10月14日から19日にかけて、マネーロンダリング防止やテロ資金対策の国際的な規制基準を設定するFATF(ファトフ)が主催する「FATF WEEK」が開催されました。
イベント閉幕後の19日、FATF Recommendations(FATF勧告)に仮想通貨の要項が新しく盛り込まれました。
FATFの声明では、来年の6月までに最初の国際的な仮想通貨規制ルールを決める方針であることを明らかにしています。
引用:コトバンク
目次
FATFが仮想通貨規制の国際ルールを決める
マネーロンダリングやテロ資金対策などで国際的な協力を推進するFATFは、来年の6月までに最初の国際的な仮想通貨規制ルールを決める方針であることを明らかにしました。
FATF勧告は、参加国に遵守義務が生まれることから、今まで不明瞭だった仮想通貨に関する規制基準の明確化へ一歩前進した形となります。
7月に開かれたG20以降、世界の仮想通貨規制の方向性を左右する今回のFATFは注目を集めていました。
FATFによる国際的な仮想通貨の規制ルールとは?
FATFは、仮想通貨のマネーロンダリングやテロ対策などのために、世界中の規制当局にライセンス発行を求める予定です。
ライセンスを発行しなければいけないのは、「仮想通貨取引所」「仮想通貨ウォレットの提供者」「ICOの発行者」です。
また、各国の規制状況を定期的に調査し、規制が不十分な国はFATFのブラックリストに追加されるとのことです。ブラックリストの追加により、世界の金融システムへのアクセス権が制限されます。
FATFが仮想通貨を定義する
FATF勧告では「仮想通貨(Virtual Currency)」を「デジタル的に表された価値で、交換、送金、売買、また投資を目的として使えるもの」と定義しています。
今回の改定で「投資」を目的として使われるという文言が追加されました。
なお、国が発行する「法定通貨をデジタル化」したものは仮想通貨には含まれません。
FATFが仮想通貨サービス提供者を定義する
FATF勧告では「仮想通貨サービス提供者」を以下の5つの分野に関わるものとしています。
- 仮想通貨と法定通貨間の取引
- 仮想通貨間の取引
- 仮想通貨の送金
- 仮想通貨または仮想通貨の管理を可能にする証券の保管・管理
- 発行体による仮想通貨のオファー・販売に関連する金融サービスへの参加と提供
FATF勧告で仮想通貨の規制ルールはどう変わるか?
今回のFATF勧告の改定によって、仮想通貨の規制ルールがより明確になりました。
まず一つは規制の対象者が明確になりました。
規制の対象者は「仮想通貨取引所」「仮想通貨ウォレットの提供者」「ICOの発行者」です。
もう一つは規制内容が明確になることです。
FATFは各国の規制当局にライセンス発行を求めることを発表しました。さらに規制を十分に行えていない国を世界の金融システムから追い出すことも明らかにしています。マネーロンダリング対策などの具体的な規制内容については、2019年6月をめどに発表される予定です。
FATFの規制によって仮想通貨界はどう動いていくか?
今回のFATF勧告の改定によって、世界中の国々が仮想通貨の具体的な規制にむけて動き出すことが予測されます。それに伴い、仮想通貨関連企業も規制の動向を追いながら、対処が求められることになります。
FATFは、2019年6月に具体的な仮想通貨の規制ルールを明らかにする予定です。
そのため2019年6月は仮想通貨界にとって大きなターニングポイントになることが予測されます。
また、2018年11月29日にはアルゼンチンのブエノスアイレスでG20財務大臣会議が開かれます。今回のFATFの改定を受けて、11月のG20でも仮想通貨への何かしらの対処が発表される可能性があります。
世界機関、各国の動きに注目しつつ、これからどのような世界になっていくのかを考える必要があります。
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