「マネーフォワードが仮想通貨交換サービスを2019年、春に開始する。」
今回は、仮想通貨市場に大きな衝撃をもたらした資金事業主であるマネーフォワードの仮想通貨事業参入のニュースについて見ていきます。
先日、GMOに続きDMMが仮想通貨マイニング事業から撤退することを発表しました。
このように日本企業がマイニング事業から撤退する理由としてあげられるのは、
ビットコインの急落とマイニング市場の競争の過熱があります。
仮想通貨のマイニングから「撤退」と聞いてビットコイン、ないし、仮想通貨市場はもう縮小傾向にあると
感じる人も少なくはないでしょう。
ですが、Facebookがインドをターゲットに据えて仮想通貨事業を開始するニュースなどに見られるように
仮想通貨はまだまだ終焉を迎えてるとは言えません。
ただ、仮想通貨は次のステージに移行する動きを見せているのです。
シェアリングエコノミー2.0時代が囁かれる今、
それを支える通貨がどのような変化を見せるのかを見ていきましょう。
目次
マネーフォワードが仮想通貨交換サービスを開始すると発表した
マネーフォワードの子会社である「マネーフォワードフィナンシャル」は、2019年春に仮想通貨交換所サービスリリースを目指すことを発表しました。
報道によると、マネーフォワードフィナンシャル社長、神田潤一氏は新サービスリリースについて
具体的な期日や進捗状況を報道陣に明示しています。
「8月に金融庁から出た質問表に返答して、やり取りをしている。本申請をしてから2カ月で登録といわれているが、まだ本申請には至っていない。3月末までには登録を取ってサービスインしたい」(神田氏)
「IT media」
また、マネーフォワードは証拠金取引などはサービスインの段階では行わず、
投資よりも決済などの金融ツールとして
仮想通貨の実用面にフォーカスすることが新サービスの狙いです。
なので、多くの種類の仮想通貨を扱うのではなく、
決済手段として使われやすいビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュの3種を中心に取り扱う予定だといいます。
2018年は仮想通貨の代表格とも言えるビットコインの価格が右肩下がりの状況が続き、2017年に記録した高値の5分の1の価格までに下がるなど仮想通貨市場は冷めきっているように見受けられました。
ですが、このような状況を見てマネーフォワードの神田氏は、今後半年で仮想通貨価格が反転して注目が集まり、
2019年には再び脚光を浴びると指摘しています。
そして、私たち、Coin Infoとしても必ず仮想通貨の次なるステップがあり、それが次世代の社会を形成すると確信しています。
では、その仮想通貨の次なるステップ、
そしてそのマイルストーンとしてどのようなことが今着実に社会で動いているのか
マネーフォワードが作る新たな金融のカタチから読み解いていきます。
マネーフォワードの「家計簿アプリ」とは?
まず、マネーフォワードについて少しおさらいします。
マネーフォワードは2012年にマネーブック株式会社として誕生したのちにマネーフォワードに社名を変更しました。
同社は、「すべての人の、お金のプラットフォームになる。」ことをビジョンとして掲げていて、
オープンかつ公正なお金のプラットフォームを個人、法人全ての人に届けることでお金の課題を解決します。
そんなマネーフォワードの代表的なサービスとしてあげられるのが「Money forward ME」という自動家計簿サービスです。
利用者の銀行・クレジットカード・証券会社・FXなどの口座と連動して、自動的に家計簿をつけます。
家計や資産の一括管理を可能にするこのサービスで、
資産の現状を把握が簡単になるのでお金の不安をなくすことができます。
では、ここからはマネーフォワードが
今回新しくリリースを発表した「仮想通貨交換所サービス」について見ていきましょう!
マネーフォワードの仮想通貨交換サービスとは?
マネーフォワードが2019年第1期にリリース予定の仮想通貨交換所は
簡単にいうと仮想通貨のやりとりをする取引所と言えますが、
そう呼ばないことにはワケがあります。
マネーフォワードの仮想通貨交換所は、いろいろな種類のコインを取り扱うことによって、
仮想通貨の取引を活発化させることが目的ではありません。
前述したように、
交換所ではビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュの3種しか仮想通貨を扱いません。
国際間での決済、すなわちクロスボーダー決済を推し進める目的があるからです。
また、それと合わせてクロスボーダー決済を大幅に下げることも可能です。
マネーフォワードは、この仮想通貨交換所でブロックチェーンと仮想通貨を基盤として、電子マネーや地域通貨、ポイント、ECなどの
あらゆる送金、決済手段に対応するプラットフォームを作っていくことを目指しています。
ブロックチェーンと仮想通貨の技術を使った仮想通貨交換所をリリースする企業はたくさんあります。
ですが、今回マネーフォワードがこの仮想通貨事業に参入したことにはとても重要な意義があります。
その意義とは何かをいまの仮想通貨市場や他の業者と比較することで紐解いていきます。
マネーフォワードは他の仮想通貨取引所業者とは違う
仮想通貨交換所、及び、仮想通貨取引所は今までいろいろな事業者が参入してきました。
それらの事業者は金商法事業者であることが多く、投機目的としての仮想通貨を扱っていました。
対して、マネーフォワードは資金決済事業者として仮想通貨を電子マネーや、法定通貨と並ぶ実用的通貨として扱っています。
つまり、他の仮想通貨交換所とは違い、
決済手段として実際に産業利用される仮想通貨というビジョンを持っているのです。
この未来を見据えた前進的なサービスを
2019年第1期リリースするのにマネーフォワードは動き出しているのですが
一部では実現可能性が低いのではないかと囁かれています。
その原因とは何かを見てきます。
マネーオワードの仮想通貨交換所開設には大きな壁が立ちはだかる
現在、マネーフォワードだけではなく、仮想通貨交換所、または取引所を開設するには法整備上の高い障壁があります。
具体的にいうと、あの有名な大手取引所コインチェックから大量のコインが流出した事件以来、金融庁は仮想通貨に関する規制を厳しく強化しました。
2017年4月に施行された「改正資金決済法」によると、仮想通貨交換業を行うには厳しい審査を通過して、金融庁・財務局長の許可を受ける必要があります。
それゆえに、マネーフォワードに限らず2018年に新たに仮想通貨交換所を開設した事業者はいなかったそうです。
このような厳しい状況でマネーフォワードは、金融庁や経産省、日銀からの人材を積極的に受け入れているそうです。
参照 「BUSINESS INSIDER」
このタイミングで”霞ヶ関人材”を確保しているのは何か狙いがあるのではないかと予測します。
マネーフォワードが仮想通貨の本来の使われ方を広めるのか
マネーフォワードの新たな事業は、仮想通貨の投機的面ではなく産業的にも使われる実用化を
目指した点で新規性が高く、仮想通貨の本来の使われ方を理解していると言えます。
では、その本来の使われ方とは?
法定通貨でも電子マネーでもない仮想通貨を決済手段として組み込むメリットとは?
マネーフォワードの仮想通貨交換所が金融システムを変える
仮想通貨を実用的通貨として使うメリットは以下があります。
- 海外どこでも自由に通貨として使えるようになる
- 分散型で中央集権に左右されない
- 従来の金融の根源悪を抹殺する
特に、仮想通貨は銀行や国家のような中央集権ではない、
個人や特定のコミュニティによって分散型管理が可能な点が特徴的です。
例えば、PayPayのようなバーコード決済サービスは、
SoftBankとYahoo!の合弁会社が中心となって運営しています。
なので、もしその企業の管理するサーバーが何者かにハッキングされてしまうと
利用者のクレジット情報や購入履歴などが簡単に漏洩してしまいます。
そのような状況で利用者は一方的に被害を被るのみでなす術がありません。
また、P2Pというシステムでブロックチェーンに参加する者同士がお互いに管理したり、
中央集権のような第三者を介さずに直接取引ができるので
送金手数料がかからないなどのメリットがあります。
仮想通貨が決済手段として使われるその先の未来とは
仮想通貨が決済手段として使われることによって既存の金融システムでは不可能だった
送金手数料がかからない、マイクロペイメント、分散型管理が可能になります。
そして、その先の世界では、
購入履歴などの個人情報が国家や企業といった一つの組織に
集約されるのではなく、
特定の組織やコミュニティに情報を自由に分散することができることが可能になります。
そして、
特定のコミュニティを支えるブロックチェーンの参加者が
みんなで価値を決めるのが仮想通貨であり、
そしてそれがモノやコトであればトークンで価値を決めます。
マネーフォワードは仮想通貨新時代のマイルストーンを築く
現在、PayPayやLINE Pay、楽天ペイなどのバーコード決済や
交通系電子マネーなど決済手段は非常に多様化しています。
そのなかで、そのような決済手段に加え、
仮想通貨決済まで網羅した総合的決済・送金プラットフォームが登場することは、
キャッシュレスが分散から集約へと向かう一助になっていると考えられます。
今後、このような仮想通貨の本来の目的を理解して実用化を進めていく事業者が増えることを期待します。
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