【思考解剖】佐藤航陽を徹底的に見る vol.3



「佐藤航陽(さとうかつあき)」

おそらくこの名前を聞いたことがある人もたくさんいるのではないでしょうか。

若くして世界に進出していった日本が誇る起業家です。

今回のシリーズでは

「お金」「価値主義」「世の中の仕組み」「経済システム」「時間」「仮想地球」「未来予測」

この7項目から佐藤さんがなにを考え、どのように感じているのかを徹底的に見ていきたいと思います。

この中から最終回は、「時間」「仮想地球」「未来予測」をテーマに考察していきたいと思います。

なお、今回参考にさせていただいた佐藤さんのブログのURLは記事下に掲載させて戴いますので、そちらのほうも併せてご覧ください。

1回と2回はこちらから。

【思考解剖】佐藤航陽を徹底的に見る vol.1

2019.01.22

佐藤航陽と時間

まず紹介するのは、佐藤航陽と「時間」

3つのパターンにおける問題点で、時間を使ってどう展開していくことができるのかを考えていきます。

もし「時間」のあり方を変えることができたらこうなるのではないか?というアプローチをしていきます。

個人が主役となる経済

昔と比べて、個人が会社に属さなくてもお金を稼ぐことができるようになる時代になりました。

しかし実際に生計を立てられるのはその中の一握りでしょう。

では、個人と企業にある違いとはなんでしょうか?明確な違いは、「資産」を持っているかどうかです。

安定した収入を上げながら、個人は資産を築いていかなければなりません。

そこで個人は、自分の持ちうる時間を資産として機能させることで、企業と同様の経済活動を行うことができるのです。

いずれ時間が資産として扱われるようになれば、時間をもっているだけで不労所得を得られることも可能になるでしょう。

時間を通貨とする経済

通貨として成り立つには、その裏付けが必要になります。少し前の通貨の裏付けにあったのは、金でした。現在は、国というものが裏付けになっているケースがほとんどでしょう。

しかし近年インターネットが普及したことによって、時間であったり、空間であったり、目に見えないものでもデータとして扱うことができるようになりました。

つまり、それら見えないものでも、通貨としての裏付けをとることが可能になりつつあるのです。

実際に時間を財産として扱うことを考えてみましょう。

時間は常に流れていくので、時間がたつにつれて時間は無くなっていくと考えられます。つまり資産が減少し続けているのです。

そんなときなにを思うのでしょうか?私だったら、時間があるうちに行動したい!と思うはずです。

時間を通貨とした場合、若者がより努力するようになるいい時代かもしれませんね。

経済を選べる時代

テクノロジーによって、手段が多様化したことは1回と2回で解説しました。

ここで考えたいのは、経済システムの優劣をつけることの必要性です。

手段が多様化する以前、仮にお金だけが価値の媒介手段だとすると、ほかのものを選択することは必然的にできなかったのです。

全員がその枠組みの中で生きなければいけなかったのです。

しかし、テクノロジーが発達したことによって、手段の多様化が起き、選択肢が莫大になります。

その選択肢の中で優劣をつける必要はなくなり、個人にあっていると思うところを選択する、そんなシンプルな経済になるのです。

時間という目に見えなくても確かにそこに存在しているもの。

それを新しい経済の構成要素に取り入れようとする佐藤さん。

手段の多様化を実際に行おうとするその姿勢は見習うものがあり、これからの社会の生き方を示してくれているようにも感じました。

佐藤航陽と仮想地球

次に紹介するのは、佐藤航陽と「仮想地球」

この仮想地球は、佐藤さんが個人で発表したEXAというプロジェクトで出てくる概念です。

どういった経緯で仮想地球を作ろうと思ったのか、仮想地球ではなにができるのか、これからの仮想地球の構想を見ていきます。

すでにCoininfoの記事でも取り上げているので、こちらもどうぞ。

現実地球とは真逆の地球を作る?仮想地球EXAをわかりやすく解説

2018.10.31

仮想地球の着想

仮想地球の着想の元にあるのは、佐藤さんが世界中の格差をなくしたいと思っていたことです。

しかし、現実世界の格差をなくすことは自然の原理から不可能です。それは、前回話したように動的なネットワークでは必ず偏りが生まれてしまうからです。

ここで考えられたのが現実世界と全く逆相関のある世界を作り上げることでした。

仮に現実世界を正の世界だとしたら、負の世界をテクノロジーによって生み出すことで、社会全体を見たときに格差をなくすことができるのです。

これは、テクノロジーによって手段が多様になったことで可能になったのです。

わざわざ地球をモデルにしようと考えた理由は、佐藤さんが宇宙関連に事業に関心があったからです。

格差を埋めることはできないから、複数の世界の平均をとったときに格差がない状態にしたらいいという一種のポジティブな諦めから生まれた発想だったのです。

仮想地球の可能性

このEXAプロジェクトは、ブロックチェーン技術を使用しているので、マイニングが必要です。マイニングについては以下の記事をご覧になってください。

ビット編集長の初心者まるわかり講座 #07「PoWって?」

2018.11.30

EXAのマイニングには特別な機械やPCは必要ありません。複雑な計算を要さないのです。

10分に一度ランダムにマイニングが行われて、当選したらトークンがもらえるという仕組みです。

そして最も特徴的なのが、その当選確率をユーザーの位置情報によって変化させるというものです。現実世界の発展度と逆相関させることで、現実世界のチャンスをもらえる機会がなかった人たちによりあたる確率が高くなるように設計してあるのです。

ここで重要になってくるのが位置情報によってそれを判断するということです。

位置情報を頼りに、その場所にいるだけでマイニングが完了するような仕組みになっています。また、位置情報が正しいかどうかを判断することが最も難しく、最大の課題となりそうです。

現在考えられているのが、Bluetoothを常時起動しておき、お互いにそこにいることを確認しあうことで、ちゃんとその場所にいるかどうか証明するという方法です。承認者同士が虚偽の報告を行うことも考えられるので、サクラのような監視員も社会の中に紛れ込ませる必要性があります。

ビットコインのマイニングと大きく違うのは、マイニングにかかるコストの種類です。

ビットコインのマイニングにかかるコストは、マイニング機器の初期投資費用、それらを動かす莫大な電気料です。

しかしEXAで必要なのは、移動費と宿泊費です。

たくさんのトークンを得るためには、より現実世界で盛り上がりを見せているところではないところに行かなければなりません。

その場所に行くこと、その場所に滞在することにコストがかかるのです。

しかしそれによりトークンがたくさんもらえる地では観光や宿泊業が盛り上がりを見せ、地方の活性化にもつながります。

【下町ロケット】からトークンエコノミーの可能性を感じた瞬間

2018.12.22

仮想地球の未来

これからの仮想地球を考えると、やはり見据えるのは宇宙です。あくまでも地球は宇宙を構成する1要素にすぎません。

火星や月にもマイニングをしに行けるようになったら、今度は宇宙業界に資金が回り始めるのです。これからの可能性を考えたときに、地球だけにとどまらないプロジェクトになるのです。

本質を突き詰めていった中に、宇宙というものが作り上げることのできるものではないか、ということに行きつきます。経済は自然の原理で成り立っています。

自然を模倣して経済を作り上げることができたのであれば、宇宙を模倣して地球を作ることは可能ということになります。地球を作り上げた先に見えるのは、宇宙の原理なのではないでしょうか?

佐藤航陽と未来予測

長きにわたった今回のシリーズ、ラストを締めくくるのは佐藤航陽と「未来予測」

これからの時代をブロックチェーンと仮想空間の視点から考察していきます。

ブロックチェーンと未来

2018年、仮想通貨界は静かに盛り上がりをフェードアウトしていきました。

価格の下落による投資界隈からの離脱、この連鎖によって価格は2017年末の1/4程度にまで落ち着いてきました。

しかし、価格が重要なのではありません。仮想通貨の本質はそこにはないのです。

【GAFA】分散化する仮想通貨の今後を考察。一極化する未来はあるのか

2019.01.15

それを下支えする技術がブロックチェーンです。2020年までにブロックチェーンがどの産業にも応用可能になってくると佐藤さんは述べています。

そしてブロックチェーンによって成立するのがトークンエコノミーでしょう。

佐藤さんは「トークンエコノミーの役割は国家にできないことを埋めることである」としています。

国家によって提供可能なことはわざわざトークンエコノミーにする必要はないのです。できないことをトークンエコノミーによって解決していく。そんな存在になっていくのがベストなのではないでしょうか。

そしてブロックチェーンが広がりを見せるのはやはり発展途上国です。

既存のインフラが確立していない地で、完全に新しいシステムを構築していく。そんなときにブロックチェーンは大きく成長していくのではと考えいます。

日本での仮想通貨実用化への道を追う

2018.11.29

仮想空間と未来

VR技術の発展により、仮想空間がより現実のものとなってきました。

これからの時代を見据えたときに、物理的に月や火星に移住するということも考えられる中、佐藤さんは仮想空間が次なる場所になると考えています。

仮想空間内で独自の経済圏を作り上げることができるようになり、多様なコミュニティが急速に誕生していくと考えられます。

経済というものが物理的に測れないと考えたときに、この仮想空間が物理的に存在しないことによって、メインの居場所になりえないと否定することは間違っていると思います。

新しいコミュニティ形成として仮想空間やブロックチェーンを応用した技術が台頭してくることでしょう。

いつかここが現実なのか仮想空間なのかわからなくなるときかきます。

もしかしたら今の世界も仮想空間だったりして。

【コミュニティの形】VRで未来を描こう

2019.01.16

佐藤航陽とvol.3をまとめる

今回のシリーズでは、佐藤航陽さんのブログや記事をもとに、佐藤さんの考えを紹介していきました。

このシリーズを書くにあたってたくさんの佐藤さんの考えを見てきましたが、その一貫性のすごさ、その論の転用の仕方、未来への想像力の豊かさ、どれも素晴らしいものだと感じました。

これからの社会を見据えるうえで佐藤さんの動向に目が離せません。

いつか一緒にお仕事もできたらいいなと思います。

1と2も併せて公開しているので、ぜひご覧になってください!

【思考解剖】佐藤航陽を徹底的に見る vol.1

2019.01.22

【思考解剖】佐藤航陽を徹底的に見る vol.2

2019.01.22

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