アリババ子会社のAnt Financial(アントフィナンシャル)は、ブロックチェーンによる送金試験を行い、約3秒で取引を完了させました。
Bloombergが25日に報じました。
#AlipayHK and #GCash launch world's first cross-wallet #remittance service powered by #blockchain using tech developed by @AntFinancial and @Alipay — we're now providing 24/7, real-time #moneytransfer between #HongKong and the #Philippines at much lower costs. #GCashXAlipayHK pic.twitter.com/9Wb7ETkLBe
— Ant Financial (@AntFinancial) 2018年6月25日
今回の送金は、 アントファイナンシャルのスマートフォンアプリ、AliPayHK(香港)とフィリピンGlobe Telecomのグループ会社が運営するモバイルウォレットアプリ、GCash間で行われました。
香港ーフィリピン間での高速で安価な国際送金が可能になれば、香港に住む20万人を超えるフィリピン出稼ぎ労働者が自国への送金を簡単に行えるようになります。
目次
ニュースの概要
アントファイナンシャルは、アリババグループの子会社であり、世界最大のモバイル・オンライン決済プラットフォームであるAlipay(アリペイ)を提供しています。
アリペイについて詳しく解説しているこちらの記事を参考にしてください。
アントファイナンシャルは、アリペイの香港版を使い、フィリピンへの国際送金をわずか3秒で完了させました。
アリババのジャック・マーCEOは、今回開始された国際送金サービスに関して、将来的に国際展開を進めていくと発言しています。
アリペイは、世界中のあらゆる場所に24時間、リアルタイムで、国境を越えた送金サービスを推進する野心的な旅に、ここ香港から帆を上げ、乗り出します。
実際にアントフィナンシャルは、1400億ドル(約1.5兆円)にものぼる資金調達も行い、ブロックチェーンや人工知能(AI)などの開発を進めるとしています。
銀行口座・インターネットなしでの送金技術のメリット
今回のニュースのポイントは、携帯電話のみでの国際送金をわずか3秒で成功させたことです。
これにより銀行口座やインターネットに接続する手段を持たない人々であっても仮想通貨を利用することができるのです。
実際に香港ーフィリピン間での高速で安価な国際送金が可能になれば、香港に住む20万人を超えるフィリピン出稼ぎ労働者が自国への送金を簡単に行えるようになります。
他にも銀行口座、インターネットなしでの送金技術を開発している例として、CoinTextやM-PESAなどがあげられます。
日本でも導入予定のCoinTextの詳しい解説はこちらを読んでください。
アリババCEOのブロックチェーンへの期待
アリババのジャック・マーCEOはブロックチェーン技術に大きな関心を示しています。
マー氏は、ブロックチェーン技術は新たな社会的価値を生み出すことのできる技術であり、社会問題や、環境問題などの解決のために使われるべきだと考えています。
現在、世界には銀行口座を持たない人が17億人いますが、ほとんどの人は携帯電話を持っています。
ブロックチェーンが人類の未来に与える影響は、私たちの想像をはるかに超えるものになるかもしれません。
アリババCEOの仮想通貨への批判
一方で、マー氏は仮想通貨に対しては「ビットコインは全く気にしていない。ビットコインはバブルだ」と語っており、批判的見解を述べています。(参照:アリババ創業者ジャック・マー氏「ブロックチェーンはバブルではない」-COINTELEGRAPH)
アリババグループの株式を保有するソフトバンクグループの孫正義氏も、マー氏と同様に仮想通貨に対しては懐疑的な見方を示す一方で、ブロックチェーン技術への取り組みは進めていくと発言しています。
孫氏の仮想通貨、ブロックチェーンへの詳しい見解はこちらを読んでください。
アリババ子会社が実施した国際送金のニュースのまとめ
アリババ子会社のアントフィナンシャルは、ブロックチェーンによる送金試験を行い、約3秒で取引を完了させました。
このニュースのポイントは携帯電話さえ保有していれば自由に送金、受け取りが簡単にできる点にあります。
そのため、銀行口座やインターネットに接続する手段を持たない人々であっても仮想通貨を利用することができるのです。
アリババのジャック・マーCEOはブロックチェーン技術への高い期待をもっており、今後もブロックチェーンベースの開発が進んでいきそうです。
仮想通貨のみならず、ブロックチェーンの技術とその応用例に要注目です。
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