【広がる支援の輪】国内災害から読み解く仮想通貨の寄付事情



昨今、仮想通貨は投資の手段という認識が強く広まっていますが、
実は募金にも利用されつつあります。

平成30年6月末から7月頭までに起きた西日本豪雨でも、被災地に向けた募金に仮想通貨が利用されました。

このような仮想通貨による募金を実施する団体は増えており、ビットコインやイーサリアム(Ethereum/ETH)
を代表とした仮想通貨の募金に対応しています。

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仮想通貨はブロックチェーン上で送金処理やデータ管理が行われるので、
募金の不正利用を防ぐことができる点が寄付において、注目を集めています。

ですが、未だに仮想通貨を利用した募金は広く知られていません。

今回は、その理由を政府の税制度や事例から読み解き、仮想通貨を利用した寄付を支援する団体にスポットライトを当てて、仮想通貨の寄付事情を考察します。

西日本豪雨へ仮想通貨による寄付が集まる

2018年6月末から7月頭まで続いた「西日本豪雨災害」
被害額は1兆900億円にも及び、西日本だけでなく北海道や中部地方にも甚大な被害をもたらした災害です。

そんな西日本豪雨災害で被害をうけた人々へ、仮想通貨利用での寄付が募られたというニュースが報道されました。

報道によると、この大災害に対して、日本国内はもちろんのこと、国外の企業からも多額の寄付が集まったとのことです。

では、どのような団体が寄付を募ったのか、また仮想通貨の銘柄は何が利用されたのかなどの詳細を見ていきます。

Yahoo!はポイントでの募金を受け付ける

Yahoo!CAMPFIREでも寄付を受け付けており、ポイントでの募金も受け付けております。

Yahoo!は総額約5億4000万円、CAMPFIREは約1900万円もの募金に成功しました。
Yahoo!の場合はT-POINTでの募金も可能となっており、同様にLINEでもポイントを利用した募金が行われ、現金だけではない新しい募金も広まりつつあります。

Binance(バイナンス)が約5670万相当を募金を行う

仮想通貨取引所のBinance(バイナンス)も約5670万円相当の仮想通貨で募金を行っています。

公式サイトでも募金を呼び掛けており、多額のビットコインやイーサリアムが集まりました。

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募金の報告書も発表されて、Binanceが集めた義援金はビックカメラやOPEN JAPANなどを通じて被災地に届けられます。

これまでは被災地への募金には現金が主流でしたが、特定のポイントやクラウドファンディングでの集金も手段になっています。
また、今回の西日本豪雨では被災者を救う新しい手段として、仮想通貨も利用されるようになりました。

どのように現金以外で募金をするのか

まずは自分が利用している仮想通貨取引所で、寄付をしたい仮想通貨を選びましょう。
支援先のアドレスと送金額を入力してから送金すれば、募金は完了します。

また、仮想通貨によっては送金が完了する時間が異なり、ビットコインでは10分近くかかるのに対してリップルはわずか数秒で取引が成立します。

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迅速な送金が可能な仮想通貨の中でも、リップルはトップクラスの送金速度を誇っていることで、ビットコイン以上の活躍が期待されます。

「仮想通貨で寄付」をする理由を調べる

円やドルなどの法定通貨を利用した従来の募金の場合、募金箱や慈善団体の口座にお金を振り込む必要があります。
しかし、ボランティアへの人件費や口座振り込みの手数料がかかり、せっかくの寄付が被災地にきちんと届かないケースもありました。

このような従来の寄付の課題を解決するのに、仮想通貨はどのような役割を担うのかを見ていきます。

送金手数料が安い

仮想通貨を利用した寄付を行うことで、銀行を利用した海外送金に必要な仲介人を必要とせず、
手数料と時間が大きく削減可能です。

海外送金では、どうしても両替や人件費などの都合によって手数料が高くなります。
そのため、仮想通貨を利用した海外送金によって、仕送りや決済にかかる手数料を節約した事例が増えつつあり、海外に向けた募金の手段としても評価されています。

国内外問わず支援可能

わざわざ法定通貨を両替せずに済むので、どんな国からでも募金を行えます。
結果、募金の母数が増えるので、世界規模で寄付金が集まることも期待されます。

トレーサビリティで寄付金のゆくえがわかる

ビットコインを利用した寄付の場合、ブロックチェーン技術を駆使することにより、寄付をした団体と金額に関する記録も正確にチェックすることができます。
ブロックチェーンに保管されたデータは改ざん不可なので、被災地も安心して寄付を受けることが可能です。

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従来の寄付方法では、寄付金の行き先がわからないことが原因で募金詐欺が多発してしまい、新宿や池袋などの街頭で偽の募金が行われる事例も後を絶ちません。

詐欺が起こると募金が届かないだけでなく、良心的な慈善団体までもが活動をしにくくなります。
そのため、仮想通貨で寄付を行うことで、ブロックチェーンを利用すれば詐欺の防止も可能です。

仮想通貨で募る寄付支援事業を紹介する

ミスビットコイン藤本真衣氏は2016年から海外送金に目をつけていた

ミス・ビットコインこと藤本真衣氏は株式会社グラコネを経営しており、仮想通貨を利用した支援やメディアプロジェクトの実施で支持を得ています。

19歳からフリーランスとして活動しており、芸能活動や舞台出演、そしてキッズ時計の設立やいいね!JAPANの活躍を経て、2014年1月に株式会社グラコネを起業しました。

また、ビットコインで支援ができるプラットフォームのKIZUNAも2016年1月より設立されており、特定の中央銀行や国境に縛られないビットコインに将来性を感じて運営をスタートしました。

藤本氏はインタビュー海外送金の効率化について大いに期待しており、また世界を変えていくことも語っています。

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フランスのユニセフは9種類もの仮想通貨に対応する

フランスのユニセフでも仮想通貨による募金を受け付けるようになっています。
ビットコインやイーサリアム、ライトコインやリップルなど9種類の仮想通貨で対応するようになりました。
世界的に評価の高い仮想通貨で募金が可能になれば、両替の手間が省けるため、募金に参加するためのハードルが下がります。

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仮想通貨で寄付する問題は深刻だった

日本では公益社団法人・認定NPOの認定を受けるまでのハードルが高いため、仮想通貨による寄付が難しいことが問題点です。
そして現在の支援団体も、仮想通貨やブロックチェーンに対するリテラシーを持たなければ、仮想通貨による寄付金を実施しません。

寄付金を受けられなくなれば、被災地の人に充分なお金が行き渡りません。

仮想通貨による寄付を受けることができないと、海外からの募金は両替のために時間と手数料がかかります。
善意で集めたお金の一部が手数料に回ってしまうと、被災地の復興も遅れてしまいます。

世界的な規模で募金を行えるようにする為、仮想通貨を利用した募金が必要とされています。

日本政府の仮想通貨寄付への対応を見る

日本政府は2016年3月にビットコインを貨幣として認定するようになり、国内での普及は確実に進んでいます。

ただし、日本国内で仮想通貨の法整備は充分に進んでおらず、投資目的の規制がメインになっています。
仮想通貨を狙った詐欺や、特定の国家で保証されない仮想通貨の性質などの都合があり、どうしても慎重な対応が必要です。

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日本国内の仮想通貨の税制は変わるのか

日本国内における仮想通貨の現状に対して、仮想通貨や税務に関して深い知識を持つ柳澤賢二氏と藤本氏は2018年8月に対談を行い、
現在の日本の税率ではビットコインによる寄付が行いにくいとコメントをしています。

日本の仮想通貨に対する税率は最大で55%に設定されており、課税されないNPOになるためのハードルも高く、日本国内で仮想通貨による支援は広まりにくいことが現状です。

ただし、2018年11月末に行われた国会中継では、安倍総理大臣及び藤巻議員が仮想通貨とブロックチェーンの将来性に期待するコメントを残したので、
今後の法整備によって税率が変わることも期待できます。

仮想通貨による寄付は今後広まっていく

仮想通貨の寄付によるメリットは非常に大きいですが、現状日本では必要なインフラが整っていないため、実行が難しくなっています。

対して、世界に目を向けると、アメリカでは大統領候補のAndrew Yang氏が自身のTwitterにて、
大統領選挙の募金に仮想通貨を受け付けることを発表しました。

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アメリカは世界でもトップレベルで仮想通貨の寄付が広まっており、技術に対する信用が伺えます。
日本でもこれから仮想通貨による寄付を広めるには、法整備を整えて税率を抑えた上、企業による仮想通貨の寄付実施が必要です。

チャリティ文化が根付いているアメリカだからこそ、仮想通貨での募金が進んでいる傾向があるとは思いますが、
仮想通貨による募金おおいに有効な手段と言えるので今度さらに広まっていくことが期待されるでしょう。

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