今さら聞けないライトニングネットワークとは何?スケーラビリティ問題を解決する仕組みを解説



「仮想通貨のスケーラビリティー問題」
というのを聞いたことがありますか?仮想通貨の取引量が増加したためにおこる問題であり、それを解決するのがライトニングネットワークです。

とはいえ、

  • 仮想通貨の取引量が増えたら問題なの?
  • ライトニングネットワークって何?必殺技?

という疑問を持たれるかと思います。

そこでこの記事では、スケーラビリティー問題とはなにか?ライトニングネットワークでどう解決するのか?という疑問について説明していきます。

具体的には、

  1. マイクロペイメントとは?
  2. スケーラビリティー問題とは?
  3. ライトニングネットワークについて。
  4. Segwitについて

の順番に重要なポイントを説明していきます。

ライトニングネットワークを知る前に「マイクロペイメント」とは何か

マイクロペイメント
数円から数百円の電子決済での少額取引

現在の電子決済といえば、クレジットカードが主流となっています。
しかし、クレジットカードでネットショッピングをした場合数十円から数百円の手数料がかかってしまいます。
そこに、数円から数百円の電子決済をしようとしても手数料のほうが高くなってしまい、取引として現実的ではありません。

数円から数百円のマイクロペイメントができると、

  • 電子書籍を1文字や1ページ単位で購入可能
  • 動画を1秒単位で購入可能

以上の最小単位での決済が可能となり、丸まる電子書籍一冊の料金や優良の動画サイトの月額会員料を払わなくても最小単位での購入が可能になります。

そのマイクロペイメントを実現可能にしてくれるのが、仮想通貨といわれています。
仮想通貨は、銀行のような第三者である中央管理者がいません。
第三者に対しての取引がなく最低限の取引ですみ、仲介手数料も払わなくていいので最低限の手数料ですみます。

そのため仮想通貨は、取引が早く手数料が安い特徴があります。

しかし、仮想通貨の取引量が増加してきたことで、仮想通貨のメリットである早く安い取引が崩壊してきています。

スケーラビリティ問題とは何か

スケーラビリティー問題
仮想通貨の取引量が増加したことにより仮想通貨のメリットである早い取引や安い手数料が実現できなくなってきていること。
スケーラビリティー問題によりマイクロペイメント(少額取引)が現実的でなく仮想通貨のメリットが失われている。

仮想通貨の取引は、取引情報が記録されたブロックがブロックチェーンに追加されて、取引が承認されます。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の場合、1MBのブロックがブロックチェーンに1個追加されるのに10分かかります。

現在は、仮想通貨の取引量が増えてきたため今のブロックサイズである1MB(ビットコイン)では、すべての取引を処理できなくなってきています。
そして、10分に1個のブロックしか追加できないため、未承認の取引が増えてきて手数料の高い取引から処理されるようになります。
だから、手数料の低い取引はいつまでたっても承認されません。

結果、現状のビットコインでは、早い取引や安い手数料という仮想通貨のメリットが崩壊し、マイクロペイメントが実現できない状況です。

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ライトニングネットワークの仕組みと特徴を解説する

ライトニングネットワーク
ブロックチェーンの外で複数回取引をおこない、最終的な効率化された取引だけをブロックチェーンに戻して記録する技術

例えば、AさんとBさんの間で10回のお金のやりとりがあったとしても、最終的な収支の1回の取引のみブロックチェーンに記録されるため、ブロックチェーンの取引の量が軽減されます。

詳しく説明すると、オフチェーン上で取引を行うAさんとBさんとその間の中継点を結ぶチャネルというものを開きます。
このチャネルは、AさんとBさんが秘密鍵を持つマルチシグアドレスにデポジット(送金)しなければいけません。
そして、このデポジットされた金額よりも大きな金額は取引できません。

このチャネルは、AさんとBさんが取引をおこなっている間だけ開いており、取引が終わると閉じます。
この時に、最終的な収支のみがブロックチェーンに記録されます。

ライトニングネットワークにより、スケーラビリティー問題の解決ができるという技術です。

ライトニングネットワークのメリットとは

ライトニングネットワークのメリット
  • 送金が早くなる
  • マイクロペイメントが可能になる

送金が早くなる

ビットコインの場合、一つのブロックがブロックチェーンに追加されるのに10分かかります。
そして、そのブロックの取引が正しいか承認されるためには、通常6回ブロックが追加されなければいけません。
そのため、1回の取引に1時間かかるということです。

しかし、ライトニングネットワークは取引がオフチェーン上でおこなわれるため、送金時にブロックの承認を待たなくていいので、送金が早くなります。

マイクロペイメントが可能になる

現状では仮想通貨を少額送金しようとしても取引にかかる手数料が高く、現実的ではありません。
しかし、ライトニングネットワークにより、手数料が大幅に安くなります。
ビットコインでいう最小単位1satoshiでの少額取引ができるようになります。

ライトニングネットワークのデメリット

ライトニングネットワークのデメリット
  • 中継点が中央集権的な一極集中になる
  • ハッキングの危険性がある

中継点が中央集権的な一極集中になる

ライトニングネットワークでは、オフチェーン上での中継点を効率的に探します。

この時、自身の送金額よりたくさんの資金の残高がある中継点が選択されます。

効率的に選択された結果として、資金をたくさんもった中継点が選択され続けて中央集権的な構造になる恐れがあります。

そうなると、銀行のような中央集権的な第三者がいないという仮想通貨のメリットがなくなります。
また、特定の中継点にチャネルが集中した場合取引のスピードが落ちてしまうという問題も起こります。

ハッキングの危険性がある

ライトニングネットワークはブロックチェーンの外のオフチェーンで仮想通貨の取引を行うため、セキュリティの問題が発生します。

ライトニングネットワークはホットウォレットで取引され、インターネットにつながっています。

2018年の1月末にホットウォレットのネム(NEM/XEM)がハッキングされてコインチェックから盗まれる事件が発生しました。
このため、ライトニングネットワークにおいて、ハッキングされる危険性が充分あります。

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ライトニングネットワークにはSegwitが必要である

Segwit
「電子署名のみ別管理にする」という形でデータの圧縮を行い、1つのブロックサイズに対して、多くの取引データを収納できるようにする仕組みのこと。
トランザクション処理で必要となる電子署名を、Segwitで保存しているのでトランザクション展性への耐性が強くなる
トランザクション展性とは支払元、支払先を変えずにトランザクションIDを変更されてしまう脆弱性のこと。

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また、ブロック内の格納スペースを増やすことで、一度に処理できる取引件数が増えるメリットも見逃せません。

このようにライトニングネットワークとSegwitの補完性は高く、安全かつ即時性の高い送金が可能になるでしょう。

ライトニングネットワークのまとめ

今回は、仮想通貨のスケーラビリティ問題を解決するかもしれない「ライトニングネットワーク」の仕組みや特徴を解説しました。

ライトニングネットワークを活用することで、余計な取引処理件数を減らし、送金手数料や処理時間を削減することができます。
一方で、ネットワーク間の信頼確保やマイニングのインセンティブなど、今後のセキュリティ体制に影響を与える懸念も存在します。

このライトニングネットワークが実現するかどうかで、今後のビットコインや仮想通貨の価格への影響は甚大で、通貨価値の将来性を左右しかねません。
これからの動きに注目したいところです。

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