仮想通貨やブロックチェーンの技術は世界規模で普及していき、ただの金融商品ではなく新しい決済やビジネスの形として多くの人に支持されています。
ただ一方で仮想通貨に対して否定的な見解をもっている人や企業も存在しています。ビットコインが初めて使われた国であるアメリカでも同様の議論が巻き起こっています。
本記事では、アメリカの大手決済サービス企業は仮想通貨に対してどう考えているのかを解説していきます。
アメリカ政府や中央銀行の仮想通貨への見解はこちらで解説していますので、ご覧ください。
目次
アメリカの決済サービス企業の仮想通貨への見解とは?
アメリカの大手決済サービス企業の仮想通貨への見解を紹介していきます。
VISAのCEO「仮想通貨は脅威ではない」
VISAカードのアルフレッド・ケリーCEOは10月26日、CNBCのインタビューにて「仮想通貨は短期・中期的に仮想通貨は脅威にならない」という見解を示しました。
仮想通貨が脅威にならない理由について以下のように答えています。
「我々が不都合なく参入できるようになるには、法定通貨のようにマーケットが整備されていなければならない。ただもし世の中の流れが(仮想通貨の方に)向かうなら、我々も軌道修正する。我々は世界中のあらゆる決済取引において存在感がある。」
引用:コインテレグラフ
ケリー氏は仮想通貨が支払い手段として主流になればVISAも軌道修正すると話しており仮想通貨に対して柔軟な対応をみせることを明らかにしています。
マスターカードのCEO「仮想通貨には価値がない」
マスタカードのアジェイ・バンガCEOは、政府が発行したものでない匿名の仮想通貨は、交換手段と見なす「価値」がなく、「ジャンク(ごみ)」だと発言しています。10月26日にTHE TIMES OF INDIAが報道しています。
「仮想通貨はジャンクだと思う。採掘しなければ生み出されず、その価値が激しく変動する匿名の通貨は、私から見れば、交換手段と見なされる価値がない」
仮想通貨に対してはCEOが否定的な見解を示しているマスタカードですが、ブロックチェーンの技術を積極的に採用し特許を取得しています。
2018年8月10日の時点では、アリババ、IBMについで世界3位のブロックチェーン関連の特許数を申請しています。
ペイパルの元CEO「ビットコインの価値はゼロになる」
アメリカ決済サービス大手ペイパルのビル・ハリス元CEOは8月、ビットコインの価値は「かなりゼロに近くなる」とCNBCで発言しています。
「速い、自由、スケールできる、効率的、安全、世界中で受け入れられて使いやすい」と主張する「ビットコインのカルト集団」に対して、「全部間違っている」と厳しい否定的な見解を示しています。
ハリス氏はビットコインの取引時間は遅く、スケール化には問題があり、ボラティリティも高いと指摘しています。
さらにボラティリティの問題は、それだけでも決済手段としてビットコインを使えなくするものであり、価値保存手段としてはありえないと強調しています。
「我々はデジタル通貨をすでに持っているじゃないか。もっと安定していてもっと幅広く受け入れられていて本質的な価値がある通貨だ。それはドルや円と呼ばれている」
リップル(Ripple)が世界の企業を巻き込んでいる
アメリカの大手決済企業は、仮想通貨に否定的な見解が多くみられています。
一方で、世界の決済企業はリップルと提携し、ブロックチェーン技術を利用し、送金スピードを速くするなど、積極的にブロックチェーン技術を採用しています。
リップルの提携企業はこちらの記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。
仮想通貨とブロックチェーンは区別して考える必要はありますが、成し遂げたい世界には近しいものがあります。
仮想通貨とブロックチェーンはどちらも非中央集権の社会を目指し、開発されています。
非中央集権と中央集権の違いをこちらで詳しく解説しているので、ご覧ください。
中央集権的な社会を目指すのか、非中央集権的な社会を目指すのか。
このビジョンの違いによって、仮想通貨やブロックチェーンを評価するかが分かれます。
現在は圧倒的に力を持っているVISAですが、仮想通貨が普及してきたときの対応にどう動くのかに注目です。
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