イーサリアムクラシックのハードフォーク&AirDrop情報から見る将来性まとめ



「イーサリアムクラシック」は、仮想通貨「イーサリアム」がハードフォーク(「分裂」の意)することで生まれた新たな仮想通貨です。ビットコインに次ぐ世界第2位の取引量を誇るイーサリアムを基に生まれた点や、その発生経緯等から投資家達の強い関心を集めています。

ハードフォークとは何か?仮想通貨に市場にもたらすメリットとデメリット

2018.04.04

本記事ではこの「イーサリアムクラシック」について、分裂元であるイーサリアムとの関係や、ハードフォーク・AirDropといった今後予想される展開、そして何よりもイーサリアムクラシック自体の将来性といった点をSNS上での評価を交えて詳しくご紹介します。

イーサリアムクラシックの概要について

そもそも、皆さまはイーサリアムクラシックとはどの様な仮想通貨なのかご存知でしょうか?
イーサリアムクラシックの持つ特徴を、その発生経緯を参考に見てみましょう。

イーサリアムからのハードフォークについて

イーサリアムクラシックは、世界トップクラスの取引量を誇る仮想通貨であるイーサリアムがハードフォークすることで生まれました。
そしてこのハードフォークは、とある出来事がきっかけとなって実施されたのです。

その出来事とは、「The DAO事件」です。

「The DAO」とは
仮想通貨を活用して非中央集権型の投資ファンド構築を目指したプロジェクトのことです。

そして、このプロジェクト実現の為に用いられた仮想通貨「DAO」は、イーサリアムのブロックチェーン上に成立していました。

2016年6月、このブロックチェーンがハッキング被害を受けたことでThe DAOのアカウントから約50億円分ものイーサリアムが流出してしまったのです。

イーサリアム側は流出した分の仮想通貨の交換を防ぐ為に、「取引記録をハッキングによる不正送金が実行される以前の状態に遡らせる」という処置を行いました。
これが、イーサリアムがハードフォーク(※)を行った原因です

※ハードフォークとは、仮想通貨に関して旧来のルールと互換性の無い新たなルールを適用すること全般を指します。この意味で、仮想通貨の「分裂」もハードフォークの1つと言えます。

このハードフォークはコミュニティの約9割の人間による支持の下で実行された一方で、「イーサリアムが中央集権的な処置による影響を受けることは容認出来ない」として、取引記録の修正に反対する人々も存在しました。
そして、このハードフォークに反対する人々の手で新たに作られた仮想通貨こそが「イーサリアムクラシック」なのです。

イーサリアムクラシックの特徴まとめ

それでは、イーサリアムクラシックとはどの様な特徴を持つ仮想通貨なのでしょうか?
ビットコインや今回分裂元となったイーサリアムと仮想通貨としての概要を比較した上で、イーサリアムクラシック自体の特徴について整理しておきましょう。

ビットコイン イーサリアム イーサリアムクラシック
発行可能総数 制限あり 無制限 無制限
記録内容 取引内容 取引内容+契約情報 取引内容+契約情報
時価総額 世界1位 世界2位 世界10位
略称 BTC ETH ETC

概要からも分かる通り、イーサリアムクラシックは分裂元となったイーサリアムと同様の特徴を備えていると言えます。具体的な特徴は、以下の通りです。

理論上、発行可能数に制限がない
イーサリアムクラシックはビットコイン等と異なり、設計段階において発行可能数に制限が設けられていません。技術的には、無制限にコインを発行することが可能となっています。

一方で、「無制限に発行出来る仮想通貨に価値はあるのか?」と疑問に思う声が存在するのも確かです。
スマートコントラクトの導入
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン内に「取引内容」と「契約情報」の双方を記録する機能のことです。
イーサリアム及びイーサリアムクラシックではこのスマートコントラクトを導入することで、自動で売買契約の支払いを行うことを実現しています。
安全性・非中央集権性を重視
イーサリアムクラシックが生まれたきっかけがハッキングによる被害の発生であったことから、イーサリアムが元々備えていた安全性をより重視する方針を採っています。

また、DAO事件時のハードフォークの様な多数決による仕様変更を起こさない、仮想通貨本来の非中央集権的な性格の実現を目指しています。

イーサリアムクラシックの歴史をニュースとチャートや価格の関連性から見て見る

イーサリアムクラシックが発行されたのは2016年の7月とごく最近のことですが、翌2017年頃から徐々に世間に広まり、2018年3月時点では時価総額で世界第10位の地位を得るまでになりました

イーサリアムクラシックの発展の歴史を、チャート上の値動きから時系列順にご紹介します。イーサリアムクラシックの価格が大きな変動を見せた、2017年から現在までの大まかな流れを見ていきましょう。

ここで重要なのが、イーサリアムクラシックの価値の推移は、分裂元であり強い関係性を持つイーサリアムのそれと連動する、ということです。なので、イーサリアムに関する動きにも注意して以下のチャートを確認しましょう。

時期 2017年5月22日
価格 9.76ドル→16.38ドル(5月22日→6月24日)
ニュース トヨタ・三菱東京UFJ銀行がEEA(イーサリアム企業連合)への加盟を発表
時期 2017年9月1日
価格 21.72ドル→9.00ドル(9月1日→9月14日)
ニュース 利用者増加による送金詰まりの発生、その結果としての価格の下落
時期 017年12月13日
価格 29.86ドル→43.24ドル(12月13日→12月20日)
ニュース イーサリアムが、USBによるデータ照合への活用を発表
時期 2018年2月1日
価格 27.99ドル→16.46ドル(2018年2月1日→2018年2月8日)
ニュース インド高官による「仮想通貨非合法発言」
イーサリアムクラシックに限らず、仮想通貨全体の価格が下落しました

イーサリアムクラシックが新たにハードフォークを予定

さて、ハードフォークの成立経緯もあって「ハードフォークを行わない非中央集権的な仮想通貨」をモデルとしていたイーサリアムクラシックですが、2018年1月14日にTwitter上で、ハードフォークを行い新たな仮想通貨である「カリスト(Callisto)」を発行する予定であることを発表しました。

なぜイーサリアムクラシックは、方針を転換してハードフォークに乗り出したのでしょうか?
また、この「カリスト」に対して投資家の方々はどの様な反応を示しているのでしょうか?

イーサリアムクラシックからハードフォークして誕生するカリストとは!?

そもそも、今回のハードフォークで誕生する「カリスト」とはどの様な特徴を持つ仮想通貨なのでしょうか?
イーサリアムクラシックとカリストの違いについて、以下にまとめておきます。

  イーサリアムクラシック カリスト
略称 ETC CLO
発行可能数 無制限 制限あり(65億CLO)
時価総額(2018年3月時点) 約9500億円 約76億円
そして、カリストの有する特徴としては次の3点が挙げられます。

スケーラビリティ問題への対応
スケーラビリティ(=「拡張性」)問題とは、ブロックサイズに限界がある為に取引の処理が遅れてしまう、という問題です。

仮想通貨取引では、1つのブロック(取引データを入れておく為のスペース)毎にデータを処理していくのですが、1ブロック当たりに保管できる取引量とブロックサイズには限界があります。その為、どうしても一定の速度以上で取引を処理することが出来ないのです。

カリストでは、イーサリアムクラシックとカリスト2つのブロックチェーンを使用して双方向でのやり取りを行う(この技術を「サイドチェーン」と言います)ことで、取引の拡張性を向上させています。

スマートコントラクトの導入
イーサリアムやイーサリアムクラシックでも導入されていたスマートコントラクトに関しては、カリストでも採用されています。
ステーキングの採用
ステーキングとは、仮想通貨を保有していることで報酬がもらえる機能のことです。

カリストではこのステーキングの一種である「コールド・ステーキング・プロトコル」を導入しており、カリストを1カ月以上保有している人は報酬としてコインを得ることが出来ます。

ハードフォークの際に実施されたAirDrop

カリストでは他の新規仮想通貨と同様に、イーサリアムクラシックからのハードフォークに合わせてAirDropを実施しました。

AirDrop対象となったのは、ETCのブロックサイズが55万に到達した時点でETCウォレットを保有していた方々です。
登録していた取引所の違いによってカリストを受け取るまでの手順が異なったので、以下の表にまとめておきます。

Bitflyerに登録していた方 Bitflyerから現金でETCを購入   ETCをETCウォレットに保管
Bitflyer未登録の方 国内仮想通貨取引所で現金を仮想通貨に交換 交換した仮想通貨でETCを購入 ETCをETCウォレットに保管

AirDropが行われた当時、国内仮想通貨取引所の中で現金をETCに交換できるのはBitflyerのみでした。
その為、この様な手順を踏む必要があったのです。

今回のハードフォークから見るカリストの将来性への期待

それでは、カリストはビットコインやイーサリアムの様に、今後仮想通貨の中心的な役割を果たすことになるのでしょうか?

カリストの特徴紹介の場でもお伝えしましたが、今回実施されたハードフォークの内容は取引の迅速性や安全性の面で優れた技術をいくつも取り入れたものでした。
言うなれば、新しい仮想通貨のモデルケースとも呼べるアップデート内容です。
その誕生にETC開発チームが関わっていることからも、セキュリティ面における信頼性は高いと言えます。

YobitやhitBTC、Cucoinといった海外の取引所への上場も発表されているカリストには、今後その価値が上がっていく可能性が十分にあります。

カリストのSNSでの口コミや反応

このカリストの誕生を、ポジティブに捉えている声も複数見受けられました。

https://twitter.com/5o5ogolem/status/963795609525223425

カリストに対する期待の声は勿論ですが、何よりAioDropによるコインの無料配布の動きを歓迎している方が多い、という印象を受けました。

ハードフォークの理由から見る期待

今回カリストが誕生することになったハードフォークは、「問題点の修正」というより「技術面での改良」という性格の強いものでした。

ETCで好評だったスマートコントラクトや高い安全性を維持しつつ、スケーラビリティ問題の解決やステーキングの導入といった取引の利便性向上に向けた取り組みが新たに盛り込まれました。

ETCが誕生した翌年から人気が高まっていったケースもあることですし、カリストの今後の展望にも期待が持てます。

本記事がETCのハードフォークやカリストについて理解する手助けになれば幸いです。

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