【後編】DMM Bitcoin社長に直撃!規制に対する取引所の動きと未来について



前回の『【前編】DMM Bitcoin社長に直撃!規制に対する取引所の動きと未来について』に引き続き、今回はインタビューの後編をお届けしたいと思います。

前編では、DMMグループとしての強みや、仮想通貨規制に対しての対応を紹介しましたが、今回の後編では、以下の内容を紹介します。

  • レバレッジ取引について
  • スプレッドや手数料について
  • 仮想通貨の未来について

【前編】DMM Bitcoin社長に直撃!規制に対する取引所の動きと未来について

2018.08.03

DMM Bitcoinのアルトコインレバレッジ取引について

DMM Bitcoinは、多様なアルトコインをレバレッジ取引できる、日本では数少ない仮想通貨取引所の一社としての特徴を持っています。
アルトコインのレバレッジ取引ができるのは、相場の変動を踏まえた、活発な売買を通じた取引を行う人からすると、有力な取引サービスになるかと思います。

現物取引とちがい、売りポジションを保有することができるという特性があることから、価格下落局面においても収益機会があるという点が特徴になります。

DMM Bitcoinはなぜアルトコインレバレッジ取引ができるのか

そもそもレバレッジ取引を取引所が実施できるのは、取引されたポジションのリスク管理とカバー取引管理をリアルタイムで行うシステムが重要みたいで、DMM.com証券で培ったシステムの処理性能に自信を持っているからこそできるのが、アルトコインレバレッジ取引だそうです。

DMM Bitcoinのレバレッジが5倍の理由

正直、10倍・20倍ともっとレバレッジの幅を増やすことは可能だそうですが、なぜ5倍にとどめているのか?
その理由がユーザーファーストでより、市場原理にのっとったものでした。

ビット君
なぜレバレッジは5倍なんですか?
田口社長
現在の仮想通貨の日々の価格変動率を鑑みた場合に、レバレッジを大きくすると、利用者の方が寝てる間に強制ロスカットが発生する可能性が高くなります。
金融業の本質は一時的な利益を稼ぐことではなく、長く使ってもらうことです。
なので、レバレッジは、現在の市場ボラティリティからみて、最大でも5倍程度が妥当と考えています。利用者の方の損失が、投資した元本以上になることは、利用者の方にとっても、また、事業者にとっても大きなリスクとなります。

このように本当にしっかりしたユーザーファーストな考え方で取引所運営を進めていることがわかります。

仮想通貨取引所のスプレッドの幅や手数料について

そもそもスプレッドと手数料の違いをご存知でしょうか?
それぞれの違いについて、まずは説明したいと思います。

手数料
オークション取引で価格が売主と買主で合意が取れている場合、その価格に対してかかる費用

ただ、このオークション取引は取引所ごとに価格乖離が生まれてしまいますので、最適な価格であると言えないことがあります。

もちろん、一定の取引規模が安定してあれば、市場原理にのっとった最適な価格になることも間違いないです。

仮想通貨取引所としてシェアを拡大し、マーケットを作っていくような規模が必要
スプレッドによる価格差
相対取引で価格を取引所が中立に決定しているので、そこに手数料が内包されているもの

なので、手数料が0%と表記されているものの、スプレッドに手数料は内包されています。

これは、オークション取引と違って、確実に取引したい際には、瞬時に売買でき約定成立するのが特徴です。

外国為替証拠金取引も始まった当初はスプレッド5銭などが相場だったものが、現在は0.3銭と価格競争や技術の向上によるコストカットによって、安くできるようになったそう。

DMM Bitcoinの現在のスプレッドについて

現在は、ボラティリティが高すぎることもあり、運営が破綻することがないようなスプレッド設定になっているらしく、将来的には、市場参加者が拡大し流動性が拡大すること、また、取引所同士の競争が激化していくことで、間違いなくスプレッドの幅は縮まるそうです。

そして、現在2018年秋に向けてオークション取引の提供開始を目指しているみたいです。

DMM Bitcoin田口社長が考える仮想通貨の未来

皆さんも一番気になる内容なのではないでしょうか?
編集部と田口社長で、正解はないよね。という前提で仮想通貨の未来をディスカッションしてきました。
そこで、CoinInfoとして感じたものや、読者の皆さんに伝えたいなと思った内容をまとめました。

仮想通貨の将来は危険かもしれない

仮想通貨に対して規制が厳しくなったり法整備が整うことで、普及しないかもしれない。などの論がある中で
待てよ、そもそも法定通貨がクリプト化(仮想通貨の仕組みを取り入れる)すれば良いのでは?
という考え方です。

中央集権的に、既存の法定通貨の課題解決を行うとなるとビットコインって必要なの?ってなる可能性もある。という意見です。

確かにおっしゃる通りだなとは思いますが、ここに関しては非中央集権だからこそ、生まれる新たなイノベーションがあるのが事実だとも思います。

銀行は本当に本気で仮想通貨市場に参入するのか?

昨今、メガバンクを中心に仮想通貨市場への参入のニュースが数多く流れている中、本当にそんな自分たちの既得権益を失ってでも勝負をするのだろうか?と思う部分もあります。

そんな銀行が本気で仮想通貨市場に参入するか否かを仮想通貨取引所の社長ならでは!という意見がありますので参考にしてみてください。

まず、事前に銀行関連の仮想通貨に対しての知識を入れたいという方は以下の記事を読んでみてください。

【仮想通貨VS銀行】既得権益を崩壊させる仮想通貨を銀行はどう見ているのか?

2018.05.13

そこで田口社長が一番違和感を感じたのが、金融業には切って切り離せない分別管理義務です。
分別管理義務は、主に金融業界などで使われる用語で、通常、業務に伴い預っている「顧客資産」を、自社の資産「自己資産」から明確に区別(分離)する義務のことをいいます。

銀行の普通預金 分別管理義務なし
仮想通貨の預け入れ 分別管理義務あり

この差が生まれることが何を意味しているか?
顧客から預かっている預貯金を運用(貸金業など)して利益を出しているのが銀行の生業ですが、これは分別管理義務がない現金を扱っているからできる技なのです。
しかし、この現金に変わる仮想通貨を銀行発行した場合、預貯金者が預貯金の相当の部分を仮想通貨に変更することを推奨するという意味にもなります。

ということは、分別管理義務が発生して、運用するための種銭がなくなります。
つまりこの部分をうまく調整しないと、銀行におけるキャッシュフローに問題が出る可能性があるということです。
このような法律の今、銀行は本当に、本体が自ら仮想通貨の発行体となるようなことに乗り出すものでしょうか?と。

ユーティリティーコインに振り切ることで短期的にも仮想通貨は面白くなる

今はどうしても、仮想通貨自体を決済目的(通貨としての活用)ではなく投機目的がメインにどうしてもなってしまっています。
これは法定通貨に取って代わるということを目標にしているというのも、短期的には評価されていないことの要因ではないかと思います。

そこで、すでにユーザーを囲い込んでいて、普段から仮想空間でポイントやコインなどでのやり取りがあるサービスの場合、即時に投機的ではなく決済目的を実現できるのではないだろうか?というものです。

例えばDMMグループの運営するサービスの会員数は2800万人を超えているそうです。
その2800万人がDMM関連サービスを使用する際にポイントなどを使用してプロダクトを購入したりしているのです。

そんなDMMが仮想通貨を独自で発行したら面白くないですか?と。
ビットコインやイーサリアムが目指すものよりはスモールスケールかもしれませんが、確かに短期的にでも面白くはなるなと感じました。

今年、仮想通貨取引所の開設を諦め、逆に独自通貨を発行するとサイバーエージェントも発表しました。

このように、すでにユーザー数を抱えているサービスや企業が独自仮想通貨をどんどん発行していくことこそ、一つの仮想通貨の理想とする未来の実現とその実現速度を速めるための方法でもあるのではないかと思います。

DMM Bitcoin社長に直撃!のまとめ

2時間を超えるインタビュー時間をいただき、様々なお話を伺うことができて総じて思ったことは正しい知識を持つことの大事さ。です。

スプレッドと手数料の違いは何なのか?など知らなかった人も多数いたのではないでしょうか?

これからも、Coin Infoでも様々な通貨の開発者や、取引所だけでなく仮想通貨に関わる事業者の方々にインタビューする機会も増えてきているので、そこでいろんな目線から大事な知識や考え方を吸収して皆さんに記事としてアウトプットしていく予定なので、是非楽しみにしておいてください。

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