ビット編集長の初心者まるわかり講座 #01「ビットコインは神である」



CoinInfo編集者のカレンちゃんは、仮想通貨に対しての知識を全く持たずに編集者になってしまいました。

仮想通貨における代表的なものとして「ビットコイン」についてはなんとなく知っていましたが、「どうやって誕生したのか」「何のために生まれたのか」「他の仮想通貨ってどんなものがあるの」など詳しいことは全く知りません。

これから記事を書いていくにあたって、根幹になるものを知っておく必要があると思ったので、カレンちゃんがビット編集長に質問をしたところから始まります。

ビットコインは神?

ビット編集長
編集者になったからには、少しは勉強してきているんだろうな?
カレンちゃん
え、、ビットコインが儲かるとかっていうのは聞いたことがありますけど、、、
ビット編集長
まったく聞いたことがないわけでもないようだな
カレンちゃん
なんか、ビットコインとか仮想通貨って、実際に目にすることってできないじゃないですか?なんとなくふわふわしたイメージなんですよね
ビット編集長
そう!ビットコインっていうのはまさしくふわふわしていて、概念的な、言うなれば「神」なんだよ!

よし、じゃあなんで神といえるのかを説明するために、まずはビットコインがどのように誕生したのかを話していこう

カレンちゃん
(急にスイッチ入りだした、、!?)

ビットコイン誕生の経緯

ビット編集長
よし、じゃあビットコインが誕生した経緯を話していくぞ。

そもそも始まりはリーマンショックが原因で、、、

カレンちゃん
ちょ、ちょっと待ってください!

えっと、、リーマンショックって何ですか??

ビット編集長
お前、そんなことも知らずに生きてきたのか?

じゃあまずはその説明からだな

カレンちゃん
う、、、すみません、、

お願いします!

【ビットコイン神話説】仮想通貨の歴史から読み解く仮想通貨の今後と全体像

2018.09.06

リーマンショック発生

ビット編集長
リーマンショックっていうのは、2008年の9月、ニューヨークにあった「リーマン・ブラザーズ」っていう大きな投資銀行が破綻してしまって、アメリカはもちろん、世界中で金融危機が起きてしまった事件のことなんだ
カレンちゃん
リーマン・ブラザーズ、、!テレビでそんな名前を聞いたこともあったような、、、

銀行が破綻することってあるんですか?銀行はいい就職先だっていう風に聞いていたんですけど、、しかも大きな銀行だったんですよね?

ビット編集長
誰も銀行のことを信じられなくなったから、銀行に対する信頼がなくなってつぶれてしまったんだ。

リーマンショックの一番の原因は「サブプライムローン」という住宅ローンにある

カレンちゃん
住宅ローンですか?住宅ローンって家を買った後に何年もかけてお金を返していくやつですよね?
ビット編集長
そのとおり。「サブプライムローン」っていうのは、とくに所得の低い人に対して、彼らが家を買うためにお金を貸す仕組みなんだ
カレンちゃん
『所得が低い人に』って、そんな人にお金を貸しても返ってこないんじゃないですか?
ビット編集長
それが問題なんだ。
2000年ぐらいにアメリカでは好景気のおかげもあって住宅ブームが起きていて、たくさんの家が建てられていたんだ。

たくさん建てた家が売れ残ってしまったら困るから、所得が低い人でも家を買えるようにサブプライムローンっていうものが生まれたんだね

カレンちゃん
どんどん貸していってしまったんですね、、

そしたらどうなったんですか?

ビット編集長
住宅ローンはもちろんローン会社がお金を貸しているんだが、お金を貸したときに債権という形で「お金を貸したよ」っていう証明の紙を作るんだ。

ローン会社はその債権を銀行に売って、銀行は買った債権を今度は「証券」っていう形で投資家たちに売るようになったんだ。

カレンちゃん
なんだかそれって怪しいですよね、、私だったら買わないかもしれないです。

投資家の人たちはみんな欲しがったんですか?

ビット編集長
それはもちろん欲しがったさ。さっきカレンちゃんが言ったように『銀行がいいっていうんだから間違いない』ってね。

しかも『低リスク高リターンの証券』なんてつけたらなおさらみんな欲しがって、その証券の値段がどんどん上がってしまったんだ

カレンちゃん
バブルっていうのと似た感じですか?
ビット編集長
まさしくそんな感じ!ちょうどそのころ、住宅の数はどんどん増えたけど買う人の数が減ってきたんだ。作り続けていたら当然だけどな。

そして一番の問題である、借りた人たちの返済能力の低さが出始めたんだ。

お金を貸したことに対して発行された債権はお金が返ってこなければ『意味のないただの紙』、いわゆる不良債権になってしまうものがたくさん出てきた。そのことを知った投資家たちは一刻も早く自分が持っている証券化された債権を手放そうとして売りに出した

カレンちゃん
ということはその証券の値段は一気に下落しますよね?その証券を発行したのは銀行だから、、
ビット編集長
そう。ただの紙になったたくさんの証券はリーマンブラザーズのもとに返ってきたんだ。日本円で64兆円という借金と一緒に。

この莫大な借金のせいでリーマンブラザーズは破綻し、世界の経済の中心であるニューヨークでおきたこの事件は世界中へと金融危機を広げていったんだ。これがリーマンショックだ。

銀行への不信感、中央集権への不信感

カレンちゃん
さっきまでの一連の流れで問題があったのは誰だったんですか?ローン会社?銀行?消費者?
ビット編集長
ローン会社にはもちろん問題があった。

債権は銀行が買ってくれるからという理由で返済能力がない人にもどんどん貸してしまっていたからね。

でも一番の原因は銀行にあると考えているんだ

カレンちゃん
借金を作ってしまったからですか?
ビット編集長
それもあるが、証券という言ってしまえば「ただの紙」に価値があると見せることによって銀行の利益を大きくしようとしたことに問題がある
カレンちゃん
、、、ちょっと難しいですね。
ビット編集長
日本円を例に考えてみよう。

ここに一万円札があるが、もし今俺がこの一万円札を破いたらどうする?

カレンちゃん
もちろん全力で止めます。いらないのならもらいます
ビット編集長
じゃあ今度はこのコピー用紙を破いたら止めるか?
カレンちゃん
いや、それは別に止めはしないですね。ただの紙ですし、、
ビット編集長
そこに問題性を感じたんだ。

この一万円札だってただの紙きれであることに違いはないだろ?でもお前はこれに価値があると信じている。

誰がこれに価値があると決めたと思う?

カレンちゃん
日本銀行、中央銀行ですか?日本銀行券って書いてあるし
ビット編集長
そのとおり。

おれたちは、中央銀行が価値があると決めたこの紙を信用して使っていることになる。そしてこの日本銀行券を中心に日本経済は回っているんだ。

これはリーマンショックのときに、ただの紙きれである証券に価値があると銀行が言ったことと全く同じなんだ。

つまり、あるもの(証券)に価値があるかどうかを決める権利がその中心にある機関(リーマンブラザーズ)に集中してしまっていたことが問題だったんだ

カレンちゃん
そういわれると確かにそう感じます、、。今まで考えたこともなかったです
ビット編集長
今までみんなが信じていた中央集権的組織に対して、リーマンショックを通して不信感を持ち始めたんだ

サトシナカモトの論文発表

カレンちゃん
中央集権的な金融システムに対してはよくないなって思い始めました!
ビット編集長
それが理解できたのならここからは話が早いぞ。

リーマンショックが起きた直後の2008年10月にサトシ・ナカモトっていう人物がインターネット上にある英語の論文を上げたんだ

カレンちゃん
サトシ・ナカモトっていう日本人の名前なのに英語の論文だったんですか?
ビット編集長
サトシ・ナカモトという人物が日本人かどうかはわかっていないんだ。

もしかしたら複数人でこの論文を書き上げたということも考えられるな。

その論文の名前は「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」。これこそがビットコインの始まりであり、仮想通貨の歴史の始まりといえる

カレンちゃん
具体的にはどんなことが書いてあったんですか?読んでください!
ビット編集長
Abstract. A purely peer-to-peer version of electronic cash would allow ….
カレンちゃん
すみません、日本語で極力わかりやすくお願いできますか、、、?
ビット編集長
そうだな、簡単に言うと以下の点が述べられているんだ。

  • 中央集権的な金融システムへの批判
  • それに対しての改善機能

それぞれ細かく見ていこう

中央集権的な金融システムの問題点

カレンちゃん
中央集権的な金融システムの問題点って、さっきまで話していた銀行とかの存在自体じゃないですか?
ビット編集長
そうだな、もっと詳しく言うなら、どんな金融的な取引をするときでも銀行や証券会社みたいな、実際の取引とは関係のない信用のある第三者を介さないと成り立たないってことだな
カレンちゃん
たしかに!いま考えるとけっこうそういう場面が多いかもしれません。

クレジットカードでの決済とか、電車乗るとき使うICカードも直接的なやりとりではないですよね

ビット編集長
第三者を通してやりとりをすることのデメリットは以下の点などがあげられる。

  • その仲介をする人にもコストを支払わなければならない
  • 仲介をする人から情報がもれてしまうかもしれない
  • 仲介を通すことによって決済のスピードはその分遅れる
  • 国境を越えたやり取りの場合は通貨を交換しなければならない

これらのデメリットを、ビットコインによって改善しようとしたんだ。

ビットコインのもつ機能

カレンちゃん
サトシ・ナカモトの論文で言っている改善機能ってどんなものなんですか?
ビット編集長
副題にもあるようにPeer to Peer(P2P)という仕組みを使っているんだ
カレンちゃん
『peer』ってどういう意味なんですか?
ビット編集長
peerには『仲間、力が同じくらいのもの』っていう意味があって、P2Pはその仲間同士がつながる仕組みのことを言うんだ
カレンちゃん
今のインターネットってP2Pにはなってないんですか?LINEとか、友達同士でつながってますよ!
ビット編集長
その友達とつながるにも、まずはLINEのサーバーを一回経由してから相手の友達へと送られているからP2Pとは言わないな。

ビットコインの中で提唱されたP2Pっていうのは、サーバーみたいな管理者を必要としないで、そのシステムに参加している人たちだけで成り立つ仕組みのことをいうんだ

カレンちゃん
特定の誰かを毎回通るわけじゃなくて、取引をするその二人だけで完結するから、さっき出てきたデメリットの解消になりますね!
ビット編集長
そういうことだ。

そしてこのP2Pを成り立たせるためにサトシ・ナカモトが作り上げたのが『ブロックチェーン』なんだ

カレンちゃん
『ブロックチェーン』!なんか聞いたことあります!
ビット編集長
このブロックチェーンは少し難しいから今回は簡単に説明しておく。

ブロックチェーンっていうのは、みんなが行った取引のデータをブロックにしまって、どんどんブロックをつなげていく仕組みのこと。

そのブロックはチェーンみたいに一本の鎖として長く続いていくからブロックチェーンと名付けられたんだ。そのブロックの中にある情報が一個前のブロックとずれていないかっていうのをみんなで確認しながら、みんなで管理していくシステムなんだ

カレンちゃん
うーん、、、なんとなくイメージはできたんですけど、いろいろわからないこともあるんでまた今度聞きますね!

ビット編集長の初心者まるわかり講座 #04「ブロックチェーンの仕組み」

2018.11.30

第1回をまとめる

カレンちゃん
今回わかったのは

  • リーマンショックが起きたことで中央集権に不信感を持った
  • サトシ・ナカモトがその不信感から論文「ビットコイン」を提唱した
  • 中央集権だとなにがいけないのか
  • ビットコインが持つ上記の不満を解消する機能

この4点です!

ビット編集長
うんうん、そうだな。今回はビットコインがどのように誕生したのか、その経緯を説明した。

実は通貨としてビットコインを見ると、仮想通貨でのベストな通貨ということはできないんだ。

カレンちゃん
ええ!?そうなんですか!?
ビット編集長
あくまでも、ビットコインは今までの金融システムの問題点を「こうすれば解消できるんじゃないか?」って感じで提唱されたんだ
カレンちゃん
じゃあそれが流行することってあるんですか?

結構緩めな感じですよね、、

ビット編集長
それを改善するような仮想通貨がこのあとたくさん出てくるんだ。

まずはビットコインの「通貨としての面」を改善した仮想通貨が多数誕生してくる。(第一次通貨革命)

次の段階では、ビットコインで用いられている「ブロックチェーン」の技術を応用して、新たなプラットフォームとしての仮想通貨も誕生した。もっとも有名なのがイーサリアムだな。(第二次通貨革命)

カレンちゃん
革命?すごそうですね、、イーサリアムは聞いたことないですけど、、
ビット編集長
なんにせよ、ビットコインと比べたら優秀な仮想通貨がたくさん誕生してきたが、それらはサトシ・ナカモトがビットコインを提唱しなかったら生まれてこなかったはずだ。
カレンちゃん
たしかにそうですよね。

あ!もしかして、、、

ビット編集長
わかったかな?全ての始まりはビットコインにあり、仮想通貨の概念の根幹にはビットコインがある。

俺たちが実生活で神と呼んでいるものは「こうありなさい」と教えてくれるものであり、実際には目に見えない、実体のない、いわゆる概念みたいなものだ

カレンちゃん
つながってきた感じがします!
ビット編集長
そう、「ビットコインは神である」

コインインフォ編集部ではビットコイン誕生後のこれらの2つの動きを通貨革命と捉えました。

第2回では「第一次通貨革命」、第3回では「第二次通貨革命」について解説していきたいと思います!

さらにくわしく解説していくのでお楽しみに!

ビット編集長の初心者まるわかり講座 #02「第一次通貨革命」

2018.11.30

ビット編集長の初心者まるわかり講座 #03「第二次通貨革命」

2018.11.30

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