仮想通貨はただのバブルなのか!?グーグルやアマゾンが誕生したITバブル期と比較してみた



2017年まで急速な右肩上がりを続けていた主要仮想通貨のほとんどが、2018年1月17日の大暴落をきっかけに低迷しています。

※2017年12月-2018年2月の主要仮想通貨暴落例

銘柄 最高値 最安値
ビットコイン(BTC) ¥2,203,500 ¥741,559
イーサリアム(ETH) ¥157,036 ¥75,500
ネム(NEM) ¥215.11 ¥41.742
リップル(XPR) ¥358.873 ¥72.990
ビットコインキャッシュ(BCH) ¥437,650 ¥94,540

コインチェック社におけるNEMの不正流出事件など世間の関心度の高さもあり、1990年代末期から2000年代初期に発生した「ITバブル」と同じことが繰り返されるのではないか?と懸念する声が高まっていますが、実際にITバブル期と現在の仮想通貨の状況が似ているのか、比較してみました。

どんな感じだった?ITバブル期のチャート紹介

1990年代終わりから2000年代の初めに発生したITバブル期は、1998年から2000年にかけて約1.5倍に株価が上昇しましたが、バブル崩壊後の2001年には元の価格まで暴落しています。

ダウ工業株30種平均…1998年から2000年で約1.5倍

日経平均株価…1998年から2000年で約1.5倍
引用:三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

アメリカでのITバブルは、1995年のWindows95発売がきっかけと言われています。

当時アメリカでは自動車産業が衰退期に入っており、将来性のある新しい産業への構造転換が求められていました。そこにWindowsが登場して一気に一般家庭へパーソナルコンピュータが普及、マイクロソフト社は急成長を遂げます。

これを見た投資家達が、第二のマイクロソフト社を見つけるべく、IT企業への投資を積極的に行うようになったことが、ITバブルの始まりとなりました。

なおITバブルのピーク時には、1999年にマイクロソフト社の株が時価総額6000億ドル(約60兆円)を超えるまでに達しています。

当時「ニューエコノミー」と呼ばれる経済理論なども登場しもてはやされたこともありましたが、一部では「根拠なき熱狂」を懸念する声も上がっていました。
アラン・グリーンスパン 第13代FRB(連邦準備制度理事会)議長 1996年

すると、2000年に入り、一般家庭へのパソコン普及が収束したことで右肩上がりの成長がストップします。

これに、

  • ITバブルの波に乗っただけの赤字経営を繰り返すIT企業への不信感
  • 急激なバブル成長に対する疑問

などが重なり、バブルが一気に縮小、わずか数ヶ月の間でITバブル崩壊に至りました。

そしてその直後に発生した9.11事件の影響もあり、この後アメリカ経済は深刻な不況に陥ることとなりました。

アメリカで始まったITバブルは日本にも影響を与え、ソフトバンクやYahoo!Japan、楽天、サイバーエージェント、ライブドア(オン・ザ・エッヂ)などのIT企業が誕生します。

政府による起業支援やストックオプションの規制緩和などでベンチャーキャピタルが増加したことで、市場全体の投資が活発化、IT関連以外の主要企業でも株価が上昇するなどの現象が発生し、2000年には「IT革命」が流行語になるなど、日本にもITバブルの影響が出始めていました。

しかしそのような中で、2000年3月に光通信による大量架空契約が発覚して株価が大暴落(24万円→8000円台)し、これにあわせるように他のネット関連銘柄も大幅に値を下げることとなり、日本でのITバブルは短期間で崩壊することになりました。

2000年の日経平均推移を見ると、3発までは19000円~20000円付近で推移していたものが、4月17日を境に暴落が始まり、年末には13000円台まで値を下げています。

2000年の日経平均の月次推移

年月 始値 高値 安値 終値
2000.01 19,002.86 19,539.70 18,168.27 19,539.70
2000.02 19,423.38 20,007.77 19,367.83 19,959.52
2000.03 20,081.67 20,706.65 19,078.60 20,337.32
2000.04 20,726.99 20,833.21 17,973.70 17,973.70
2000.05 18,403.08 18,439.36 16,008.14 16,332.45
2000.06 16,694.30 17,475.90 16,318.31 17,411.05
2000.07 17,614.66 17,614.66 15,727.49 15,727.49
2000.08 16,099.67 17,181.12 15,667.36 16,861.26
2000.09 16,739.78 16,739.78 15,626.96 15,747.26
2000.10 15,902.51 16,149.08 14,464.56 14,539.60
2000.11 14,872.39 15,399.64 14,301.31 14,648.51
2000.12 14,835.33 15,168.68 13,423.21 13,785.69

出典:日経平均プロファイル

暴騰時の最高値を企業ごとに紹介

ITバブル期の株価はどれくらいすごかったのでしょうか。

マイクロソフト社は1999年に時価総額6000億ドル(約60兆円)に到達しました。
日本では、2000年1月にYahoo!JAPANが初めて株価1億円を突破し、2月22日には1株1億6790万円の最高値を記録しています。

現在ネット通販大手のAmazon社のITバブル期の最高額は、1999年12月の1株107ドルで、1年後の2000年12月には15ドルまで暴落しています。

現在の株価を企業ごとに確認

そんなITバブル期を経た、現在のIT関連企業の株価はどうなっているのでしょうか。


マイクロソフト社:93ドル(1.6倍)


Yahoo!JAPAN:500円


Amazon:1578ドル(14倍)

マイクロソフト社やAmazon社は、一旦株価が暴落したものの、ITバブル期よりも大きく成長していることが分かります。

Yahoo!JAPANは株式分割を何回も繰り返しているため、単元株価での比較が難しいですが、分割前の株価に単純換算すると、ITバブル期から変わらず高い株価を保っていることが分かります。

仮想通貨がITバブル期と比べてどうなのか?

ITバブル期の株価の動きを紹介しましたが、仮想通貨の現状と比較するとどうなのでしょうか?

ITバブルは「ニューエコノミー」という経済理論が持て囃されたり、「根拠のない熱狂」による株価暴騰が特徴的。

こうした熱狂がさらに勝ち馬に乗りたい名前だけのIT企業を多く生み出す結果になり、その中から詐欺的な経営を行う企業やそこに大量投資を行う投資家が現れ、表面だけの市場活性化が行われました。

この状況は、技術的な価値も分からないまま投機対象としてマイナーな仮想通貨を大量購入するユーザーが登場したり、信用度が不明なICOや技術的に大きな特徴がないものの話題性だけに頼ったICOが乱立している今の仮想通貨市場に酷似しているのではないでしょうか。

そしてマイナス材料となるニュースが出てきたとたんに、銘柄に関係なく市場全体が一気に冷え込んでしまった展開も、ITバブル期によく似ています。

  IT 仮想通貨
バブル期(IT1999年/仮想通貨2017年) IT普及ニーズに便乗した投資ブームが加熱。大小様々なIT関連企業が乱立する。 億り人などの登場が、一般層からも注目を浴び、仮想通貨市場が一気に高騰。匿名コインや詐欺ICOなどが登場する。
バブル翌年(IT2000年/仮想通貨2018年) IT普及ニーズが飽和状態となっていたところへ、IT企業の不祥事ニュースをきっかけにバブル崩壊。 高騰を続けていた相場が低下傾向になったところで、NEM不正流出事件が発生。
仮想通貨への不安感が増大して市場全体が暴落状態に。

今後の仮想通貨市場の展望

では今後仮想通貨市場はどのように展開していくのでしょうか。

先ほど紹介した、マイクロソフト社やAmazon社、Yahoo!JAPAN社のように、20年後に何倍にも株価を上昇させるような銘柄は存在するのでしょうか。

ITバブル期から生き残っている企業は、現在では世界中の人々に欠かせない生活の基盤となる技術を提供しています。(それ以外の企業は淘汰されている)

マイクロソフト社はコンピューターOSで、Amazonは世界中の通販システムを、Yahoo!JAPANは日本国内での情報提供サービスを、それぞれ支えています。
最たる例はGoogle社であり、検索サービスだけではなく、インターネット全般を通じて、我々のライフスタイル自体に変革を起こそうとしています。

このような企業の株価が上昇するのは当然のことといえるでしょう。

仮想通貨に関しても同様の現象が考えられます。

仮想通貨がここまで注目されているのは、DAPPS(非中央集権・分散型アプリケーション)という革新的な技術をベースとしているからに他なりません。
DAPPSの登場で、管理者が存在しない公平な運営システムや情報管理を提供することが可能となることが期待されています。

仮想通貨はDAPPSを利用して実現したサービスの一つであり、DAPPSの特徴を活かしたサービスがこれからたくさん登場することになるでしょう。
その中にはGoogleのように、世界中の人々のライフスタイルを変えてしまうようなサービスが登場するかもしれません。

そのようなサービスが登場すれば、その株価は20年後には2倍どころか10倍、20倍にも成長する期待を持つことができるでしょう。

仮想通貨への投資は、細かいチャートの値動きで判断するのではなく、その銘柄が持つ将来的な可能性を見極めて、長い目で投資を考えてみると良いのかもしれません。

  IT 仮想通貨
バブル期
IT1999年
仮想通貨2018年
Amazon:112ドル BTC:720,000円
ETH:43,200円
BTH:68,000円
未来
IT2018年
仮想通貨2038年
Amazon:1578ドル(14倍) BTC:7,200,000円
ETH:864,000円
BTH:1,360,000円

(10倍に成長と仮定)

ITバブル以外のバブルからも学んでみよう

チューリップバブル

歴史上、ITバブル以外にも金融バブルは幾度となく発生しており、最古のバブルと言われているのが「チューリップ・バブル」です。

17世紀、オランダ商人は世界中を駆け回っており、オランダ経済はとても活発化していました。当然所得も上昇、多くの富裕層が誕生していました。

そんな彼らの間で、トルコからもたらされたチューリップが観葉植物として大流行します。

チューリップは、稀にウィルス感染による病気などで珍しい色や模様の生まれることがあり、その珍しさが収集家の間で噂となり、人気はさらに上昇。オランダ国民が皆、チューリップを栽培して一攫千金を狙うようになり、自然とチューリップの球根が高値で取引されるようになります。

そのうち、球根自体が投機の対象とされ、転売や先物取引まで行われるようになり、球根自体が存在しないのに、球根の取引だけが拡大、球根1つで家が建つと言われるまでに価格が高騰する状況となりました。

しかしあまりの高値に「隣町で買い手がいなくなった」という噂が流れた途端に球根の価格は暴落し、チューリップ・バブルは崩壊してしまったそうです。

チューリップ・バブルから教訓を得るとすれば、チューリップ自体に価値を見出すのではなく、投機目的として金額や値動きだけで投資を決めてしまったことにあるのではないでしょうか。

「仮想通貨は儲かるらしい」と聞いてすぐ飛びつくのではなく、自分の資産を投資するのに見合ったものなのかを見極める姿勢が必要となります。

南海会社泡沫事件

バブル経済の語源にもなったバブル事件が「南海会社泡沫事件」です。

18世紀のイギリスは、スペイン継承戦争やアン女王戦争などで財政的な危機に陥っており、膨れ上がった国債(借金)をどう返済するかに苦しんでいました。

その問題を解決するべく設立されたのが「南海会社」であり、当時スペイン領であった南アメリカや太平洋地域の貿易を独占的に行うことで利益をあげ、それをイギリス政府の借金返済に充てる(肩代わりする)ことを目的としていました。

しかし南海会社の貿易事業はうまくいかず、苦肉の策で「富くじ」を実施したところ、これが大当たり。南海会社は莫大な利益を得ることに成功します。

この業績を元に、イギリス政府と南海会社は、国債と南海会社の株を「変動レート」で交換可能としました。これによりイギリス政府は自らの懐を痛めることなく国民の借金を帳消しできるようになり、南海会社はどんどん株価が上昇してWinWinの状況を作り出すことに成功します。その結果、数ヶ月の間に南海会社の株価は10倍にも高騰することとなりました。

すると、この株高に便乗する会社(泡沫会社)が多く登場し、これらの事業への投資がブームとなり株価はますます高騰します。

しかし多くの泡沫会社は事業実態が薄いトンデモない会社がほとんどで、無許可でのこのような泡沫会社乱立を懸念したイギリス政府が泡沫会社規制法を制定すると、異常に高騰していた市場は沈静化するどころか、急激に冷え切ってしまい、あらゆる株価が大暴落する結果を招いてしまいました

この南海会社泡沫事件も、チューリップ・バブルと同様、実態の分からない会社にどんどん投機を繰り返したことが、バブル崩壊の引き金となってます。

この事件をきっかけに会計監査制度が誕生しており、投資をする企業(対象)の実態を把握することはとても重要なことであることを教えてくれているのではないでしょうか。

結論、現在の仮想通貨はバブルなのか?

いまの仮想通貨はバブルか?バブルではないか?と考えたとき、「根拠のない熱狂」により盛り上がった2017年と、それが冷えきった反動での不信状態が続いている2018年という現状を考えれば、いまはバブル崩壊期にあたるのではないでしょうか。

投機的にはおいしくない時期であり、多くの方が手痛い目にあっているようですので、仮想通貨自体にネガティブな雰囲気が漂っていることは否定できません。そのため、いまある銘柄の価値が0になる可能性ももちろんあります。

ですが、DAPPSという技術的な仕組みへの将来的な期待は高いままであり、これらの技術的なレベルはまだまだ低い状況です。

これらのテクノロジーが洗練され、一般世界でも十分通用するレベルに到達したとき、仮想通貨市場はまた活性化するのではないでしょうか。

IT 仮想通貨
バブル発生要因 IT普及ニーズに便乗した、起業ブームおよび投資ブームの加熱。 新しい投機対象として仮想通貨が注目され相場が高騰。匿名コインや詐欺ICOなども登場。
バブル崩壊要因 普及ニーズの飽和と、IT企業の不祥事ニュース。 相場の不調とNEM不正流出事件などによる仮想通貨への不信感。
革新的要素 IT技術による作業効率化。インターネットにより世界がつながる。 非中央集権・分散型のアプリケーション(DAPPS)
未来 GoogleやAmazonは、ユーザーの生活に欠かせないサービスを提供する企業に成長、世界を代表する企業に。 国家や組織に依存しない通貨を基盤とした経済圏の確立や、ブロックチェーンを用いた著作権保護、信用性の担保など革新的サービスの誕生に期待。




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