2018年は企業の仮想通貨参入元年とも言われており、仮想通貨に参入する企業が増えています。
なぜ参入する企業が増えているかというとその理由のひとつとしては、今後間違いなく成長市場になると考えているからでしょう。
今後、大手企業が参入することによって、仮想通貨業界がどのようになっていくのかを参入企業情報から読み解いていきましょう。
仮想通貨への参入はいろいろありますが、大きく分けて4つにわけられます。
- マイニング事業に参入した企業
- 自社システムにブロックチェーン技術を導入した企業
- 取引所事業に参入した企業
- ICOした企業
目次
マイニング事業に参入した企業
マイニングの事業には大手企業が続々と参入しています。
- GMOインターネット
- DMM.com
この2つの企業がマイニング事業に参入した企業です。
マイニング事業とはどのような事業なのでしょうか?
マイニングはビットコインの取引を行うときに不正がないかどうかを照合するために必ず必要な作業です。
一番に照合できた人に報酬が入るようになっていて、照合するためには膨大な処理が必要です。
マイニング事業は誰でも参加できますが、マイニング事業の競争は激化しており、今ではマイニング事業は個人よりは企業が中心になって展開されています。
それではマイニング事業に参入した企業を詳しく紹介します。
インターネットビジネスの大手で知られるGMOインターネットは17年12月に欧州法人を通じてマイニング事業を開始
マイニング事業は中国が台頭していましたが、近年中国の仮想通貨の規制により、中国ではマイニング事業を行うことが難しくなってきています。
パソコンで24時間処理をすると、高熱になってしまうので、冷却することも必須です。
ですから、マイニング事業を行っている企業はこぞって気温の低い地域、北欧に進出しています。
GMOインターネットが欧米法人からマイニング事業を開始したのは、地理的な事情があると考えられます。
DMM.comもマイニング事業に参入
マイニングのためにマイニングマシンをたくさん設置した大型施設のことをマイニングファームといいますが、DMMは1000台規模のマシンが稼働している大規模なマイニングファームでマイニング事業を行っています。
場所は海外ではなく、日本の石川県金沢市です。
2018年3月からはマイニングファームをショールーム化して、業界関係者や一般の人でも見学できるようにする予定ということです。
マイニングしている通貨はビットコイン、ライトコイン、イーサリアムなどのコインを採掘しているということです。
IT系金融企業最大手のSBIホールディングスも仮想通貨の事業に参入
2017年8月にSBI Cryptoを設立し、マイニング事業を開始しています。
マイニングのコインはビットコインキャッシュをマイニングしているとのことです。
自社システムにブロックチェーン技術を導入した企業
ブロックチェーンの技術はビットコインで使われているだけでなく、ブロックチェーンの技術を企業ですでに導入しているところもあります。
自社システムにブロックチェーン技術を導入した企業はこちらです。
- 三菱東京UFJ銀行
- ジャパンネット銀行、富士通
- ビル・ゲイツ財団
三菱東京UFJ銀行は独自の通貨「MUFGコイン」の試験導入を開始
スマホのアプリ上で1円=1コインで交換することができたり、コインを個人同士で送金することもできます。
将来は一般向けにも提供できることを想定しています。
ジャパンネット銀行と富士通が連携してブロックチェーンを使った実証実験を開始
実験の内容はブロックチェーンの分散型台帳を使って、契約書を閲覧や編集を行ったり、承認の履歴が確認できるかを検証します。
通常ではメールや文書で契約書をやり取りしていますが、ブロックチェーンは改ざんが難しいという特徴があり、ブロックチェーンの技術を使うことによってシステム上で共有できるので、作業を進めやすいというメリットがあります。
ビルゲイツ財団のブロックチェーン技術導入事例
海外では元マイクロソフトのCEOのビル・ゲイツ氏は早い段階からブロックチェーンの可能性を見出していて、2015年からブロックチェーンの技術を導入しています。
そして、2017年10月にゲイツ財団は「Mojaloop」というブロックチェーンを使ったプラットフォームを構築しています。
発展途上国で銀行口座を持つことができない貧しい人達にでもブロックチェーンの技術を使って、誰でも金融のサービスを使えるようにして貧困を撲滅することが目的ということです。
その他、政治の分野にもブロックチェーンが活用
直接政治を行うためにブロックチェーンの技術を使っているということです。
直接政治を実施するための「Sovereign」というアプリを作成したのはアルゼンチン出身のサンティアゴ・シリ氏。
政治だけでなく、会議の場での投票をするときにも活用できるということです。
取引所事業に参入した企業
次に取引所の事業に参入した企業を紹介します。
DMM.comも「DMM bitcoin」として2018年1月から取引所事業に参入
DMM.comはマイニングに止まらず、取引所事業に参入しました。
こちらでは、詳細は控えますが、DMM bitcoinの大きな特徴は国内初のアルトコインでレバレッジ取引をできるという点です。
通常レバレッジ取引はFXなどで使用するのに活用され、これまで国内ではビットコインしかレバレッジ取引ができませんでしたので
実質、FX投資はビットコインのみしかできなかっと言え、そうゆう意味でDMM bitcoinの大きな特徴は国内初のアルトコインでレバレッジ取引をできるという点は注目されています。
GMOインターネットも仮想通貨取引所に参入し2017年の5月31日から「GMOコイン」の運営が開始
インターネットビジネスの大手で知られるGMOインターネットもGMOコインを開始し
GMO自体がGMOクリック証券などネット証券取引ができるサービスを提供していることから
セキュリティや取引速度などの面で注目されています。
取引所に対しての資本参入
仮想通貨取引所のビットフライヤーには多数の企業が提携しています。
- SMBCベンチャーキャピタル
- みずほキャピタル
- 三菱UFJキャピタル
- 第一生命
- GMO
などの大手企業がビットフライヤーの株主となっています。
ICOした企業
ICOを行った企業を紹介します。
ICOとはデジタル権利書「トークン」を発行することで資金調達を募る手法のことで、新規株式公開(IPO)よりも短期間で資金が調達できるのが特徴です。
日本ICOで約4.3億円の金額を集めたのが「ALIS」です。
ALISの代表はリクルート出身の人で、ALISはブロックチェーンの技術を用いてソーシャルメディアプラットフォームを作る目的でICOを実施しました。
もうひとつ日本で有名なICOの事例を紹介します。
仮想通貨取引所を運営するテックビューロはICOを支援するサービス「COMSA」のシステムを構築するために約109億円を集めました。
企業による仮想通貨業界の発展
これから企業がますます仮想通貨に参入することによって、仮想通貨業界が発展していくことが予測されます。
三菱UFJ銀行は今後独自の仮想通貨や取引所を開設することを予定していて、メガバンクの参入によって、仮想通貨の業界は盛り上がっていくことでしょう。
他にもみずほ銀行もデジタル通貨「Jコイン(仮称)」の発行を予定していて、2020年の東京オリンピックに向けて仮想通貨業界はますます参入が激化していくことが予想されます。
これから参入する企業
これから仮想通貨の事業に参入する企業はこちらです。
- アメーバブログで知られるサイバーエージェントが2018年の春に取引所に参入する予定
- SBIホールディングスの関連会社の「SBIバーチャルカレンシーズ」が取引所をオープンする準備
- カメラ・フィルムメーカーのコダックも独自の通貨「KodakCoin」を使用すると発表
そのほかにも日々新規参入企業のニュースが報道されています。
これから仮想通貨業界はどうなる?
2018年は各国が仮想通貨の規制を行いはじめています。
2018年1月にコインチェックからNEMの巨額の不正送金事件も起き、取引所のセキュリティの問題が露呈する出来事もありました。
しかしながら、今後は企業がどんどん参入していくことによって、仮想通貨業界における技術が発展していくことは間違いないでしょう。
企業の仮想通貨業界参入は一般ユーザーはどんな恩恵があるのか?
一般ユーザーには企業が仮想通貨に参入することによって、どのようなメリットがあるのでしょうか。
例えば、仮想通貨をメルカリが導入すれば、マーケットが今は日本やアメリカなどと限られていますが、世界中で決済が可能になりますので、世界中で商品を取引できることにもなります。
そして、ビッグカメラでは仮想通貨で決済できるようになっていますが、ビックカメラやコンビニなどのような店舗が仮想通貨決済を可能にすると、仮想通貨は生活により密着したものとなっていくでしょう。
また、このように企業が仮想通貨決済などを導入することで
- 決済手数料が安くなり、処理速度も上がる
- 現金を持つことによるコスト(リスク管理/数える時間etc…)が下がる
- 国境による機会損失がなくなる
などの恩恵を受けることができます。
また、メガバンクが仮想通貨業界に参入することで、仮想通貨は怪しいと思っていた人達にも一定の信頼を得ることができて、より多くの人が仮想通貨を利用するようになり、現状の通貨と比べて、より便利な通貨となるでしょう。
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