インド国内では、世界各国と同様に仮想通貨の認知度が向上し、保有者も増えてきています。
その一方で、インドでは仮想通貨の規制が進んでいます。
インドの中央銀行であるインド連邦準備銀行(RBI)は2018年7月、国内での金融に悪影響を及ぼしかねない仮想通貨を懸念して、最高裁に仮想通貨の規制を進言しました。
中央銀行が中心となって厳しい規制を仮想通貨に課しているインド。
本記事では、仮想通貨を普及させようとする開拓者とそれを阻止しようとするインド国内の動きを解説していきます。
まずは、インドの詳しい仮想通貨事情はこちらの記事をご覧になってから、本記事を読みすすめてください。
目次
インドで仮想通貨ATMが設置され、即撤去される
インドでの厳しい規制を具体的な事例を紹介しながら、解説していきます。
インドで初の仮想通貨ATMが設置される
インドの仮想通貨取引所ウノコイン(Unocoin)が、インドで初めて仮想通貨ATMを設置したことを、THE TIMES OF INDIAが10月20日に伝えました。
インド連邦準備銀行は2018年2月、市中銀行に対し、仮想通貨関連企業へのサービス提供を禁止していました。
この規制に対応するため、仮想通貨ATMにはデビットカード、クレジットカードの挿入が無効になっていました。
ウノコインCEOのSathvik Viswanath氏は以下のように発言しています。
我々には130万人の顧客基盤があり、仮想通貨禁止令の痛みを和らげられれば良いと思う。財務大臣は仮想通貨は合法通貨ではないと言った。しかし、違法通貨であるとは言わなかった。これは大きな違いだ。これが意味するのは、自分の投資に責任を負い、業界には規制が存在しないということだけだ。
取り扱い通貨はビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)など30種ほどとされていました。
インドで仮想通貨ATMを設置した人が逮捕される
インドで初めて仮想通貨ATMを商業施設に設置した仮想通貨取引所ウノコインの共同創業者が10月22日に逮捕されたことをTHE TIMES OF INDIAが伝えています。
仮想通貨ATMはテスト段階にあり、実際にはまだ稼働していませんでした。現在は設置場所からATMが撤去されています。
アルン・ジャイトレイ財務大臣は2018-19予算演説で仮想通貨について以下のように発言していました。
政府は仮想通貨を合法通貨とは考えていない。非合法活動に資金を与える暗号資産の利用を取り締まっていく。
インド最高裁が政府に仮想通貨への公式見解を要求する
インド最高裁は、仮想通貨に対する方針を2週間以内に公表するようインド中央政府に要請しました。10月26日にCCNが報道しています。
先にも説明したように、アルン・ジャイトレイ財務大臣は2018-19予算演説で「政府は仮想通貨を合法通貨とは考えていない」と発言していましたが、仮想通貨が違法と明言しておらず、仮想通貨に対する政府の公式見解は明らかになっていません。
最高裁には、仮想通貨取引所や仮想通貨コミュニティのメンバーが仮想通貨禁止を撤回するよう求める嘆願書が多数送られているとのことです。
このような状況から、インド最高裁は政府に対し、2週間の期限内に公式な立場を明らかにするように要求しています。
インドの仮想通貨への見解をまとめる
インドは中央銀行が中心となって、仮想通貨の厳しい規制を進めています。
現段階では、暴走ともとれる規制のやり方で、力づくで仮想通貨を抑え込もうとしています。
まずは政府の公式見解が待たれますが、統制なき規制は誤った方向に進む可能性が高いです。
規制をするにしても、取引所や仮想通貨関連業者との双方向性のコミュニケーションが大切になります。
日本の仮想通貨の規制はこの点においては、進んでいるといえます。
日本の規制の詳しい解説記事は後日公開予定ですので、楽しみにしていてください。
コメントを残す