韓国の規制当局である金融委員会の委員長であるChoi Jong Koo氏が仮想通貨とICO(イニシャル・コイン・オファリング)に対する否定的な立場を明らかにしました。
10月11日、BUSINESS KOREAが報じました。
目次
韓国規制当局が仮想通貨とICOに否定的見解を述べる
韓国金融委員会の委員長である規制当局トップが、仮想通貨のICOを認めない見解を明らかにしました。
韓国では国会でICO緩和の議論が交わされており、ICO解禁への期待が高まっていましたが、今回の報道によりICOの規制が続く可能性があがっています。
韓国規制当局、ブロックチェーンと仮想通貨・ICOは違う
韓国国会の公聴会でJong Koo金融委員長は、ICOを認めない理由として、「ブロックチェーンと仮想通貨を同じものとして捉えてはいけない」ことをあげています。
その上で仮想通貨のICOには厳格に対処すべきとの立場を明らかにしています。
「多くの人が韓国政府はICOを許可すべきだと言う。しかし、ICOがもたらす不透明性とダメージは、大変明白で危険なものだ。だから多くの海外諸国もICOを禁止するか慎重になっているのではないか」
参考:COINTELEGRAPH
韓国政府がICOへの公式見解を述べる
韓国ではICOの解禁をどうするかの議論が活発に行われていますが、韓国政府が「11月中に国内におけるICOを巡る法的整備を終わらせる」と10月12日に発表しました(参考:THE INVESTOR)。
韓国では2017年10月よりICOが金融庁によって規制されていました。しかし、実質的にICOを実施する企業がとどまることはなく、規制自体が曖昧化している状況が続いています。
韓国政府はこの状況に対して調査を行なっており、調査結果が10月下旬に発表される予定です。
韓国での仮想通貨・ICO規制の歴史をふり返る
韓国では仮想通貨が厳格に規制されております。その一方で韓国での仮想通貨の認知度は世界でトップの87%です(参照:How many people actually own cryptocurrency?−Medium)。
韓国での仮想通貨事情は以下の記事で詳しく解説しています。
ここでは、この記事の韓国での仮想通貨の規制の部分のみを抜き取って紹介します。
韓国政府がICOを禁止する
韓国では2017年9月にICO(仮想通貨を利用した資金調達)の完全禁止をしました(参照:South Korea’s National Assembly Officially Proposes Lifting ICO Ban-Bitcoin.com)。
当時、韓国の金融委員会は、あらゆる形の仮想通貨のICOを完全に禁止するとともに、デジタル通貨の信用取引も禁止することを決定しました。
その理由として、ICOはバブルのリスクが高く、投資家が詐欺や市場操作の被害に遭いやすいからであるとしています。
また実際に、当時のICOでは投機目的で利用されたケースがいくつかあると述べていました。
韓国の国会でICOの合法化を求める意見がでる
一方で2018年10月2日に、韓国の国会政務委員会のMin Byung-Doo委員長が、国会でICOの合法化を求める発言をしています(参照:韓国の国会本会議で政務委員長が「ICO合法化」を求める-COIN POST)。
Min委員長は、ICOの合法化を求める理由として、正式なICO規制の法律がないことをあげています。
「仮想通貨業界が信頼を得るためにも、ICOに対する規制は必要であるが、現在規制に関する法律がないにも関わらず、事実上の規制を課していることは、政府としてはいかがなものか。」
Min委員長は、「不正行為、投機的行為、資本流出は厳格に禁止」すべきであり、仮想通貨業界が自己規制を導入するとともに、明確な安全基準を設定する必要があると述べています。
時期 | 出来事 |
---|---|
2017年9月 | 韓国政府によるICO完全禁止が実施 |
2018年10月 | 韓国の国会政務委員会が国会で、ICOの合法化を求める発言 |
2018年10月 | 韓国金融委員会トップが国会で、ICOへの否定的見解を発言 |
2018年11月 | 韓国政府がICOへの公式見解を発表予定 |
韓国でのICOは実現するか?
現在、韓国はICOが解禁されるか、仮想通貨の規制が緩まるかのまっただ中にいます。
韓国は大手取引所Bitumb(ビッサム)の影響をはじめ、国内で仮想通貨がすでに広まっています。
韓国での仮想通貨の認知度は世界でトップであり、韓国政府がICOを認めるかどうかが、仮想通貨市場に大きな影響を与えることが推測されています。
11月には韓国政府の公式見解が発表されることが決まっており、11月の韓国政府の動きに要注目です。
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