仮想通貨取引の承認作業を手伝う報酬として、発行元から仮想通貨がもらえる「マイニング」。
仮想通貨に興味のある方なら一度は聞いたことのある言葉ではないでしょうか?
そして、「聞き覚えのある言葉だけれど実際に行ったことは無い」という方が大半なのではと思います。
確かに、個人でマイニングを行う為にはいくつかのハードルが存在します。
- 膨大な電力
マイニング処理には大量の電力を必要とする為に、効率的なマイニングを実現するには電気料金の安い外国に工場を作る必要があります。
- マイニングに関する知識
一般的な仮想通貨取引に必要なレベル以上の、高度な専門知識が必要となります。
これらの条件を個人が揃えるのはかなり困難と言えるでしょう。
- マイニングの種類や方法といった基本的な知識
- マイニングに伴うハードルに対する解決策
- マイニングに関する情報の集め方
- パソコンを必要としないマイニング方法
目次
マイニング種類について
まずは、マイニングの種類についてご紹介します。
仮想通貨における取引承認方法には、「誰が取引をチェックするのか?」という違いにより「PoW」「PoI」「PoS」といったいくつかの方式が存在します(ちなみに、これらの方式のことをコンセンサス・アルゴリズムと言います)。各方式ごとの仕組みや特徴、そしてそれぞれの方式がどの仮想通貨で採用されているのかについて見ていきましょう。
PoW
1つ目の方式は「PoW(proof of works)」。
この方式は主にビットコインやモナコインで採用されています。
取引検証作業を行うと、その報酬として一定の割合で仮想通貨がもらえるという仕組みです。
この報酬のことを「マイニング報酬」と呼びます。
取引をチェックするのは「マイナー」の方です。
特徴としては、「取引記録の改ざんに強い」という点が挙げられます。PoWでは取引の承認過程で複雑な計算を要求しており、この膨大な計算量がデータの改ざんを防いでいるのです。
しかしその反面、膨大な計算には大量の電力を必要とするのでPoW方式下でのマイニングには大規模な設備が必要とされます。
PoI
2つ目の方式は「POl(proof of importance)」。
これは2018年に話題となったNEM等が採用している方式です。
「重要性の証明」という名称の通り、PoIでは仮想通貨の口座残高や取引回数が多く、そして大量の取引を行っている人ほどメリットが得られる仕組みを整えています。
これらの一定基準を満たす者の中から「ハーべスティング」(PoI方式下でのマイニング)への参加者がランダムで選出され、その方々は取引承認作業を行う対価として手数料報酬を受け取ることが出来る、と言うわけです。
取引は「仮想通貨の流動性アップに貢献した投資家」によってチェックされていると言えるでしょう。
この「ハーべスティング」こそ、PoI最大の特徴と言えます。
「ハーベスティングに参加するには仮想通貨の流動性に貢献しなければいけない」という仕組みを整えることで、「大量の仮想通貨を個人が抱え込むことで貧富差が広がる」という事態が起こることを防いでいます。
PoS
3つ目の方式は「PoS(proof of stake)」。
PoSを採用している仮想通貨の代表的なものが、イーサリアムです。
PoIが「コインの流動性への貢献」を基準としていたのに対し、PoSでは「コインの保有量」が多いほど恩恵を受けられる仕組みとなっています。
取引を行うユーザーのコイン保有量と保有期間に比例してマイニング計算すべき範囲が拡大するので、結果として大量のコインをたくさん保有している人ほど新規コインの獲得が容易になる、というわけです。
特徴としては、PoWと比べて「電気代がかからない」というメリットを備えています。
計算範囲を限定することでPoWほど複雑な計算を必要としない仕組みとなっているのです。
個人のマイニング手法について
それでは次は、個人でマイニングを行う方法について見てみましょう。
大量の電力と専門知識を必要とするとされているマイニングですが、個人用のPCで行う手法もきちんと存在します。
「GPUマイニング」と「CPUマイニング」、2つの手法について解説します。
GPUマイニング
GPUマイニングとは、その名の通りマイニング計算においてGPUを活用する手法のことです。
そもそもGPUとは、元々は3Dグラフィックの描画を行う際に必要な計算を処理する為のチップでした。
より滑らかなCGを作成する用途として使用されていたものですが、この計算能力がマイニングに応用可能だと分かると、一気にGPUマイニングが浸透していったのです。
特に、複数のコインに関するマイニング計算を同時に行える点が、マイナー達に強く支持されました。
CPUマイニング
そして、GPUマイニングが登場する前に主流だったのがこのCPUマイニングです。
CPUとは、コンピューターの中でデータの演算処理を行う装置のことを指します。
仮想通貨が生まれて間もない頃は、マイニングに参加する人は少なくコイン自体の発行可能量にもかなりの余裕がありました。
その為、一般的なコンピューターのCPUを用いたマイニングでも割と簡単に報酬を得ることが可能だったのです。
しかし現在では、仮想通貨の知名度が高まり企業としてマイニングに取り組む様な会社も出てきました。
従来のCPUマイニングでは演算能力で太刀打ち出来ず、計算にかかった電気代の方が高くつくというケースも多いようです。
どうやって情報を得たら良いの?
ここまでマイニングの種類とマイニング手法について解説してきましたが、仮想通貨取引が進むにつれて今後新たなマイニング技術が生まれる可能性も十分考えられます。
そういった最新の情報を含めた、マイニングに関する知識を得るにはどうすれば良いのでしょうか?
最も有効な方法は、マイナーのコミュニティやマイニングに関する情報収集サイトを利用することです。
マイナーの方が個人的に運営しているブログを覗いてみると、マイニング報酬の変更や各マイニング手法の特徴等、マイニングに関する様々な文章が公開されています。
はじめの内は専門用語等に戸惑うかもしれませんが、実際多くのブログがフランクな語り口で書かれているので思った以上に馴染みやすい内容となっていると思います。
他にも、マイニングに関する情報まとめサイトやマイナーの方々が開催しているオフ会に参加してみるのも、有益な情報を得るのに効果的でしょう。
家でも簡単にできるマイニングについて
「マイニングには専用の環境が必要不可欠」、こう考えてはいませんか?
大掛かりな設備がなくとも、自宅で簡単にマイニングが出来る方法をご紹介します。
スマホでできるマイニング
スマホを使って仮想通貨のマイニングが出来ることをご存知ですか?
イギリス発祥のElectroneum(エレクトロニウム)はスマートフォンユーザーを対象とした仮想通貨であり、Androidウォレットを用いてElectroneumをマイニングすることが可能となっています。
また、「minergate」というアプリを用いたマイニングも可能です。
分かりやすい説明付きで、最初に設定を行えば後は自動的にマイニングを行ってくれるのでマイニング初心者にもおススメのアプリとなっています。
ちなみに、この2つはどちらもGoogle Playからダウンロード可能となっています。
PCでできるマイニング
自宅のPCを使ったマイニング方法としては、先ほどご紹介したCPUマイニングやGPUマイニングが挙げられます。
また、「minergate」のアプリはPCにも対応していますので、そちらも試しにやってみてはいかがでしょうか?
PCなどを使用しないマイニング
それでは最後に、PCやスマートフォンを使用しないマイニング手法である、「ハーべスティング」と「クラウドマイニング」についてご紹介します。
ハーベスティング
マイニング手法における「Pol」の項目でも紹介した「ハーベスティング」。
このハーベスティングを行う上でPCは必ずしも必要ではありません。
正確には、PCを起動していなくてもマイニング報酬を受け取ることが出来ます。
現在、ハーベスティングはNEMのマイニングにおいて利用可能となっています。
ほとんど自動的にマイニング報酬を得ることが出来るということもあり、マイナーの方々の間でも注目されています。
興味がある方は一度試してみてはいかがでしょうか?
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