非中央集権なアプリケーションDAppsの将来性から読み解くブロックチェーン



仮想通貨について勉強していると、よく目にする「DApps」具体的にどうゆうものなのか、理解できない。。。
それが将来どのような役に立つのか!?

実際に、気になったので、調べてみました。

DApps(分散型アプリケーション)とは何なのか?

DAppsと、英語でDecentralized Applicationsを略した造語です。
日本語では、これを直訳した「分散型アプリケーション」や「非中央集権アプリケーション」としてDAppsは認知されています。

分散型と聞くと、ブロックチェーン「分散型台帳」を連想するかと思いますが、このブロックチェーン技術を応用したものが、DAppsとなります。
DAppsの定義については、議論の余地はまだまだありますが、基本的に以下の4項目が含まれることが一般的となっています。

オープンソース
アプリケーションのコードが公開されており、誰でもアクセスできることがDAppsの最初の条件として求められます。
これにより、完全な非中央集権的なネットワークを構築できる基盤となります。
アプリケーションの非中央集権化
ブロックチェーン技術のような暗号を利用した技術により、いつでも、誰でもインターネット上の情報にアクセスできることが求められます。
独自の通貨による収益性
非中央集権的な性質を維持するために、アプリケーションを運用するため、独自の仮想通貨か電子資産を有することが条件として求められています。
国が発行する法定通貨は、中央集権的なインターネット空間で利用されていることから、その影響力を避けるために、独自の通貨が必要であると考えられています。
アルゴリズム/プロトコル
仮想通貨を生成するだけでなく、市場やユーザーの合意のもとでアルゴリズムやプロトコルを改善していくことが最後に求められています。

DAppsを利用しているすべてのユーザーのコンセンサスを得て、アルゴリズムやプロトコルの改変がなされることがDAppsの条件として求められています。

一つ目の条件であるオープンソースであることと、二つ目の条件であるアプリケーションの非中央集権化が一つにまとめて定義されることもありますが、基本的に上記の条件がDAppsであることの条件となります。

DApps(分散型アプリケーション)とはどのようなものなのか

DAppsこと、分散型アプリケーションとは、インターネットで利用するサーバーを分散して管理することで、情報の透明性と中央集権的なサーバーによるリスクを軽減する特徴があります。
というのも、現在、インターネットのサーバーは中央集権的にGoogleやAppleのような特定の大企業が独占的に管理しています。
DAppsは、このような特定のサーバーによって中央集権的に一極化した管理にするのではく、サーバーを分散することを目的としています。

なぜ、このような非中央集権的なアプリケーションが必要なのかについて、次のメリットとデメリットから考察していきましょう。

DApps(分散型アプリケーション)のメリット

DAppsのメリットは、全て非中央集権的な性質であることに帰結します。
DAppsは、既存のインターネットの仕組みが持つデメリットを克服し、よりユーザーや市場にとって自由なネットワークを構築することを目指しています。

情報の透明性
現在のインターネットでは、Google,Amazonなどといった大手企業が中央管理者として、インターネットの情報や取引に対する利権を握っています。
さらに、DAppsでは、情報や取引を管理する会社が特定されないことで、より情報の透明性が高く、開かれたインターネット空間が構築されます。

既存の巨大企業によるインターネットのサーバーでは、多額の利用料がなぜ発生するのか、誰が情報にアクセスできるのかという情報は、一般的に公開されません。

しかし、DAppsであれば、情報へのアクセスなどが公開されることで、透明性の高いインターネットの利用が可能になります。

中央集権的なサーバーであれば、詐欺や不透明な情報が生じてしまいますが、DAppsであれば、情報が透明化される利点があります。
ただし、この情報の透明性については、プライバシーの保護やセキュリティー問題などの情報の安全性に関わるデメリットも指摘されているので、これについては、後述します。

情報管理のリスク分散
これにより、大手企業によって不透明な情報収集や利用料の発生といった情報の非対称性に加え、アクセスが集中することによるサーバー落ちといった技術的な問題も発生します。

また、現在の巨大企業が中央集権的に管理するインターネットのサーバーでは、情報の安全性に関わる問題があります。

具体的には、特定のサーバーがダウンすると、多大な顧客情報や取引が流出したり、ハッキングによる盗難が発生したりする危険性があります。
実際、日本国内も含めて世界的に個人情報の流出が問題となっています。
このような情報管理のリスクに対して、DAppsであれば、リスクが分散されるメリットがあります。

DApps(分散型アプリケーション)デメリット

ノード数の問題
非中央集権的なネットワークにおいて、情報の処理能力であるノードは、統一的でないことから、処理能力が高いノードに負担が集中してしまう危険性があります。
手数料が高くなる
仮想通貨を使用した取引には手数料が必要です。
ブロックチェーンによって、情報が蓄積されると同時に、取引が増加するとその分、ブロックのスケールアップも必要となり、手数料も増えます。
情報の安全性に関わる問題(プライバシーの保護やセキュリティーの問題)
ハッキングによる被害の他に、システム上のバグやコードミスによって、情報の安全性を維持できない状況が起きる可能性があります。
ハッキングによって仮想通貨の盗難被害の他、コードミスによるバグでも損出になる可能性があるため、DAppsの情報に関わる安全性は重要な課題として指摘されています。

DApps(分散型アプリケーション)の利便性と必要性

DAppsの利便性は、インターネット上のサービスにおいて非中央集権化が行われることに由来します。

現在、インターネット上のサービスはAmazon、GoogleやFacebookなどといった大手企業を介して、提供され、個人の情報が一方的に大企業に中央集権化されている状態です。

この状況を打破し、より自由に個人対個人(P2P)でインターネット上のサービスを開発し、提供できる新たなインターネット空間を構築することがDAppsの目的としてしばし語られます。

また、特定のサーバーが攻撃されることで、多大な情報漏洩や損害が生じる事態が起こっていることから、これらのリスク管理の一環としてDAppsが必要であると考えられています。

DApps(分散型アプリケーション)が可能にすることとは?

非常に壮大な構想になりますが、DAppsによって、既存の巨大企業によるインターネット空間の中央集権的な経済構造を転換し、新たなインターネット空間における経済圏が構築できることが期待されています。

どうしてDAppsが必要なのか

非中央集権的なインターネット空間を構築するために、DAppsは必要不可欠であると考えられます。

これまでのインターネットのサーバーが中央集権的であったため、自由にサービス展開する機会が制限されてきました。
一極化されたサーバーがダウンしたり、ハッキングされたりすることで、多大な損害が生じる事態が起きてきました。

また、政府機関による検閲などもインターネットを活用したサービスの弊害として問題となってきました。
その中で、やはり、DAppsは必要であると考えられ、様々なサービスが開発されてきました。
実際どのようなサービスがあるのか、次の項目で見ていきましょう。

DApps(分散型アプリケーション)に触れてみたい!

では、実際にどのようなところでDAppsが活用されているのでしょうか?
ここでは、いくつか事例を紹介しながら、DAppsに対する理解を深めて行きましょう。

仮想通貨

ビットコインが代表的であるように、仮想通貨もDAppsの事例の一つになります。

ただし、特定の取引所が運用するようになっていることから、完全なDAppsとして仮想通貨は当てはまらないケースもあります。
ビットコインにかわって、現在、DAppsを代表する仮想通貨はイーサリアムです。
というのも、イーサリアムのスマートコントラクトが、非中央集権的なDAppsのシステムとの互換性が高いといわれています。

イーサリアムを利用したDAppsのゲームが登場してきていることからも、DAppsにおけるイーサリアムのプレゼンスは大きくなってきています。
更に、DAppsの本質である「誰もがアクセス」できる利点を最大限に活用するために、より開発をオープンにする仮想通貨としてネオ(NEO)やトロン(TRX)といった仮想通貨も登場しています。
特にトロンはDAppsを活用した独自サービスを数多く展開しており、ゲーム、アプリやソフトウェアの開発を進めています。

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ゲーム

DAppsを活用したゲームは様々ありますが、基本的にゲームによって利用する仮想通貨は異なります。
イーサリアムを活用する代表的なDAppsのゲームとして、猫の育成ゲームのクリプトキティーバトルと育成ゲームが融合したイーサエモンが有名です。

分散型取引所(Decentralized Exchange・DEX)

法定通貨はもちろんのこと、多くの仮想通貨もそうですが、中央集権的な取引所によって運用されています。
コインチェックの事件がきっかけで取引所が中央集権的であることに批判が集まり、この分散型取引所が注目されました。

分散型取引所の場合、通常の仮想通貨取引所とは異なって、個人のウォレットを通じて取引を行います。
ウォレットであれば、大手の取引所で仮想通貨を保管する際に起きるハッキング被害やシステムダウンによる損害を心配することはありません。
ただし、ウォレット自体のセキュリティー問題があるので、安全性については十分注意する必要はあります。

予測市場

予測市場とは、ギャンブルのように未来の出来事を予測して配当を得る仕組みのDAppsです。

独自の仮想通貨を有して、賭けを行う独特な仕組みは、まだ日本では浸透していませんが、海外では認知度が増しています。
代表的なDAppsの予測市場としてAugerとGnosisがあります。

これらの予測市場では、ブロックチェーン技術を活用して、ユーザーが未来の出来事に対する賭けを行い、予想が当たれば掛け金の配当をそれぞれの仮想通貨で受け取る仕組みになっています。

DAppsが可能にする未来とは

DAppsは、ブロックチェーン技術の利点であるオープンソースとしての情報の透明性や公平性を大いに活用することができます。

また、既存のインターネット・サーバーによる制限からも解放された非中央集権的な独自の経済圏を構築できます。
このような性質から、DAppsは非中央集権的な本来あるべきインターネット空間を構築でき、未来のインターネット空間の構造を転換することに繋がる可能性があります。

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