【すべてが見られている】信用の可視化は必要なのか?



みなさん、クレジットカードはお持ちでしょうか?

キャッシュレス社会と言われる昨今、ほとんどの人がクレジットカードを保有しているのではないでしょうか。

クレジットカードを作成するにあたり、必ず必要になるのが信用情報です。基本的には所得情報や過去の融資情報から信用情報は作成されます。

そんな中、中国の阿里巴巴集団(アリババグループ)の子会社である芝麻信用管理有限公司が芝麻信用(ジーマ信用)なるものを開始しました。

これは、所得情報だけでなく人間関係なども考慮したうえで、信用を得点化するものです。

上記のように信用を図った結果得られるものを信用スコアと呼び、今回の記事ではその信用スコアを紹介していきます。

日本でも信用スコアに参戦する企業が増えてきているようですが、今後の社会形成においてどのような位置づけになっていくのか、考察していきます。

信用スコアとは?

信用スコアとは、個人と関連するあらゆるデータをAIやIoTによって分析して、信用力を数値化したもののことです。

融資した金額がしっかりと支払われるのか、そもそも融資するに値する人なのか、などかつては所得ベースで考えられていました。かつては信用情報と呼ばれていたそれは、あらゆる個人情報から算出されるようになったのが信用スコアです。

信用スコアの仕組みをジーマ信用を例に解説し、信用スコアを採用している企業にはどんなものがあるのか、見ていきましょう。

信用スコアの仕組み

信用スコアの解説をするにあたって、信用スコアとして最も有名なジーマ信用を例に挙げていきます。

ジーマ信用はアントというアリババグループの関連企業が開発した信用スコアです。
「個人特性」「返済能力」「人脈」「支払い能力」「素行」の5項目から算出されます。5項目合計の点数が350~950点の間で評価されるのが特徴です。

具体的にどの項目が何から算出されているのかは以下の通りです。

個人特性 学歴、会社、運転免許証
返済能力 過去の返済履歴
人脈 実際のSNS等からわかる交友関係
支払い能力 カードでの支払い履歴
素行 消費傾向、振込の特徴等

これらのデータを自ら開示してスコアを上げることがジーマ信用では重要になってきます。

特質すべきは、これらの信用スコアは融資にだけ使われるわけではなく、生活におけるさまざまなことに還元されるということです。
シェアリングエコノミーが進んできた現代において、見ず知らずの人となにかをシェアするということは少なからず信用が必要になってきます。
それらに活用されるのがジーマ信用です。

その人に対しての知る時間を設けることは時間的コストも金銭的コストもかかってしまいます。ジーマ信用を使うことで提供する側も安心して取引ができ、受け取り側もスコアが高ければ高いほどインセンティブがあるので、普段の生活で信用スコアに対して自然に意識が行くようになります。

信用スコアの事例

上でジーマ信用を例に信用スコアを解説してきましたが、ここからは信用スコアの概念を取り入れている事例を紹介していきます。

AIスコア・レンディング

日本で一番最初の信用スコア事業です。みずほ銀行とソフトバンクの合弁会社であり、JScore(ジェイスコア)という会社が提供しています。

利用者が自分の個人情報に関して、150個の質問に答えることによって信用スコアが算出されるというもの。

ちょっとうそをついて回答をしてしまったら点数が変化してしまうのはどうなんでしょうか?

ドコモレンディングプラットフォーム

ジェイスコアが個人向けの融資だったのに対してドコモの場合は法人向けに開発されたものです。

ドコモを利用しているユーザーの携帯料金支払い状況やほかのドコモのサービスを利用しているかどうかをもとにデータを数値化し、必要としている金融機関に販売してマネタイズしています。

もちろん個人の承諾があったものをスコア化していますのでご安心を。

yahooの信用スコア事業

まだ名称自体は決定していないそうですが、ヤフーも信用スコア事業に名乗りを上げています。

ドコモと同様に法人に対してデータを販売するために開発されました。
ヤフーショッピングやYahoo!japanでの検索履歴からその人に対しての情報をスコア化するというもの。

ジーマ信用に似た雰囲気を感じます。

信用スコアのメリット・デメリット

ここからは信用スコアのメリットとデメリットを見ていきましょう。

中国でここまで信用スコアが受け入れられてきているのは、アリババが単純に人気なのか、それとも信用スコアに意味があるのか、考察していきます。

信用スコアを取り入れるメリット

顧客側のメリットとして挙げられるのが、サービスの質の向上です。

信用スコアを取り入れることによって、個人の信用をより正確に識別、数値化することができるようになります。

数値によって差別化することで、融資のみならず、民間企業の提供するサービス内でもある程度の差別化を図れます。

顧客側は自分の信用スコアが高ければ高いほど良質のサービスを受けることができます。

企業側のメリットとしてあげられるのが、安心感の確保が可能になることです。

サービスを提供する企業からすると、その顧客がどんな人物なのかとても気になります。
払ったお金を返済してくれるのか、何かを貸したときにきれいな状態で戻してくれるのか、などです。

信用スコアによってその人物への裏付けがあれば、企業側は安心してサービスを提供することができます。

信用スコアを取り入れるデメリット

信用スコアを取り入れたときのメリットは、信用スコアが高い人に限るということは忘れてはいけません。

信用スコアの低い人にとってはかなり生きづらい社会に変わってしまうでしょう。

また、日ごろの生活において信用スコアが絶対的なものになりすぎるあまり、毎日の生活が息苦しいものになってしまう可能性もはらんでいます。

より良い社会を作っていくうえで

全てのものは「分散と集約」を繰り返しています。それを踏まえて考えると、信用スコアも集約から分散へと移動している過程にあるということに気が付けます。

これまでの世の中では、中央機関が個人を定義していました。たとえばお金。

年収が1万円でも高い個人のほうが価値のあるとされてきましたが、そもそもお金というものも中央機関が定義しているものなので、中央機関が個人を定義しているということになります。

しかし、アリババという民間企業が信用スコアを使って個人を定義するようになりました。それを追うように日本でも信用スコア事業をする民間企業が増えてきました。

この時点で、中央機関から民間企業へと分散が始まっています。では次のステップではどうなるのでしょうか?

あくまで仮説ですが、コミュニティが個人を定義するようになり、個人が個人を定義するようになります。

このときのイメージは、中央機関が個人を定義するのは「1:1」の関係。中央機関だけが個人を定義できます。
次に民間企業が個人を定義するのは「n:1」の関係で、このnは3や4といった小さい数字になります。いくつかの企業が個人を定義します。そのアプローチの仕方に信用スコアがあるイメージです。
そして分散化が進み、コミュニティや個人へと移っていくとき、「n:1」のnはどんどん大きくなっていきます。個人を定義する主体の数がどんどん多くなっていくのです。みんなで価値を決める状態になり、これはトークンエコノミーに近づいていきます。

そしてさらにnが大きくなっていき、∞に極限まで近づいた状態になった瞬間が「トラストレス」の社会です。
もはや個人を定義する必要はなく、個人の信用を図る必要もなくなるのです。

なぜそう言えるのかというと、個人がよりたくさんのものから価値があると認められる状態では、他と交換関係にない個人、より悪な存在は淘汰されていき、より社会が善な状態へと進んでいくのです。

ここでいう悪な存在とは、他の個人やコミュニティと交換関係にない人、中央集権的に管理されていて周りとの接触回数が少ないコミュニティ等を指します。

悪である人物はいなくなっている状態なので、誰かを信用するという行為自体が不要になるのです。

信用スコアの必要性をまとめる

よりトラストレスな社会を実現させるためにも、信用スコアは必要なマイルストーンであることがわかりました。

これからの日本においても、今までの信用情報ではなく信用スコアが当たり前になる時代がもうすぐくるでしょう。

普通に考えたら信用スコアが高いだけでよいサービスが受けられるのであれば、自分にマイナスの要素がないということになります。裏を返せば、信用スコアによって迷惑をこうむる人は、いずれくる分散の波に消えていくのです。

集約から分散へ。

2019年は信用スコアによってまた一歩、分散に近づいていきますね。

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