と非改ざん性は実現されているといえます。
事例② リップル
リップル(Ripple/XRP)
は、仮想通貨の一種で、送金・決済機能に焦点をあてて開発されました。
リップルは2018年のクリスマスに約1年ぶりにコインチェックで値上がりが記録されるなど、熱狂的なファンもいる今ホットな仮想通貨です。
そんな話題のリップルは「XRP Ledger」というブロックチェーンを採用している点が特徴の一つです。
XRP Ledger上の取引データを承認するのは、不特定多数の参加者ではなく、複数の代表者です。
厳密にいいますと、リップルが選んだValidatorと呼ばれる代表者8割が取引データを承認してXRP Ledgerに記録します。
このValidatorは、誰でもなれるものではなく、リップルが管理しているUNL(Unique Node List)から選出されます。
ブロックチェーンの仕組みと種類②プライベートブロックチェーン
ふたつめは、「プライベートブロックチェーン」です。
このプライベートブロックチェーンの仕組みは、特定の管理者がいるのが特徴です。
一つの企業や団体が単独で管理者になるので完全にブロックチェーンの「分散型」というメリットは失われます。
プライベートブロックチェーンの仕組みのメリットは以下があります。
- 取引承認作業による報酬の有無を管理者がコントロールできる(コスト削減)
- 特定のひとつの企業による完全な秘匿性
- 意思決定の一元化
- 迅速な取引承認作業
プライベートチェーンの仕組みは一見、ブロックチェーンの利点を最大限にいかされていないようですが、
非改ざん性は他のブロックチェーン同様にあります。
では、このようなプライベートブロックチェーンの仕組みの特性を活用する事例をみていきましょう。
NEMと共同開発「Mijin」
ネム(NEM/XEM)のデベロッパーが、仮想通貨取引所「Zaif」を運営するテックビューロ社の専属となり、共同開発したプライベートブロックチェーン技術です。
不特定多数の人が参加することで分散型の管理をすることよりも、
一つの取引のトレーサビリティを高めて資産性を保証する目的があります。
たとえば、生産者Aが牛肉を大阪で加工した際に加工データをMijinに記録します。
そして東京までの運送者Bが流通データを同じくブロックチェーン上に記録します。この時点で二つのデータに差異があれば検知し、追跡することが可能です。
また、最終目的地である東京での販売者は商品の取引履歴を確認することで商品の真正性が得られます。
ブロックチェーンの仕組みは必ずしも非中央集権ではなかった
ブロックチェーンが起こす「変革」に乗り遅れないために
ブロックチェーンの仕組みはそれを利用する参加者全員が情報を管理し、第三者を介さずに参加者同士が互いに承認することで、
個人が価値を生み出すこと自立分散型の組織には欠かせないものです。
そのような仕組みのブロックチェーン上ではデータは改ざんができない点で
データに「資産性」が付与されるので「価値」を移動することが可能です。
このようなブロックチェーンの仕組みは現在、納税や食品管理、さらにDAppsゲームに組み込まれて新たなイノベーションを起こす事例も多数あり、非常に注目されている技術です。
いまや、ブロックチェーン=仮想通貨 の時代はおわったのです。
ブロックチェーンの仕組みについて理解を深めることでどのようなメリットとデメリットがあるのかを見極める必要がありますね
まして「カルテ」の承認作業に報酬があってもおかしいし…。