インターネット無しで仮想通貨を送金することができればどれだけ便利か考えたことはありますでしょうか。
仮想通貨の登場により、個人間での送金がより容易に、低価格になっていくことが期待できます。
少しずつではありますが、日本国内でも仮想通貨で買い物ができる企業なども増加しており、仮想通貨の価値は年々上昇しています。
しかし、仮想通貨を利用するためにはインターネットの利用が必要不可欠です。送金や受け取りを行うためにはPCやスマートフォンを使用し、インターネット上で取引所にアクセスする必要があるのです。
今回はそんな問題をすべて解決する画期的なシステムが発表されましたので、今回はその仕組みについてご紹介します。
目次
Cointext(コインテキスト)について概要
Cointext社が、ケータイに備えられているSMS(ショート メッセージ サービス)の機能を利用してBCH(ビットコインキャッシュ)を送金できる技術を開発しました。
参照:https://news.bitcoin.com/
この技術を利用したサービスのベータ版が2018年3月27日に開始となりました。
現在ではノキア製の携帯電話のSMSにてBCHを送金することが可能になっています。
現在このベータ版が利用できる国はアメリカ、カナダ、南アフリカ、スイス、スウェーデン、オランダ、イギリスの7か国となっています。
このサービスでは、自身の携帯電話番号とウォレットが紐づけされるようになっており、送信したいBCHの金額と、送信先にあたる電話番号を入力するだけで簡単に送金できるようになっています。
例えば、「Sent 1ドル 電話番号」と送信すると、入力した電話番号あてに1ドル分のビットコインキャッシュが振り込まれるようになっています。
Cointext(コインテキスト)のミッション
Cointextが目指すのは、SMSウォレットを通して10億人のビットコインユーザーに送金サービスを提供することであるとしています。
これは開発当初のビットコインが目指していた理念と全く同じものです。
SMSというどのような携帯電話にも搭載されているサービスを利用することで暗号通貨に関する詳しい知識がなくても手軽に利用できることを目指しています。
共同経営者であるVin Armani氏はSMSを利用した送金方法が最も強力な(BCHの)普及方法であると語っています。
実際、ケニアで使われているM-PESAでも成功事例があるので、Cointextのシステムも普及していくと考えられます。(後述)
現在はアメリカやイギリスをはじめとした7か国にてこのベータ版サービスが始まっていますが、それはすでにBCHの多く保有している国に絞ってサービス開始をすることでスムーズに利用者を増やすことが目的となっており、2018年中旬あたりから日本でもサービスを開始することが目標とされているようです。
Cointext(コインテキスト)を使用することのメリット
Cointext最大のメリットはガラケーさえ保有していれば自由に送金、受け取りが簡単にできる点にあります。そのため、銀行口座やインターネットに接続する手段をを持たない人々であっても仮想通貨を利用することができるのです。
銀行を持たないアンバンクドユーザー向けに開発されたOmiseGoはこちらの記事で
現在世界での携帯電話保有率は、スマホとガラゲー合わせてほぼ100%近くなっています。
SMSはどちらの端末でも利用できますので、世界中の人々が簡単にCointextを導入、利用できるということです。
世界での携帯電話保有率をまとめた表はこちら。先進国、発展途上国関わらず、携帯電話をほぼすべての人が保有していることがわかります。
その一方で、発展途上国では携帯電話(いわゆるガラゲー)を持っていても、スマートフォンを保有していない割合が高くなっています。
一例として、アジアの発展途上国を例に挙げるとスマホを保有しているのは平均して30%程度であり、残りの70%はガラゲーを所持しているということになります。
Cointext(コインテキスト)以外の方法
M-PESA
Cointextに似たサービスとして、ケニアのM-PESA(エムペサ)というものがあります。
Mはモバイル、PESAはスワヒリ語でお金を意味しています。
このサービスもCointext同様携帯電話を使って送金できるサービスであり、送金、引き出し、通話料の購入、銀行口座の開設、支払いや決済を行うことが可能です。
5分で口座を開設できるほか、送金も数秒で完了するようになっています。
携帯電話の回線を使用するため、インターネット回線は利用しません。
M-PESAを購入するためには、M-PESAを導入しているエージェントから現金で購入する形で入金します。
日本でいうところのItuneカードのような感じで、プリペイド感覚で購入できます。
- 口座開設が簡単
- ケニア人口の70%が利用しており、都心部農村部ともに利用可能
- 手数料は最大で10%
- M-PESAの購入方法はプリペイド方式のみ(ネットで買えないのでインターネットを利用できる人にとっては不便)
- M-PESA口座を開設するためには身分証明書が必要
- Safaricom(M-PESAを提供するケニアの通信会社)以外の通信回線では利用できない
Cointext(コインテキスト)とM-PESAとの違いは
M-PESAはSafaricomがないと使えないのでケニアでしか使えない
Cointextは導入国なら国際送金も可能になるため
途上国同士の送金も途上国と先進国の送金も携帯電話一つで可能になる。
それでは、CointextとM-PESAの違いはどのようなものなのでしょうか。
この2つのサービスの最も大きな相違点は規模の違いになります。
どのような携帯電話であってもSMSが利用できれば送金が可能なCointextに対して、M-PESAはSafaricomが提供している通信回線以外では利用できないようになっています。
そのため、Safaricomではケニア以外の国では送金できないことになりますが、Cointextであれば導入国すべての国に簡単に送金することが可能です。
つまり、発展途上国同士や先進国同士、先進国と発展途上国への送金などもできるようになります。
現在では実用段階に至っていませんが、数年後には当たり前に使われるようになるかもしれませんね。
銀行口座やインターネットなしでの送金を可能にするCointext(コインテキスト)とは?のまとめ
普及にはまだまだ時間がかかると考えられているCointextではありますが、2018年末までに54か国の導入を目指しているほか、ATMを使ったBCHの購入や、BCHを利用した出金ができるように開発を進めているなど、かなり早いスピードで展開されるようです。
Cointextを利用することでビットコインを始めとした仮想通貨が目指していた「送金が簡単に、安い手数料でできる」という未来がそう遠くないうちに実現されることとなりそうですね。
ロードマップによると、2018年半ば以降からはCointextで日本円が追加される予定である他、追加後は日本語にも対応できるようになるようです。
日本円対応することで、今まで以上にお手軽に送金ができるようになりそうですね。
日本での実装はまだではありますが、事前予約なども始まっています。興味のある方は是非チェックされてみてはいかがでしょうか。
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