仮想通貨、ブロックチェーンに期待されている技術として、Dapps(Decentralized Applications)というものがあります。
仮想通貨の相場はいまいち盛り上がっていませんが、Dapps周りの技術やコンテンツは日々成長しています。
この記事ではDapps初心者に向けて、
- Dappsってそもそもなに?
- Dappsを使うメリット、デメリットは?
- Dappsが活躍するシーン
について解説していきます。
この記事がDappsに興味をもつきっかけになれば幸いです。
目次
Dapps(分散型アプリケーション)とそのメリットとは?
Dapps(Decentralized Application)とは、日本語訳に直すと「分散型(非中央集権的)アプリケーション」となります。
Dappsの定義は様々ですが、大枠をとらえるだけなら「ブロックチェーン技術を用いた、非中央集権的なアプリ」と考えていただければよいと思います。
管理者が存在することなく自律的に動作するのが特徴です。
ではブロックチェーン技術を用いたDappsではどんなメリットがあるかというと、
- トラストレス(信頼する必要性がない)
- 不正が困難
- コストが下がる
という点が挙げられます。順番に見ていきます。
分散化することでトラストレスな社会が実現する
私達が生活をしていると、何かを信頼しないと何もすることはできません。
たとえば、日本銀行を信頼しなければ日本円を使うことはできないですよね。
仮に日本銀行が、いまの日本円の価値を操作したら、私たちの生活に大きな影響が出てしまいます。
しかしブロックチェーンを用いた仮想通貨では、管理者、責任の所在が分散化されているので、誰か(なにか)を信頼する必要がありません。
分散化することで不正が困難になる
ブロックチェーンは分散化されているので、攻撃に対するリスクが非常に低いです。
つまり不正が起こりにくいといった特徴があります。
ひとつのノード(サーバーみたいなもの)を攻撃しても、他のノードが無事なら被害は起こりません。
不正を働くことが困難というのはDappsの大きな魅力と言えます。
分散化することであらゆるコストが下がる
分散化することで、中央集権的な支配が困難になります。
中央集権が困難になり分散化すると、あらゆるコストが下がっていきます。
少しわかりづらいので例を出して説明します。
たとえば融資について考えてみると、銀行はお金を融資する際に利子をとり利益を得ます。
この利益を元手にして、社員に給料を支払い、銀行を守っています。
このように、利子といった形で、お金を借りる側は経済的に考えると不利な立場に立たされています。
しかし分散型の銀行が発展すると、融資のやりとりは完全に自律しているシステム上で行えるので人件費が発生しません。
人件費が発生しないため、余分な利子を取らずに済みます。
このように中央集権的な構造では、人件費のためにあらゆる取引で中間搾取が起こっていましたが、分散化技術によってそれを極限まで引き下げることができるのではないかと期待されています。
Dapps(分散型アプリケーション)の利用シーンとは?
Dapssの利用シーンはいろいろ検討されています。
現在話題になっているものだと、
- 取引所(DEX)
- Dappsゲーム
- 契約(レンディング)
- デジタルマーケット
が有名です。
分散型取引所(DEX)
取引所の中にはブロックチェーン技術を取り入れた、分散型取引所(Decentralized Exchange)が存在します。
分散型取引所(DEX)には既存の取引所と異なり管理者が存在しないため、手数料が比較的安く、そしてハッキングリスクが低いといったメリットがあります。
分散型取引所(DEX)については以下の記事で詳細に解説しています。
既存の取引所も分散型取引所(DEX)の動向に注目していますので、動向を追いかける価値のある分野だと思います。
Dappsゲーム
2017年末から現在まで、Dappsゲームという「ブロックチェーン技術を取り入れたゲーム」が注目されています。
一番有名なものでCryptokitties、最近日本で流行っているのはEtheremon(イーサエモン)といったゲームが有名です。
期待されている点としては、
- ゲーム内キャラクターをトークン化して売買できる
- 不正が起きづらい
- ゲームの垣根を越えて、キャラクターが活躍できる
があります。
Dappsゲームでは、ゲーム内で活躍するキャラクターをトークン化し、マーケットで取り扱えることができます。
なので、自分がそのDappsゲームに飽きてしまって、そのキャラクターを販売したいと思ったときに実際にマーケットで売ることができます。
またこのDappsゲームはブロックチェーン技術に基づいているので、不正が起きづらいのもメリットです。
さらに、トークンの規格が揃っていると、ゲームの垣根を越えてキャラクターが活躍できる可能性があります。
これまでにあった例としては、ChainMonsterとCryptokittiesというDappsゲームがコラボしていた時期がありました。
どんなコラボだったかというと、Cryptokittiesでキャラクター(猫)を所有していると、ChainMonsterでそのキャラクターを使ってミニゲームに参加できる、というものです。
これらのゲームを作ったチームは全く異なりますが、ERC-721という共通のトークン規格でキャラクターを作成していたので、共演が可能だったという訳です。
このように、トークン規格をそろえることで、ゲーム内キャラクター、アイテムを再利用できる可能性が高まるといったメリットがDappsゲームには存在しています。
分散化金融、レンディング
他にDappsで注目されている分野として、レンディングがあります。
お金の融資を受ける時、銀行や消費者金融などから利子を取られます。
特に消費者金融などが行っている「利子の搾取」は激しく問題となっていますね。
このような問題に立ち向かっているのが、ブロックチェーン技術を用いたレンディング事業です。
有名なプロジェクトだとETHLendというものがあります。
世の中には、融資を受けたくても受けれない人、銀行を全く信用できない国に住んでいる人などが存在します。
ETHLendではお金をもっている個人が、お金を持っていない個人に融資をすることができます。
その際の利子は個人間で設定できるので、中間搾取が減ることが期待されています。
デジタルコンテンツの二次流通(中古)マーケット
デジタルコンテンツの中古市場にも注目が集まっています。
これを主導しているのはASOBI COINというプロジェクトです。
デジタルコンテンツって非常に取り扱いが難しく、中古販売は難しい状況でした。
電子書籍や動画、音楽といったデジタルコンテンツは一度購入してから飽きて売りたいと思ってもそういった市場はこれまでありませんでした。
しかしASOBI MARKETで購入したコンテンツに関しては、ASOBI MARKETで売買を可能にすることで、利便性が高まるという期待があります。
そのデジタルコンテンツを扱う際に不正がおこならないように、ブロックチェーン技術を用いた「分散型セキュリティシステム」が搭載される予定です。
Dapps(分散型アプリケーション)の問題点とデメリットとは?
ではDappsにデメリットはないのか?というと当然あります。
なにせ発展途上の技術なので、課題は未だ山積みです。
Dappsにおける現在の問題点は、
- 処理速度
- ユーザビリティ
- 法規制
に集約されています。
処理速度
現状としては処理速度が速いとはお世辞にも言えません。
Dappsはイーサリアムのプラットフォームを用いて作られることが多いのですが、イーサリアムプラットフォームは頻繁に混雑します。
例えばあるタイミングにDappsゲームをしようと思っても、イーサリアムのプラットフォームが混雑しているからゲームをプレイできないといった問題も起こっています。
このような問題が解決しないことには、Dappsは普及しないでしょう。
ユーザビリティ
Dappsを一度触ってみると分かると思うのですが、ユーザビリティが非常に低いです。
つまり非常に使いづらいのです。
例えば分散型取引所では、そもそもの利用者が少ないため、売買が成約するのに時間がかかることがあります。
Dappsゲームでは、既存のゲームに匹敵するような面白いものは登場していません。
ブロックチェーン技術や、それを既存の世界に取り込むという行為そのものが比較的新しいことなので、ユーザビリティはなかなか高くなりにくいといった問題点があります。
利便性が高まるのは今後に期待したい点です。
法規制
仮想通貨に関する法規制が未だにあやふやなため、Dappsを利用する際にも注意が必要です。
仮想通貨そのもののレギュレーションだけでなく、税金などの仕組みも整うと、Dappsを利用しやすくなるので、状況が好転することを待ちたいですね。
Dapps(分散型アプリケーション)の作る未来とは?
仮想通貨の相場はあまり盛り上がってはいませんが、ブロックチェーン周りの技術開発は進んできています。
ブロックチェーン技術が開発されることでDappsの利便性は上昇し、価値が出てくると考えています。
Dappsの今後の動向から目が離せません。
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