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仮想通貨取引所Bitfinexとは
海外における仮想通貨取引所は多様に存在していますが、Bitfinexは世界有数のビットコイン取引量を誇る取引所として知られています。
2017年には様々な問題に直面したものの、相変わらず世界的な仮想通貨取引所としての地位を維持しています。
40種類以上と非常に多くの仮想通貨を扱っており、日本の仮想通貨取引所ではまだ扱っていないマイナーな仮想通貨を数多く扱っています。
また、海外の仮想通貨取引所では珍しく日本円が利用できるようになりました。
Bitfinexの歴史
Bitfinexは、2012年に香港を拠点とするiFinexによって創設されました。
Bitfinexの海外法人はイギリス領バージン諸島で登記されており、従属法はイギリス領バージン諸島の法律となっています。
つまり、拠点は香港にあるものの、適用する法律はイギリス領バージン諸島の法律であるコモン・ローを適用することになります。
Bitfinexは2018年4月時点では、仮想通貨の取引量が世界トップ5に入る規模にまで拡大しています。
ただし、2017年11月以降からは、仮想通貨のステーブルコインであるテザーをめぐる疑惑に関わったとして、悪評を得てしまい、2018年1月にはアメリカ当局から規制されてしまいました。
この疑惑に加担してしまったがために、Bitfinexはアメリカにおける取引を停止せざるを得ない状況になっています。
しかし、2018年3月には、イギリスポンドと日本円での取引を解禁し、更に、取引が可能な仮想通貨を4月に入って急激に増やして、市場の拡大に乗り出してきました。
テザー問題で、一度失速したかのように見えたBitfinexですが、現在も世界トップレベルの取引量を有し、世界的な仮想通貨取引所としてのステータスを維持しています。
他の取引所との比較
国際色の強いBitfinexですが、取引も日本国内の仮想通貨取引所と比較して、非常に多くの仮想通貨を取り扱っています。
2018年3月29日付けのBitfinexの発表では、イギリスポンドに加えて、日本円での取引も可能となりました。
海外の取引所で日本円を扱える仮想通貨取引所は、まだ少数派であることからも、画期的な取り組みとして見受けられます。
更に、Bitfinexは2018年4月末時点で、40種類近くもの仮想通貨との取引が可能となっています。
2018年4月7日付けの発表では、イーサリアムをベースとした新たな12種類ものトークンに関する取引が可能となったことで、扱う仮想通貨が急激に増えました。
仮想通貨同士の取引はもちろんのこと、仮想通貨と法定通貨である米ドル、イギリスポンドやユーロも主要な取引に利用されています。
Bitfinexで最も取引量が大きい市場は、ビットコインと米ドルのペアであり、続いてイーサリアムと米ドルの取引となっています。
アメリカの個人や法人との取引は、停止していても、Bitfinexにとって米ドルは仮想通貨との取引において欠かせない法定通貨となっています。
Bitfinexでは、米ドルとビットコインの取引量が最も多く、世界的に見てもトップの取引量を有しています。
また、多様な仮想通貨を有しており、取引に利用できる法定通貨も多いことから流動性が高いという評判もあります。
Bitfinexで日本円の取り扱いを開始!
Bitfinexでは、2018年3月より、ビットコイン、イオス、イーサリアム、アイオータ、ネオと日本円の取引が可能となっています。
以下で、日本円とイギリスポンドを取り入れたことで、より仮想通貨と法定通貨の流動性を高めることが目的であると述べられています。
また、日本国内の仮想通貨取引所では、取引できる通貨がメジャーなビットコイン、イーサリアムなどに限られています。
一方のBitfinexであれば、日本に上場していない仮想通貨を数多く扱っており、バラエティーに富んだ仮想通貨を取引できます。
その意味では、日本円を扱える利点はかなり大きいと考えられるでしょう。
なぜこのタイミングなのか
2018年1月に仮想通貨のステーブルコインであるテザーをめぐって、Bitfinexが騒動の当事者としてアメリカ商品先物取引委員会)から召喚命令を受けました。
恐らく、これにより、アメリカ国籍、またはアメリカに居住している個人や法人は、Bitfinexを利用した取引ができなくなりました。
仮想通貨取引が世界で最も活発に行われるアメリカの顧客層がいなくなることは、Bitfinexにとって、かなり痛手だったことは容易に想像できます。
そのため、仮想通貨取引市場が拡大している地域の法定通貨を利用できるようにすることで、取引量の増加を試みたのではないかと考えられます。
ただし、Bitfinexでは未だに米ドルが仮想通貨取引を行う際の主要な法定通貨であることには変わりないので、これまで国際的な取引を実施してきた投資家にとって、アメリカ当局の規制の影響はほとんどなかったものだと推測できます。
その意味では、Bitfinexの仮想通貨取引所としての地位は、テザー問題やアメリカ当局からの規制を受けても、健在であるといえるでしょう。
これだけ、逆境に立たされているBitfinexが、なぜ日本円を扱うのか?
考えられる理由として、日本国内で仮想通貨取引所としての認可を取るのは非常に難しいので、海外に拠点を置いたままで、日本の金融庁からの規制を免れることを目指したと考えられます。
日本円とイギリスポンドがBitfinexに導入されるアナウンスがなされる直前にBitfinexの拠点を香港からスイスに移すことが報道されました。
香港からスイスに拠点を移す背景には、中国当局が仮想通貨取引所に対する規制監督制度を2017年から強化し始めたことがきっかけとなっています。
また、スイスに拠点を移すことの利点として、仮想通貨取引所に対する規制が緩く、中国のように政治的なリスクが非常に小さいことも魅力です。
スイスに拠点を移すとなると、Bitfinexにとってより、流動性の高い取引が可能となることが期待され、より多くの仮想通貨と法定通貨の流動性を高めることを視野に入れているのではないかと考えられます。
それまで、米ドルとユーロのみであった法定通貨から、新たなに法定通貨を選ぶ際、安定性が高い日本円とイギリスポンドが選択されたと思われます。
このように、日本円もイギリスポンドも法定通貨の中で、基軸通貨の米ドルに代わる安全性の高い通貨であることも、恐らく導入する理由になったのではないかと考えられます。
以上のことから、アメリカ、日本、中国の規制当局からの影響を受けないで事業を継続することを視野に入れて、このタイミングでBitfinexが日本円での取引を可能にしたと考えられます。
どの通貨と交換できるの
Bitfinexは、日本国内の仮想通貨取引所とは比較にならないほど、多様な仮想通貨取引が可能です。
最も多くの取引が可能なのが米ドルですが、米ドルで取引できる仮想通貨は、50種類あります。
Bitfinexは、比較的新しく開発された仮想通貨を取り入れてきたことからも、今後も更に取引できる仮想通貨の種類は増えることが予想されます。
続いて、ユーロ、イギリスポンドと日本円と取引ができる仮想通貨が5種類あります。
仮想通貨の中で、最も取引量の多いのはビットコインであり、全世界の取引量においても、Bitfinexは、世界トップの取引量を誇ります。
Bitfinexは何がすごいのか?
Bitfinexは、世界的にみて仮想通貨の取引量が圧倒的に多いことが挙げられます。
ビットコインと米ドルの取引は、常に世界トップの取引量をテザーのスキャンダル以降も維持してきました。
世界的にみて、スキャンダルを引き起こした取引所での取引は倦厭されることが予想されますが、Bitfinexは見事に世界的な仮想通貨取引所としてのステータスを維持しました。
更に、アメリカ当局からの規制をものともせず、米ドルでの取引量も世界トップクラスであることも驚きです。
2016年に120,000BTCが盗まれるハッキングの被害を受けています。
参照:https://www.reuters.com/
この事件以来、Bitfinexのセキュリティ対策は強化され、2016年以降はハッキングや盗難が起きていません。
また、盗まれた120,000BTCを一年以内に買い戻し、Bitfinexの信用が損なわれるのを極力避けることができたとされています。
参照;https://www.coindesk.com/
まとめ
海外の仮想通貨取引所で、日本円を扱える取引所は、まだ少数派であることから、Bitfinexは非常に貴重な存在です。
また、日本の仮想通貨取引所では扱っていないマイナーコインを多数扱っており、日本の市場に上場される前の仮想通貨が手に入ることからも、Bitfinexを活用することは、多くの利点があるといえるでしょう。
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