NewsPicksにて、「”体温”のある経済競争」特集をしています。
体温のある経済競争とは、「体温」という抽象度の高い尺度が新しい価値につながり、どのように体温をあげてくのか、そんな競争のことを表しています。
発明が起きるたびに人々は新しい世界に魅了されていきました。
たとえば言葉。最古であり最強のコミュニケーションツールとして今も君臨し続ける言葉は、その誕生とともに感情の伝達ができるようになりました。
望遠鏡の発明から宇宙へ。顕微鏡の発明からミクロの世界へ。
そして2009年。ビットコインの発明。中央集権の世の中から非中央集権へ。「お金」では測れない価値を見出そうとしているのです。
今回は、特集の中から「共感経済」という言葉を取り上げ、私たちが考えるトークンエコノミーの世界とのつながりを見ていきたいと思います。
共感経済とは?
まずは、実際の記事の内容をかいつまんで紹介していきたいと思います。
共感経済の記事はこちら。
あたらしい経済の形
まずは共感経済とはどう言ったモノなのかを紹介していきます。
今までの社会では、お金という尺度で物事の価値を測っていました。裏を返して言うと、お金への換算ができないものに対しては価値をつけてこなかった社会です。
その例に挙げられるのが、「感情」や誰かからの「評価」です。それらの要素はインターネットが普及してきたことによって注目されるようになりました。
わかりやすい例でいうと、クラウドファンディング。一昔前までは、なにかをしたいと思ったときにお金がなかったら諦めなければなりませんでした。しかしクラウドファンディングによって、個人が本当になにをしたいのかを伝えることによって、よりたくさんの人からお金を集めることが可能になりました。
これはインターネットの力によって、投資する側もされる側も感情に価値を見出しているのです。
このように、お金ではなく、感情に基準を置く新しい経済の形のことを共感経済と言います。
共感と共犯
共感経済では、「お金がないからなにかをすることができない」ということはかなり少なくなるでしょう。なぜなら、共感によって資金集めをすることが容易になっているためです。
しかし共感経済の提唱者である家入一真さんは、共感だけでは足りないとしています。
重要なのは「共犯」させるものである、と。
記事中に載っている例をそのまま使います。
そのプロジェクトに対してたくさんの共感は集まっていたのだと思いますが、そのプロジェクトにはリターンがついていて、そのリターンがあったから応募したという人が多数いました。
そのリターンとは「土壁を塗る権利を譲渡する」というものでした。カフェを作るというプロジェクトに共感するだけでなく、実際に自分も参加する、共犯になるということが大きな要因だったことがわかります。
今までは何かをすることでお金を「得ていた」が、時代は変わり、なにかをすることにお金を「払う」ようになりました。ジムに行って運動をするのと同じだと思います。
個人が「何かをする」ということ、すなわち個人の経験に価値がある時代にかわってきたのです。
地方創生から見た共感経済
人口減少が問題となっている現代の日本。最も顕著なのは地方都市であることは自明だと思います。
都会のほうが仕事もたくさんあるし、たくさん人もいる。それに憧れて地方から人が流れ、その人たちが働いて税金を都会に納め、都会派潤い、、、
この循環により地方から人がどんどんいなくなっているのが現状です。
しかし、地方でしかできないこともたくさんあるはずです。インターネットが普及してきたこの時代だからこそ、仕事や人を共感させて地方に還元させることが可能になります。
共感経済とトークンエコノミー
共感経済の考えをここまで見てきました。ここからはトークンエコノミーとのかかわりを見ていきましょう。
トークンエコノミー
共感経済は、共感や信頼関係をベースに営まれる経済という風に紹介しました。この考えはトークンエコノミーの中に含まれます。
トークンエコノミーは、法定通貨のような権力のある誰かが決めた尺度で成り立つ経済ではなく、トークンのような不特定多数の人物によって価値を決められるものによって成り立つ経済のことを言います。
共感経済がトークンエコノミーの中に含まれるというのは、トークンエコノミーがより広く価値を決めるということを定義していますが、共感経済では、その価値の決め方を共感というより狭い尺度で定義しているからです。
共感経済においては、共感によって価値をつけていきます。より共感の集まったものが価値があるとされます。
そして共感の集まるものは一つではなく、社会のさまざまな場面で生まれます。それらの共感が集まり、価値があるとされたものが互いに歯車的にかみ合うことでそれらはシナジーを起こし、社会に対してより意味のあるものを生み出していきます。
交換関係と共感経済
生物はより多くのものと交換関係にあるほうが生存しやすいとされています。そこに当てはまるのが人間です。
それと同時に、共感するということも人間にしかできないのではないかと思います。実際にほかの種類の動物になったことがないからわかりませんが。
共感するという状態も一種の交換になるのではないでしょうか?互いの感情をさらけ出し、その感情を交換し、いいと思ったから発信しなおし、初めて共感になります。見事な交換関係にあります。
人類が生物としてこれからも発展をし続けていくには、ここまで話したようにたくさんの交換関係を持たなければなりません。それはトークンエコノミーが成立することによってしか、なしえることはできません。
その方法の一つに共感経済があり、人々はもっと共感するようになっていくのです。
共感経済をまとめる
今回の記事では、共感経済の説明をしたあとに、トークエコノミーとの関連性を見てきました。
トークンエコノミーの中に共感経済が存在します。共感経済はすでに、クラウドファンディングという形によって完成が近づいてきています。
それと類似して言えるのがICO。いまだに法規制が整っておらず、詐欺まがいのものが多いですが、トークンエコノミーのきっかけは必ずICOから始まります。
まずは共感経済が成立し、ほかの尺度で価値を決めるものも誕生し、最終的にはトークンエコノミーが成立しているという未来がいまこの瞬間見えました。
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