ZOZOTOWNの社長が100億円をお年玉企画で100人にあげるということをしました。
Twitterをしている人ならほとんどの人が知ってるのではないでしょうか?
ZOZOTOWN新春セールが史上最速で取扱高100億円を先ほど突破!!日頃の感謝を込め、僕個人から100名様に100万円【総額1億円のお年玉】を現金でプレゼントします。応募方法は、僕をフォローいただいた上、このツイートをRTするだけ。受付は1/7まで。当選者には僕から直接DMします! #月に行くならお年玉 pic.twitter.com/cKQfPPbOI3
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) 2019年1月5日
なかなかの衝撃だったのではないでしょうか。
月に行くことを表明していたり、某有名女優さんとお付き合いしていたり、話題の尽きないZOZOTOWN社長の前澤友作氏。
1月8日時点で当選者にDMが送られ、Twitter内がざわついている状態です。
今回の一件で前澤さんのツイッターのフォロワー数は50万人から一気に580万人にまで増加しました。数日で10倍まで増加するのは本当にすごいことだと思いました。
さて、気になったのは、今回のお年玉企画が個人と直接のやり取りになっているということ。
目的はもちろんZOZOの広告だったと思いますが、広告に対してのコストはかかっていないのがわかります。(1億円は別ですが)
PayPayの100億円還元キャンペーンや去年YouTube上で流行っていたプレゼント企画も、個人に対して直接お金を払うという形で広告を行っています。
今回の記事では、広告の形の変化から考えるコミュニティの変化を見ていきたいと思います。
目次
社長が行ったプレゼント企画を紹介する
昨年から今年の頭にかけて、たくさんのプレゼント企画が行われてきました。
その中でも大型だったものを紹介していきます。
ZOZO一億円お年玉企画を紹介する
まずは冒頭でも紹介した、「ZOZO一億円お年玉企画」です。
ZOZO社長である前澤さんがツイッター上で呼びかけたのがきっかけです。
1月5日から7日までの3日間という短い期間でしたが、前澤さんのツイッターのフォロワーが50万人から580万人にまで増加するなど、大きな影響があったことがわかります。
また、何事も規模が大きくなればアンチのような存在は出てきます。「ツイッターの利用規約に反しているのでは?」「景商法に引っかかっているのでは?」というような声もありましたが、企画は無事に終了しましたので、大丈夫だったようです。
レペゼン地球一億円プレゼント企画を紹介する
昨年はYouTube上でのプレゼント企画がたくさんありました。「チャンネル登録してくれたら応募完了!」のようなものです。
その中でもひと際目立っていたのが、8月に行われたDJ集団レペゼン地球による1億円プレゼント企画です。
YouTube上で投げかけられた企画ですので、登録者や高評価ボタンを押すことで応募をするのかと思いきや、公式LINEを追加することで応募完了という、今までにない簡単な方法が設けられました。
この企画はレペゼン地球とDMMとがコラボしていることでも有名です。
DMMの子会社であるハッシャダイがしている事業とレペゼン地球を見ている視聴者のターゲット層が同じということもあり、DMM社長の亀山さんから1億円のバックアップをいただいて実現した企画です。
この企画は、たくさんの人からの応募もあり、サーバーがダウンしてしまう問題も途中で発生しましたが、無事に成功しました。
PayPay100億円あげちゃうキャンペーンを紹介する
こちらも昨年末、大きな反響を生んだキャンペーンです。
PayPayを使って支払いをしたときに、その支払いの20%を還元、それに加えて、いくつかの確率で全額返済もありました。
10日余りで100億円に到達してしまったことからも、この企画がどれだけ好評だったのかを見て取ることができます。
しかし、クレジットカードの不正利用問題があったりと、システム上の問題も露呈した企画であったといえます。
どの企画にも共通して言えることは?
どの企画も、形としていろいろなメッセージを載せて行われていますが、根底にあるのは「自社を広告したい」というものでしょう。
そして、これらの企画で共通して言えることは、消費者と企画者が直接やり取りをしている点にあるといえます。
第三者を介してモノやサービスを提供する形をとっていないことがポイントになります。
広告業とはなにか考える
ここからは、これまでの広告業についてみていきたいと思います。
例としてGoogleを上げていきます。こちらの記事でもGoogleのビジネスモデルについて触れているので参考にしてください。
グーグルのビジネスモデルはB2BとB2Cの2つがあります。
ビジネスモデルに登場するのが、「グーグル」「広告主」「顧客」の3者です。
みなさんご存知の通り、グーグルを使って検索をするときにコストはかかっていないですよね?
顧客とグーグル間では、課金サービスを使用しない限りお金の動きはありません。
顧客は無料でサービスやデータを受け取る代わりに、「何を検索したのか」「その人の情報」を提供しています。
一方、広告主とグーグル間では、グーグル側が広告枠を提供し、その見返りとして広告料をもらうというお金の動きです。
グーグルは顧客から得た情報により、顧客が求めているモノやサービスに合った広告を掲載します。
その結果、広告をクリックする確率が上がり、両者にとってより効率のいい広告ビジネスが行われるという仕組みです。
このビジネスモデルを展開したことによりグーグル側には膨大な顧客情報が集中し、ビジネスとしてより大きなものへと進化してきました。
従来の広告では、看板でもサイト内でも、広告枠を企業に対して販売して利益を上げるというビジネスモデルが主流でした。
これからの広告を考える
では、これからの広告というものはどのように形を変えていくことになるのでしょうか。
少なくとも、消費者に対して直接広告するのが主流になってくるでしょう。
0円タクシーを紹介する
昨年の12月にDeNAが0円で乗れるタクシー「0円タクシー」を期間限定で開始しました。
これは、乗客からは支払いを受けず、タクシーにおけるさまざまな部分に広告を打ち、乗客に対して購買意欲を持ってもらうことによってペイしようとしたものです。
初回のスポンサーには日清食品がついており、タクシー全体が「うどんのどん兵衛」使用になっています。
これが今後の主流になるのかはわかりませんが、個人の「移動」という情報に価値を持たせることに焦点があてられるようになるでしょう。
テレビCMを考察する
テレビCMの在り方もこれによって変わっていくと考えられます。
今までは、テレビを見ている人全員に対して同じ広告を流すという効率の悪い方法をとっていました。
しかし、テレビにIoTがつくことによって、実際にいま見ている視聴者がどのようなものに興味があるのか、どのようなものを欲しがっているのかがわかるよになり、無駄のない広告を打ち出すことが可能になります。
ZOZOTOWN1億円企画から見たこれからの広告のありかたを考える
これまでの広告のありかたと大きく違ったと感じた点は、コストをかけている場所です。
従来の広告だと、広告枠を提供してくれる企業に対して広告費を支払うことによって、自分の存在をアピールしていました。
しかし、今回の前澤さんによって、直接消費者にたいしてコストを支払うことが、大きな広告としての効果があるということが証明されました。
これからの広告は、第三者を介在させることなく、直接的なやり取りになっていくでしょう。
広告のありかたをまとめる
広告の在り方が、より個人間で行われるようになるという記事でした。
これはやはり、ほかの記事でもいっているように「集約と分散」が広告にもあるのではないかな、と考えています。
かつての商人たちは、自分の売りたいものを自分の力で周りの人に知らせて商いを行っていました。これはいわゆる分散です。
しかし、次第に広告板のようなものが生まれ、今のGAFAのような広告の在り方に変わっていきました。集約していったのです。
そして2019年。広告は誰かに頼ってするものではなく、個人に直接働きかけるようになっていきます。また分散が始まっているのです。
上記の記事で、メルカリのC2Cビジネスが今後は主流になっていくと書かせてもらいましたが、まさに広告も同じ現象が起きているのです。
より個人に帰属する社会へ。
コメントを残す