2017年は、仮想通貨業界が世界規模で大きな盛り上がりを見せた年でした。
日本においても「ビットコイン」を始めとする仮想通貨に関する話題が尽きない1年でしたね。
しかし、お隣の国韓国では、日本以上に仮想通貨事情が白熱していました。
若者は一攫千金を夢見て我先へと仮想通貨取引に参加し、韓国政府が仮想通貨取引の規制に乗り出す動きにまで発展することになります。
この記事では、韓国国内における最大手の仮想通貨取引所である「Bithumb」を中心に、韓国仮想通貨業界の今後について詳しくご紹介します。
目次
Bithhumbの仮想通貨決済の動き
今年の3月26日、仮想通貨取引所「Bithumb」はデジタル決済サービスを提供する「コリア・ペイ」との提携を発表しました。
同社はこれを足掛かりに、2018年内に8000店舗での仮想通貨決済サービスの導入を目指しています。
この「Bithumb」とは、一体どんな取引所なのでしょうか?
Bithhumbとは?
「Bithumb」とは、Korbit・Coinoneと並ぶ韓国における三大仮想通貨取引所の1つです。
その中でも「Bithumb」の取引量は韓国全体の7割以上を占めており、正に韓国における最大の仮想通貨取引所と言えます。
取引所間の価格差を利用した「アービトラージ」(※)の場としてもよく選ばれています。大手取引所なだけあり、日本語を含む6ヶ国語に対応した取引を行っています。
冒頭でも述べた様に、「Bithumb」はここ最近様々なプロバイダーとの提携に積極的に取り組んでいます。その内のいくつか代表的なものをご紹介しましょう。
BithhumbとBitpayの提携
まずは、仮想通貨決済サービスを提供するアメリカ企業「Bitpay」との提携です。
両社は今年の3月に、仮想通貨の国際送金市場に参入することを発表しました。
これにより、送金にかかる費用・日数は以下の様に改善されるとのことです。
送金費用 | 送金日数 | |
---|---|---|
(従来) | 4% | :4日 |
(今後) | 1% | 送金日数:1日 |
BitpayのCCOであるSonnySingh氏は、「韓国―欧米間の国際的な仮想通貨決済市場の規模が2000億ドルに達するだろう」との見解を示しています。
BithhumとKorea Pay(コリア・ペイ)の提携
次にご紹介するのが、冒頭で述べた「Korea Pay(コリア・ペイ)」との提携です。これにより、全国6000店舗において仮想通貨を用いたオフライン決済が可能となります。
実際の支払い場面で使用されるのが、コリア・ペイ社が提供するアプリです。同社の決済サービスプラットフォームに表示されるバーコードを用いることで、仮想通貨による決済が行われます。
Bithumbは、この仕組みを2018年上半期の内に全国6000店舗で導入、その後2018年以内にはシステム導入店舗を8000店舗に拡大する計画です。
Bithhumとキオスクの提携
3つ目の取り組みは、タッチスクリーンによる販売システムである「キオスク」事業への参入です。「キオスク」は主にレストラン・カフェ等の小売店で設置されており、メニューの閲覧や注文・そして支払い機能を備えています。
Bithumbはこのキオスク事業に対して「Touch B」というブランドを立ち上げ、参入することを発表しました。
そして、製造会社4社と提携して開発されたこの「Touch B」ブランドのキオスクに、新機能として「仮想通貨による決済サービス」が導入されることになったのです。
BithhumとWith Innovationの提携
そして最後にご紹介するのが、韓国の大手旅行サイト運営会社である「With Innovation」との提携です。
この会社が運営する宿泊予約アプリに「仮想通貨による決済機能」が導入されることで、ホテルや旅館を始めとする50000以上の宿泊施設で仮想通貨の利用が可能となりました。
ちなみにこの予約サイトで利用出来る仮想通貨は、ビットコイン・リップル・イーサリアム等を始めとする12種類にも及びます。
Kakaoの仮想通貨決済への動き
さて、ここまでBithumbに関して詳しく見てきましたが、韓国内にはこの他にも仮想通貨決済に取り組もうとする企業が出てきています。
その内の1つが、チャットアプリ大手の「Kakao(カカオ)」です。
今年の3月、カカオは新事業計画においてアジア市場向けのブロックチェーン・プラットフォームである「グラウンドX」の開設を発表しました。今後、本格的に仮想通貨決済サービスを導入していくことが予想されます。
Kakaoの仮想通貨決済スタート
ここで、改めて「Kakao」についてご説明します。
「Kakao」はその中心的な事業である「Kakao Talk」以外にも、「Kakao Pay」や「Kakao Story」、「Kakao Taxi」といった様々なジャンルのサービスを運営しています。
これらのサービスを多くの人が利用しており、特に「Kakao Pay」はリリース月に300万人ものユーザーを獲得しました。そのKakao Payに仮想通貨を導入することを検討している様です。
将来的に、Kakaoは合計12000店舗における仮想通貨決済サービスの2018年内での導入を目指しています。そして、このKakao社は2017年10月に仮想通貨取引所である「UPbit」(※)を子会社として開設しました。
これほど取り扱うコインの種類が多いのは、同じ仮想通貨取引所である「Bittrex」と提携している為です。
加えて、手数料も本家のBittrexより安い為に、韓国内で人気を博しています。
仮想通貨決済において注意するべき点
以上が、現在韓国の仮想通貨市場で起こっている大まかな出来事です。これらの出来事の多くは今年の3月に起こったもので、今後も様々な企業が仮想通貨取引に参入する動きが予想されます。
成長を続ける「仮想通貨」というジャンル。ですが、仮想通貨の取り扱いにはいくつかのリスクが存在することに注意が必要です。
価格変動が激しいこと
何よりも注意すべきことは、その「価格変動幅の広さ」です。
日本国内の報道でも取りざたされた様に、仮想通貨の価格は短期間で非常に大きく変動します。
流れに乗ればわずかな期間で大きな利益を生むことも可能ですが、当然その逆のパターンもあり得ます。
すなわち、所持している通貨を決済に使用する際に購入時の価値を有していない、という事態も起こりうるわけです。仮想通貨取引をする際には、負債を抱えるリスクも考慮して慎重に行動するべきでしょう。
決済遅延やできない可能性があること
「 ビットコインの決済が初期の頃に比べて遅くなったような・・・」
こう感じた人もいるのではないでしょうか?これは仮想通貨に用いられる「ブロックチェーン技術」に起因する問題でもあります。
仮想通貨取引では、取引データを一定数まとめて「ブロック」とよばれる「くくり」の内に保管しています。
取引データを認証作業はこのブロックごとに行われるのですが、仕組上の問題からこのブロックは10分に1つしか処理出来ないのです。
つまり、データ処理速度には限界があるのでビットコインの様にユーザーが急激に増加して取引データの総量が増えると、データの処理待ちが起こってしまいます。これが、決済の遅延が起こる理由です。
仮想通貨決済が普及することで期待されること
ではこれらの点を踏まえて、「仮想通貨決済サービスの導入」という動きはどの様な流れを生み出すのでしょうか?
確かに、一時期は政府による仮想通貨業界への規制の動きが見られました。
しかし今年になって、仮想通貨業界団体が規制の正常化に向けた方針を示すなど国内でも様々な考え方が出てきています。
何より、Bithumbという世界的に見ても大規模な取引所が存在する以上、韓国の仮想通貨業界が規制緩和に動く可能性は十分ありますし、またそうなることを期待します。
仮想通貨の流動性の上昇
ただ確かなことは、今回のBithumbやKakaoの取り組みにより韓国内における仮想通貨の流動性が上昇する、ということです。
現状、韓国内で盛んに取引されているビットコイン・リップルといったメジャーな仮想通貨に関しては、特にその傾向が強いと言えます。
その他にもネム・イーサリアム・ビットコインキャッシュ等の仮想通貨に関しても、韓国内で盛んな取引が行われています。
ビットコインやリップルに関しては殆どの取引所で取引を受け付けている点を考えると、今後店舗決済において採用されるケースが多くなることが予想されます。
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