アリババ子会社のAnt Financial(アントファイナンシャル)は、ブロックチェーンのバックエンド機能を提供するサービス(BaaS:Backend as a Service)を開始しました。
現地のCHINA MONEY NETWORKが21日に報じました。
Ant Financial Technology officially launched to help financial institutions with next generation #financialintelligence, #financialsecurity tech, #blockchaintechnology applications, and more. https://t.co/wHHyaz6Qoo pic.twitter.com/IdyHsKgYwr
— Ant Financial (@AntFinancial) September 20, 2018
アントファイナンシャルのジャン・グオフェイ(Jiang Guofei)副社長が、21日に中国・杭州で開催されたアント・テクノロジー・エクスプローラ・カンファレンス(ATEC)で、BaaSプラットフォームを開始することを発表しました。
BaaSの提供により、中小企業がブロックチェーンを実装すること、ブロックチェーンを導入することが可能になります。
本記事では、アリババがブロックチェーンにかける期待を過去のニュースからまとめて解説していきます。
目次
アリババが取り組むブロックチェーン事業の全貌を解説する
アリババとはどんな企業か
アリババ(Alibaba)は中国最大のIT企業で、240余りの国家・地域において5000万人以上の会員を保有しています。
中国版AmazonのECサイト「淘宝網 (Taobao.com)」、中国版Googleの検索サイト「Yahoo!中国雅虎」、日本でのLine Payや楽天Payのような電子決済サービス「アリペイ (Alipay)」などを展開している世界的大企業です(引用:Alibaba公式HP)。
アリババ子会社のアントファイナンシャルは、世界最大のモバイル・オンライン決済プラットフォームであるAlipay(アリペイ)を提供しています。
アリババグループがIBMを抜きブロックチェーンの特許数で世界一になる
2018年8月31日に報告されたiPR Dailyの調査によると、アリババはアメリカのIBMを抜き、ブロックチェーン関連特許数で世界1位であることが発表されました。
アリババとIBMの2社はブロックチェーンに関する多くの特許を申請しています。
最も多く申請しているのが申請数90個で「アリババ」、2位が89個で「IBM」、3位が80個でクレジットカード会社「マスターカード」、4位が53個でアメリカの銀行「バンク・オブ・アメリカ」の順です。
日本の関連企業では、ソニーが23件で26位、富士通も46位にランクインしています。
アリババが提供するブロックチェーン事業の具体例とは何か
アリババが提供する具体的なブロックチェーン事業をご紹介していきます。
一つ目は冒頭で触れた中小企業へブロックチェーンのバックエンド機能を提供するサービス(BaaS:Backend as a Service)です。
BaaSの提供により、中小企業がブロックチェーンを実装すること、ブロックチェーンを導入することが可能になります。
この流れの一つとして、アリババの子会社であるアントファイナンシャルは6月に、ブロックチェーンを活用した国際送金の試験を実施しています。
香港からフィリピンに国際送金を行い、約3秒で取引を完了させていました。
二つ目は、ブロックチェーンを利用した食品偽装の防止、また消費者向けに食品の品質を保証するプロジェクトです。
アリババのECサービス「天猫(Tmall)」においてブロックチェーンを導入し、越境輸入品の物流情報の追跡管理をし、不正輸入・偽装品輸入の防止を目指すことが目的です(参照:tech.huanqiu.com)。
アリババ創業者ジャック・マー氏が期待するブロックチェーンが作る社会とは何か
アリババの創業者、ジャック・マー氏は、「よりグリーンに、より多くの人を巻き込む」社会にするためには、ブロックチェーンをはじめとする技術は進化しなければならないと発言しました。
2018年9月17日にcnBetaが報じています。
ブロックチェーンとIoTは、製造業界の変革を促し、『よりグリーンで、より多くの人を巻き込む』社会に貢献できない限り、無意味である
ブロックチェーンなきアリババは死ぬ
マー氏はブロックチェーンに対して金融業界のみならずあらゆる業界での活用を期待しています。
過去には「ブロックチェーン無きアリババは死ぬ(没有区块链的阿里巴巴,会死的)と発言しており、ブロックチェーンを主軸に今後アリババが事業展開していくことが予想できます(参照:金色财经)。
現在はアリババの会長職を辞めたマー氏ですが、マー氏の考えは今後のアリババの動向、また世界に大きな影響を与えていきます。
今後ともアリババの動向、ジャック・マー氏の発言から目が離せません。
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