2008年に『サトシ・ナカモト』と名乗る人物によってビットコイン(Bitcoin/BTC)の論文が発表されてから、世界各地で仮想通貨の話題が上がるようになりました。G20でも仮想通貨に関する議題が頻繁に取り上げられ、国ごとで整備される規制や制度が異なっています。
G20の参加国の一つであるインドネシアも、仮想通貨に対して大きな期待を寄せています。
インドネシアでも仮想通貨のユーザーが確実に増えており、人気の仮想通貨取引所も設立されました。
インドネシアではどのような法制度が整っているか、そして仮想通貨に対してどのようなニュースが報じられたのか。
本記事では、インドネシアの仮想通貨事情を解説していきます。
目次
インドネシアの概要を解説する
インドネシアの人口は2億を超えて、インドネシアは世界で4位にランクインする程に人口が多い国です。
インドネシアは資源が豊富で、天然ガスや原油などの輸出を積極的に行っています。
インドネシア国内では、人口が多いことから、インフラ整備も盛んです。
国内の資源も豊富であり、世界経済の中でもインドネシアは経済が盛んな国の一つと呼ぶにふさわしいです。
G20には1999年より参加しており、国の資源は世界でも重要視されています。
そんな2億人の人口を抱えるインドネシアが仮想通貨に参入すれば、世界でも大きな影響を与えることが伺えます。
インドネシアでの仮想通貨の認知度と保有率はどれくらいか?
インドネシアでは仮想通貨の保有率がここ数年で上昇しており、2018年3月の時点で114万人に達しました。
100年近い歴史を誇る証券会社の118万人ものユーザー数をすでに超えようとしています(参照:自带流量的比特币——印尼的币民数量即将超过股民−巴比特)。
仮想通貨は新たなる投資の手段として、そして有事の時の資産として注目を浴びています。
仮想通貨は特定の国で管理されていないお金であり、国の情勢が傾いて法定通貨に価値が失ったときに資産として利用できます。
仮想通貨は国の不振に左右されることはないので、インフレやデフレに巻き込まれることもありません。
仮想通貨に対して高い関心を持つインドネシア人も増えています。INDODAXの取扱通貨の種類は豊富であり、インドネシア国内でも仮想通貨の知名度が上がっていることが伺えます。
インドネシア | 日本 | |
---|---|---|
認知度 | 既に株式のユーザー数を超えている | 徐々に向上し、高い |
保有率 | 5% | 11% |
保有人数 | 約114万人 | 約1000万人 |
参照:How many people actually own cryptocurrency?−Medium
インドネシアで人気の仮想通貨は何か
INDODAX(インドダックス)はインドネシアが誇る大手の仮想通貨取引所です。
2014年に設立されて、ビットコインやイーサリアム(Ethereum/ETH)のような有名な仮想通貨はもちろんのこと、リップル(Ripple/XRP)やネム(NEM/XEM)などのアルトコインも上場しており、16種類に渡ります(参照:自带流量的比特币——印尼的币民数量即将超过股民)。
一日の平均取引量は、730万ドルを誇ります。
ビットコインが圧倒的な人気を誇り、次にイーサリアムやライトコイン(Litecoin/LTC)の総取引量が高めです。
新しい決済手段として、仮想通貨はこれからも人気を上げていくことが予想できます。
インドネシアでの仮想通貨の歴史を解説する
インドネシアでは仮想通貨が大きな注目を浴びています。
インドネシア国内では仮想通貨の取引が盛んになり、ユーザーの数が増えています。
INDODAXのユーザー数は増える傾向にあって、仮想通貨の人気が年々上昇の傾向にあることが伺えます。
しかし、インドネシアで報道されているのは明るいニュースばかりではありません。
仮想通貨を原因のネガティブなニュースもあり、国は仮想通貨の規制を強めています。
インドネシアにおける仮想通貨の歴史について解説していきます。
インドネシアで仮想通貨が人気になったきっかけと時期はいつか
インドネシアではINDODAXが2014年に設立され、仮想通貨自体の流通の歴史は長いです。
2015年にはビットコインの採用がインドネシアで広まっており、技術的なリスクを考慮したうえでのビットコインの採用が増えています(参照:Indonesians Start to Embrace Bitcoin——THE WALL STREET JOURNAL.)。
2014年2月に、インドネシアの中央銀行であるインドネシア銀行によるビットコイン使用禁止が発表されました(参照:インドネシア、仮想通貨ビットコインの使用を禁止——REUTERS)。
インドネシアの中央銀行はビットコインを含めた仮想通貨のリスクを指摘していますが、インドネシア国内では技術自体に可能性を見出している人が大勢います。
法整備こそは必要ですが、仮想通貨は世界を変える新しいお金として、インドネシアで期待する声が多くあります。
インドネシアでの仮想通貨に関するニュースを解説する
インドネシアにおいて仮想通貨を規制する動きは頻繁に表明されています。仮想通貨は投資として期待されている分、突然の暴落による被害を避けなければいけません。
2014年にビットコインの使用禁止が発表されて以来、幾度となく仮想通貨取引への注意勧告が出ています。
2017年10月には、中央銀行の声明によってビットコインを取り扱うToko BitcoinとBitcoin Bayarが閉鎖されました(参照:Indonesian Bitcoin Exchange Close Down amidst Regulatory Pressure——NEWS BTC)。
また、同年12月にはビットコインの取引を規制する法律の制定も目指しており、ビットコインがテロを始めとした犯罪の資金源になることを防ぐ手段として法整備をしています(参照:Bank Indonesia to ban Bitcoin transactions next year——The Jakarta Post)。
規制が行われる一方、2014年9月ではINDODAXはインドネシアのコンビニのIndomaretとの提携を発表しており、1万人を超える人数がコンビニでビットコインの利用が可能となりました(参照:Indonesians Can Now Buy Bitcoin at Over 10,000 Indomaret Stores——CCN)。
ビットコインを妄信することは危険ですが、技術が評価されていることも確かです。
コンビニでもビットコインの決済が可能になれば、国内だけでなく海外からの観光客も決済を利用しやすくなるので、国を発展させる新たな手段になり得ます。
時期 | 出来事 |
---|---|
2014年 | インドネシアにて仮想通貨取引所INDODAXが設立 |
2014年2月 | 中央銀行によるビットコイン(Bitcoin/BTC)取引の禁止が発表 |
2014年9月 | INDODAXとIndomaretが提携し、コンビニでビットコイン(Bitcoin/BTC)決済が可能になる |
2017年10月 | 中央銀行によりToko BitcoinとBitcoin Bayarが閉鎖される |
2017年12月 | 仮想通貨の流通を規制する法律が中央銀行発案により成立する |
2018年3月 | インドネシア国内にてビットコインのユーザー数が110万人を超える |
インドネシア国内の各機関の仮想通貨への姿勢と見解を考察する
インドネシアでは仮想通貨に関するニュースが盛んに報道されており、評価は賛否両論です。
規制が報道される一方で、ユーザー数は年々増える傾向にあります。
インドネシア政府、中央銀行、企業がどんな姿勢と見解でいるのかを解説していきます。
インドネシア政府の仮想通貨への姿勢と見解を考察する
2018年6月、インドネシアの貿易省は仮想通貨を商品として分類することを発表しました。
監督責任者のDharma Yoga(ダルマ・ヨガ)氏は仮想通貨を証券取引所でも取り扱える商品にできるよう、署名を行っています(参照:What Ban? Cryptocurrency Cleared for Trading as Commodity by Indonesian Regulator——CCN)。
仮想通貨の取引やマイニングに関する規制も行っており、犯罪の防止も可能になることをヨガ氏は語っています。
インドネシアの銀行の仮想通貨への姿勢と見解を解説する
インドネシア市場において仮想通貨は無視できない存在になりつつあります。
しかし、上記で述べたように仮想通貨はマネーロンダリングなどの犯罪に悪用される懸念もあることから、中央銀行も簡単に流通を認められません。厳しい規制があるからこそ、ルールによって資産が守られます。
2018年1月13日にも、プレスリリースにて中央銀行は仮想通貨の決済と売買を否定する呼びかけを行っており、リスクを警戒していることが伺えます(参照:BANK INDONESIA——Press Releases)。
事実、ICO(仮想通貨版のクラウドファンディング)の中には詐欺まがいの案件が増えており、被害を防ぐためにも法整備を整えなければいけません。
もちろん、良質なICOも多いですし、ビットコインの規制を緩和しつつある国も増えています。
同時に仮想通貨自体の法律はまだ整っておらず、どうしても規制が必要になるのが現状です。
インドネシアの企業の仮想通貨への姿勢と見解を解説する
仮想通貨に対する規制は強まっていますが、同時に国内で利用が広まりつつあることも事実です。
上記で紹介したIndomaretとBitcoin.co.idによる提携発表のように、仮想通貨がコンビニなどの生活に浸透するための環境を整えつつあります。
生活に欠かせないコンビニで仮想通貨の決済が可能となれば、流通した分だけ技術が評価されます。
そのため、インドネシアの企業は仮想通貨に対して強い期待を持っています。
また、2018年2月にインドネシアではTOKENOMYというクラウドファンディングや寄付などのニーズに合わせて、トークンと変換するためのプラットフォームも出来上がりました(参照:TOKENOMY)。
TOKENOMYはBitcoin.co.idとも提携しており、インドネシア国内で仮想通貨の流通に役立てるきっかけになります。
TwitterやFacebookでもアカウントを作成しており、既に多くのフォロワーから期待されています。
インドネシアでの仮想通貨の将来性とインドネシアが世界に与えるインパクトを考察する
インドネシアはG20参加国の中でも規制が強くなっています。
中央銀行は仮想通貨の購入と取引をやめさせる声明を頻繁に出しており、厳しい姿勢で挑んでいます。
規制を強めているインドネシアが仮想通貨を認めるようになれば、世界で大きなニュースになります。
現時点では仮想通貨は決済の手段として利便性は低いですが、中央銀行が仮想通貨のリスクを受け入れるようになり、また安全に決済ができる環境を整えることが普及の条件になります。
インドネシアでの仮想通貨の将来性を考察する
インドネシア国内での、仮想通貨の保有人数は既に100万人を超えています。
インドネシア中央銀行が警告をし続けているにも関わらず、仮想通貨を保有する人が年々増えつつあるので、インドネシア国内の方は仮想通貨に期待を寄せていることが伺えます。
2018年の時点でインドネシアの人口は2億6千万人を超えていて、2020年には2億7千万人に達することが予測されています(参照:世界の人口ピラミッド)。
日本は人口減少をするのに対し、インドネシアでは人口が増加していきます。
今後、インドネシアの人口が増えれば国内で保有者も増えるようになり、仮想通貨の更なる発展が期待できます。
インドネシアでの仮想通貨の発展が与える世界へのインパクを考察する
インドネシアで仮想通貨が発展すれば、INDODAXやTOKENOMYが更に大きな注目を浴びるようになり、海外からの利用者が増えていきます。
2018年の時点で、インドネシア国内では、ユーザー数の比較をすると、仮想通貨は株式に並ぶほどの期待を受けていることがわかります。
インドネシアで観光地として人気なバリ島で、仮想通貨決済の利用が摘発したニュースが2018年1月に報道されました(参照:バリ観光地で摘発 仮想通貨の取引拠点 中央銀行——じゃかるた新聞)。
インドネシアの仮想通貨事情をまとめてみる
インドネシアはG20参加国の中でも仮想通貨に対する規制が強いです。
犯罪や投資を原因にした損害を防ぐため、やむを得ずに仮想通貨に対する法整備を強めています。
一方で仮想通貨のユーザー数も増えており、Bitcoin.co.idも仮想通貨流通のために様々な動きを見せています。インドネシア国内でも仮想通貨の将来性を期待する人は多いですが、本格的な流通には時間が必要です。
証券取引所で取り扱う商品の一つに仮想通貨が選ばれるようにする動きもあり、少しずつ仮想通貨は認められつつあります。
仮想通貨に限らず、新しい技術が認められるようになるには時間と成果が必要です。
今後、インドネシアで仮想通貨に関わるサービスには目が離せません。
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