BitFlyerが導入したSFDとは何か? 仕組みと意義を考える



本記事ではBitFlyerが導入したSFDについて書いています。
皆さんもご存知の通り、既に2/23に内容の見直しがされていますね。このSFD導入によって世界の相場にも大きな影響を与えているようです。

そのため、今回は「そもそもSFDって何?」という仮想通貨ビギナーの方から、「SFD導入&見直しによって今後どうなる?」というユーザーの皆さんまでお読み頂けるような内容となっております。

SFDとは何か

それではまず、今回導入された「SFD」について詳しくみていきましょう。
「SFD」とは「(Swap For Difference)」の略です。簡単に言い換えると、「価格の違いを是正するためのきまり」のこと。
ではここでいう「価格の違い」とは一体なんの価格の違いでしょうか?

これは「信用取引」と「現物取引」の違いから生じてしまう「価格差」のことです。

信用取引と現物取引

この2つの意味を簡単に説明していきます。

「現物取引」とは
「現物」の名の通り、自分の持っているビットコイン価格での取引のこと。例えば、1ビットコイン=100万円のとき100万円で1ビットコインを買いますよね?このような実際に支払いを行った金額と同じ額で取引を行うのが「現物取引」です。
「信用取引」とは
「信用取引(FX取引など)」は、自分の持っているビットコイン以上の価格で取引できる仕組みになっています。実際に持っている金額以上の取引ってどういうこと?と思われる方は、クレジットカードなどを想像するとわかりやすいかもしれないですね。この取引では例えば今100万円が手元にある場合、その自分の持っている100万円以上の値段で取引が可能になります。
例えば、1ビットコイン=100万円であっても、3倍の300万円で取引ができる。といったような仕組みです。

ではなぜ、この2つに価格差が生まれてしまうのでしょうか。
それは「現物取引」と「信用取引」の価格連動が起こらないからです。

「価格連動が起こらない」というのは、「自動で同じ価格にならない」という意味です。

「現物取引」と「信用取引」では、同じ仮想通貨を使用して取引を行っていますが、「信用取引」側は実際のビットコイン以上の取引となっているため、少なからず差が生じてしまいます。

この価格の差を率で表したものは「乖離率」と呼ばれ、現在BitFlyerでは、この「乖離率」がかなり高くなっています。そのためこの「乖離率」を低くしたいことから対策を考えた訳です。

なぜ導入されたのか

ではなぜ、価格差を是正するための「SFD」が導入されたのでしょう?
もちろん「乖離率をできるだけ下げる」ための対策なのですが、「どうしてその必要があったのか?」ということです。

それにはいくつか理由があります。

理由1 ユーザーが現物取引を参考に信用取引ができない
信用取引を行っている方の多くが、現物取引のデータをもとに取引を行っています。そのため、あまりにも2つの価格の乖離が進んでしまうと現物取引の価格が参考にならなくなってしまいます

実際、乖離率が20%を超えてしまうと価格にかなりの差が出てしまうため、全く予測が立てられない状況になってしまうわけですね。

理由2 Bitflyerの大幅赤字防止
1つめの理由だけであれば、あまり問題がないような気がしますがおそらくこちらの理由がBitflyer側のSFD導入を決めた大きな理由ではないかと考えます。乖離率が上がり続け、取引が進むことで赤字となってしまうのはBitflyer側です。

なぜなら、信用取引では現物以上の価格で取引可能なため、その負担は全てBitflyerが担っているからです。
特に乖離率が20%以上となると、手数料を差し引いても取引所側の損失が大きくなってきます。そのためBitflyer側は赤字防止のため、なんとか乖離率を下げたい、というところでしょうか。

SFDの問題点

ここまで見てくると、「乖離率を下げる」=「Bitflyer側にもユーザー側にもメリットがある」ようにも思えます。本当にそうであればSFDの導入には全く問題ないですよね。しかし、話題になっているのには理由があるんです。それはSFD導入に置いて様々な問題点があるからです。

【問題点】
  • SFD狙いのユーザーが増える&ユーザー離れ傾向に
  • 「乖離率の低下」という目的を達成できていない。逆に乖離がすすんでいる。

SFD導入による影響

では.実際にどのような影響があったのでしょうか。
先程の章であげた、ユーザーへの影響と相場への影響を見ていきましょう。

ユーザーに対する影響

SFD導入に伴うユーザーに対する影響は、結論から言うと、圧倒的に「大口ユーザーに有利」になってしまったということです。なぜなら、少ない資金で利用しているユーザーにとっては、SFD導入後の取引において、ほとんど手数料で損をしてしまうからです。反対に、大口ユーザーにとっては、SFDを利用して資金を増やしている人も多数存在しています。実際にどのくらい不利益かは、こちらを見てもらえるとわかりやすいかと思います。

このように元手の少ないユーザーはかなりの手数料を取られることから、資産の多いユーザーには有利ですが、そうでなければかなり損をすることがわかります。

相場に及ぼす影響

では相場にはどんな影響が見られたのでしょうか?SFD導入の結果、相場は大混乱しました。一気に下落が進み、ユーザー離れも進む結果となりました。そして世界中で価格は大暴落となります。
損をしてしまうなら別の取引所を利用しようと考えるユーザーが増えるのは当たり前ですよね。

実際、この結果を受けて、Bitflyer側もSFDの改正に踏み切りました。

まとめ

以上により、Bitflyer側の目的であった「乖離率の低下」には届くことなく、相場は大混乱している状況となりました。結果、ユーザー離れも進むこととなってしまい2/23のSFD見直しの発表に至った訳です。

2/23にbitflyerが見直しを発表

実際に行われたSFDの具体的な見直し内容は以下の通りです。

※BF公式よりPDF※

bitflyer公式PDFからわかる見直しのポイントは以下の3点です。

  • 【決済注文】価格乖離を縮小する場合、SFD付与なし
  • 【追加】5% 以上 10% 未満:比率0.25%
  • 【訂正】20% 以上:比率3.0% ⇒ 2.0%

ここで「新規注文」と「決済注文」について簡単に説明したいと思います。

「新規注文」とは
最初に行う注文のこと。仮想通貨の注文は、まず始めに「買う」か「売る」かを選択します。その最初の段階を「新規注文」と言います。
「決済注文」とは
「新規注文」のあとに行う注文のことです。これは必ず新規注文とは逆の取引になるので、注文は2パターンしかないのがお分かりになるでしょうか?
  1. 新規:「買い」 ⇒ 決済「売り」
  2. 新規:「売り」 ⇒ 決済「買い」

この「決済注文」の「売り」または「買い」の際に、乖離を縮小する(乖離率が高くならないようにする)注文に関して、SFDは「付与されない」ということです。

続く【追加】【修正】内容については上記記載の発表の通りです。20%以上の乖離の比率を下げ、適用範囲は5%以上まで拡大したというところです。

SFD導入によりbitflyerは今後どうなる?

SFD導入・その後の大暴落、そしてSFDの改正・・・様々な状況の変化に伴いユーザーも今後の動向が気になってくるところですよね。
また実際、今では多数の取引所もあることから、Bitflyer離れを囁く声も少なくありません。SFD内容の改正に伴い、これ以上の乖離率の上昇は考えにくいですが、大口ユーザーの出方次第といったところでもあります。

今後は日本のビットコイン価格が下落していく可能性も視野に入れ、様子を見ていきたいところですね。

追記 3/17新基準を適用

2/23に見直し発表された新基準ですが、3/17午前4時から既に適用開始されましたね。
改定内容については、当初の発表より変更はありません。

もう一度おさらいしておきましょう。

  • 【決済注文】価格乖離を縮小する場合、SFD付与なし
  • 【追加】5% 以上 10% 未満:比率0.25%
  • 【訂正】20% 以上:比率3.0% ⇒ 2.0%

導入されてから約3週間←★(記事投稿日に合わせ調整下さい)★が経過しました。
今後の動向も気になるところです。

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