分散型の社会を目指し生み出されたビットコイン。
そのビットコインの思想に共感し、新たな仮想通貨が生まれ続けています。
CoinInfo編集部では仮想通貨の進化を「第一次仮想通貨革命」と「第二次仮想通貨革命」の二つの革命として捉えました。
本記事では、ビットコインを軸に仮想通貨全体がどのような進化を遂げていったのかを時系列で見ていきます。
新しくできる通貨は、過去にあった通貨の問題点を解決することを目的として生まれます。
この記事を読み、歴史を知ることで、通貨のつながり、性能の良い通貨を知ることができます。
仮想通貨の種類が多すぎて全体像を捉えたい方、歴史を振り返り仮想通貨を理解したい方は是非ご覧ください。
目次
第一次仮想通貨革命が起きる
ビットコインを軸としてその思想に共感したアルトコインが次々と生まれています。
まず最初の「第一次仮想通貨革命」では通貨としての機能革命が起きました。
- 決済機能
- 匿名機能
- 送金機能
これら三つの機能の向上に焦点を当てていきます。
Bitcoin(ビットコイン)の決済機能が進化する
サトシ・ナカモトと名乗る者がビットコインを提唱した二年後の2011年にライトコイン(Litecoin/LTC)が誕生しました。
「ビットコインが金なら、ライトコインは銀。」といわれ、ビットコインの補助的な役割をするために開発されました。
ビットコインの課題とされていたところには
などが挙げられており
トランザクションの遅延、手数料の高騰によるマイクロペイメントができなくなること、二重支払いが生じることが問題とされていました。
しかしライトコインの誕生により、ビットコインの課題は大きく改善に向かいました。
- ブロック生成速度がビットコインの4倍
- ライトニングネットワークの実装
- Segwitの実装
ビットコインのブロック生成スピードが10分であるのに対し、ライトコインのブロック生成スピードは2,5分となり4倍のスピードとなっています。
ブロック生成数に加えてライトニングネットワークやSegwitの機能を持つライトコインによりビットコインのスケーラビリティ問題が改善され、マイクロペイメント機能も改善されました。
さらにライトコインのSegwitはトランザクション展性の解決も可能にしました。
ライトコインの誕生により決済機能を大幅に上昇させ仮想通貨は進化の大きな一歩を踏み出しました。
匿名性仮想通貨が誕生する
初の匿名通貨であるバイトコイン(Bytecoin/BCN)が公開されたのは、ビットコインが開発されてから3年後の2012年です。
プライバシーの保護の観点から、ビットコインには欠点があると指摘されていました。
この欠点であるプライバシーの欠如を解決するために生まれたのが、匿名通貨です。
ビットコインを使うと、ブロックチェーン上に、どのアドレスからどのアドレスへいくら送金されたかなどの情報がすべて公開されます。
そのため、「ブロックチェーントラッカー」と呼ばれるブロックチェーンの取引履歴を検索できるサービスを使えば、誰でも取引履歴を検索できてしまいます。
取引履歴の検索を不可能にし、プライバシーを保護するために生まれたのが、初の匿名通貨であるBytecoinです。
2012年7月にBytecoinが公開されたあと、2014年にダッシュ(Dash/DASH)、モネロ(Monero/XMR)、2016年にジーキャッシュ(Zcash/ZEC)が新たな匿名通貨として開発されました。
送金特化型仮装通貨が誕生する
ビットコイン誕生の4年後の2013年の9月にリップル(Ripple/XRP)が誕生しました。
XRPは「InternetOfValue」を掲げ、あらゆる場所に価値を届けることができる世界を実現させる通貨です。
XRPの誕生により送金のスピードが大幅に向上しました。
ビットコインが送金に10分かかるところをリップルは10秒程度での送金を可能にしました。
リップルは単なる送金だけでなく、国際送金をする際にもその強みを発揮します。
また法人の送金に向けられたリップルに対し、個人間送金を対象にステラー(Stellar/XLM)も誕生しました。
リップルとステラーは国際送金を行う際のブリッジ通貨としての役割も担っています。
第二次仮想通貨革命が起きる
第一次仮想通貨革命では決済機能、匿名機能、送金機能という点での大きな進化をピックアップしました。
第二次仮想通貨革命では、通貨としての機能ではなく、ブロックチェーン上でサービスやコンテンツを展開できる土台(プラットフォーム)をもつ仮想通貨が誕生しました。
「分散型アプリケーションプラットフォーム」をもつ仮想通貨「プラットフォーム型仮想通貨」の誕生です。
プラットフォーム型仮想通貨「Ethereum(イーサリアム)」が誕生する
2013年11月、初の分散型アプリケーションプラットフォーム「イーサリアム(Ethereum/ETH)」の構想が、ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)により発表されました。
ヴィタリックは2011年にビットコインに出会い、分散型を体現できるブロックチェーンのシステムに魅了されました。
ブロックチェーンをビットコインだけではなく、その他多くのアプリケーションにも応用すべきであると考えました。
その結果ヴィタリックは、ブロックチェーンを利用した分散型アプリケーション(DApps)の開発を簡単にできるプラットフォームとして「イーサリアム」を開発しました。
イーサリアムに続き、DAppsを作ることができるプラットフォームとしてネム(NEM/XEM)、ネオ(NEO/NEO)が誕生しました。
プラットフォームを利用した仮想通貨が誕生する
イーサリアムを始めとするプラットフォームを利用して新たな仮想通貨が生み出されるようになりました。
プラットフォームを利用することで、誰でも比較的簡単に仮想通貨を作ることができるようになったため、
様々なジャンルに特化した仮想通貨が生まれました。
プラットフォームの利用により仮想通貨は様々な人の思いをのせて多角的に広がっていきました。
イーサリアムのブロックチェーンを利用して生み出された仮想通貨はERCと呼ばれる同一の規格を持っています。
それによりトークンの互換性が生み出され、保管や利用が簡単になりました。
ERCの規格を持つ仮想通貨にはイーオス(EOS/EOS)、バイナンスコイン(BinanceCoin/BNB)、オミセゴー(OmiseGo/OMG)などがあります。
イーサリアムのプラットフォームを利用して誕生した仮想通貨の中にも、
イーオスのようなプラットフォーム型の仮想通貨もあれば、オミセゴーのように通貨としての機能を果たす仮想通貨も存在しています。
Ethereum(イーサリアム)から独立するプラットフォーム型仮想通貨が誕生する
イーサリアムを利用して多くの仮想通貨が誕生しました。
その通貨の中には、イーサリアムのブロックチェーンから独立し、独自のメインネット(ブロックチェーン)に移行するケースが発生しました。
代表的な通貨として、イーオス、トロン(TRON/TRX)、リスク(LISK/LSK)があります。
独自のメインネットに移行することは、会社を独立することに似ています。
今までイーサリアムに頼っていた環境から、自分たちで全ての開発をする環境へと変わります。
イーオスやトロンはイーサリアムから独立し、独自のプラットフォームを提供することが可能になりました。
これにより、イーサリアムよりも機能的に優れたプラットフォームが誕生し、決済型仮想通貨と同様にプラットフォーム型仮想通貨にもさまざまな特徴を持つものが誕生しました。
仮想通貨の発展の概要を年表にまとめてみた
この記事ではビットコインの誕生からの歴史を説明しました。
ビットコインが誕生し、「通貨」としての機能の発展(第一次仮想通貨革命)、「分散型アプリケーションプラットフォーム」としての機能の発展(第二次)仮想通貨革命という流れです。
仮想通貨の発展の流れを簡単に年表にまとめてみました。
年月 | 出来事 |
---|---|
2008年 | リーマンショック |
2009年 | BTC誕生 |
2011年10月 | LTC誕生(第一次仮想通貨革命の始まり) |
2012年7月 | Bytecoin誕生(匿名通貨の誕生) |
2013年9月 | XRP誕生(送金通貨の誕生) |
2015年7月 | ETH誕生(第二次仮想通貨革命の始まり) |
2016年10月 | NEO(プラットフォーム型通貨の増加) |
2017年6月 | EOS誕生(ERC20token誕生) |
2018年7月 | EOS独自メインネットワークの樹立 |
ビットコイン誕生までの歴史はこちらの記事をご覧ください。
歴史を振り返るとビットコインは神だった
CoinInfo編集部ではビットコインを「神」と捉えています。
ビットコインは仮想通貨としての役割をもちろん持っていますが、それ以上に巨大な思想を持っています。
その思想に共感し、派生として様々な仮想通貨が生まれてきました。
「ビットコインの機能をより強化したもの」
「ビットコインの欠点を補うもの」
「ビットコインの思想を広げるためにプラットフォームとなったもの」
「仮想通貨はこれからどうなるの?」
この質問が皆様から聞こえてきそうです。
これからの仮想通貨は「実用性の時代」になります(第三次仮想通貨革命)。
2018年の後半はその「実用性の時代」を作るための準備期間となるはずです。
CoinInfoはこれからも皆様の不信感を熱狂にかえていきます。
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