「佐藤航陽(さとうかつあき)」
おそらくこの名前を聞いたことがある人もたくさんいるのではないでしょうか。
若くして世界に進出していった日本が誇る起業家です。
今回のシリーズでは
「お金」「価値主義」「世の中の仕組み」「経済システム」「時間」「仮想地球」「未来予測」
この7項目から佐藤さんがなにを考え、どのように感じているのかを徹底的に見ていきたいと思います。
この中から第1回は、「お金」「価値主義」をテーマに考察していきたいと思います。
なお、今回参考にさせていただいた佐藤さんのブログのURLは記事下に掲載しておりますので、そちらのほうも併せてご覧ください。
2回と3回はこちらから。
目次
佐藤航陽の紹介
まずは佐藤さんがどんな人物なのかを紹介していきたいと思います。
佐藤さんはAIを活用したアプリマネタイズプラットフォーム「metaps(メタップス)」を主力事業とする株式会社メタップスの代表取締役会長です。
以下、公式サイトからの引用です。
現メタップスとなる会社を立ち上げたのは佐藤さんがわずか20歳の時。大学は1年で中退したそうです。
ウェブサービスを立ち上げ、わずか3年で年商数億円を上げるようになりました。その後、事業拡大のために海外を視野に入れ、約1年をかけて世界各地を巡ります。
そこでこれからの時代にスマートフォン市場が伸びてくることを確信し、スマホアプリに着目。アプリ開発者を取り巻く環境が整備されていないことを受けて、ネットワークを構築するビジネスモデルを作り上げます。
これこそが「metaps」であり、これ以外に持っていた事業を全て売却し、資金作りをしてメタップスに取り組み始めたそうです。
その後、オンライン決済サービスである「SPIKE(スパイク)」を立ち上げました。このスパイクは米投資ファンドから50億円を超える資金調達をして成功した事業です。
そして2015年7月にマザーズへ上場し、今に至ります。
佐藤航陽とお金
まず初めは、佐藤航陽と「お金」。
お金という抽象度の高い概念ですが、これからのお金のあり方についてみていきましょう。
お金の誕生
これからの話をするには、お金がどういった経緯で誕生したのかを見ていく必要性があります。
お金が誕生した理由は「価値」という曖昧なものを取引するために生まれました。
かつて物々交換によって価値を取引していた時代では、「欲望の二重一致」が起きないと取引が成立しませんでした。
それを解消するために「保存」ができ、「交換」可能で、「尺度」にもなるお金というものが誕生しました。
いま述べた3つは貨幣の3機能と呼ばれています。
お金の変化
今の世の中では、お金を持っていることが大きなアドバンテージになります。お金に存在価値があるのです。
しかし、お金が誕生したときには、お金よりも大事なものに存在価値がありました。身分や宗教です。
では、現在のようにお金に存在価値が移り始めたのはいつでしょうか?
ちょうど300年ほど前。産業革命が起きたあたりです。産業革命により、「労働」するものと「所有」するもののが明確に分けられるようになりました。
この2つをつないだのがお金です。
このタイミングで、お金に存在意義が移っていくのです。これこそ、資本主義といわれるイズムの誕生であり、お金に起きた変化といって過言ではないでしょう。
お金の多様化
社会の中心にお金が来たことによって、人々の生活は大きく変わったといっていいでしょう。
みんながお金を一生懸命稼ごうとします。そんなときに、社会の中で出てきた考えがあります。
「お金によってお金を稼ぐ」
お金はあくまでも価値の媒介手段として誕生したのにも関わらず、そのあり方が大きく変わり始めます。これが今の金融市場につながることは言うまでもないでしょう。
お金がお金を稼ぎ、そのお金がまたお金を稼ぐ。このようにお金が一人歩きを始めたのです。この状態は、手段の目的化が起こっているといえます。
そして時代が進むにつれて、テクノロジーが発達していきます。ITの誕生です。
ITは人々の生活を大きく変化させてきました。代表的なのが紙です。
しかし、テクノロジーの登場によって、情報を記録する媒体での一強は破られたのです。あくまでも紙は1つの選択肢として存在することになったのです。
それと同様のことがお金にも起き始めています。
価値の媒介手段として存在していたお金は、テクノロジーによって、価値を媒介する1つの選択肢になっています。
媒介手段がテクノロジーによって多様化することによって、人々が重要視する点が変わっていきます。より根源にある「価値」を見るようになるのです。
佐藤さんは、お金というもののあり方が「目的」から価値を媒介する手段の1つになったと捉えています。
テクノロジーによって今までのお金の概念が更新されているのです。
佐藤航陽と価値主義
次に見ていくのが、佐藤航陽と「価値主義」。
ここ最近になって価値主義という言葉を聞くようになりました。
しかし佐藤さんは4年も前からこの価値主義について言及しています。価値主義を見ていきましょう。
価値主義の誕生
価値主義の定義を先にしておきます。
ここで対称におけるのが資本主義でしょう。価値主義の誕生を考えていきます。
テクノロジーの発達によってお金のあり方が変わってきたことは先ほどのパラグラフで見てきました。テクノロジーの発達によって重視されるのがお金の根源にあった「価値」です。
ITによって最もフォーカスされるようになったのが情報でしょう。GAFAのような巨大企業も莫大な資産以上に大量の情報を蓄積しています。
実際にFacebookによって行われたM&Aでも現在のお金で測ることのできるよりも大きな額が動きました。お金で測れない、別の物に価値があったから起きたことでしょう。
情報は今の会計基準では資産化することができません。しかし、実際の社会ではお金で測れない価値に基づいて行動が行われています。
これが価値主義の誕生です。
価値主義の特徴
価値主義の特徴は大きく分けて2つあります。
目的への回帰
「お金」のパラグラフで、手段の目的化について触れました。
価値主義の社会では、手段が多様化しているため、どの手段を使うかは大した問題にはなりません。大切なのは「どのような価値を提供するか」なのです。
お金を稼ぐことが目的になってしまう、のようなことはそもそも起きないのが価値主義です。
選択肢の広がり
手段が多様化したことによって、価値主義においては個人の生き方も多様化していきます。
どの手段が正しいということはなく、職業を選択するように、個人が好きな手段を選ぶことが可能になります。
価値主義と情報経済
情報経済の話をする前に、思想について少し考えていきましょう。
人々の考えは、時代が変わるたびに進化してきています。それは人類の歴史を見てもそうですし、個人を見てもわかります。
つまり、思想はある程度の期間で移りかわっていく、ということです。
人類で見たときに、それは常にテクノロジーの誕生のたびに起こっています。産業革命がいい例です。
蒸気や電力の発明によって、人々は資本主義へと移行しました。
人類が生まれたときから現代までを考えると、テクノロジーの誕生のスパンは短くなってきています。となると、価値主義が廃れていくのは数十年後の見えている未来かもしれません。
では、情報経済を見ていきます。
上述しましたが、情報は資産化することができないのが現在の会計基準です。
しかしお金以上に企業の行動に影響を与えるものが存在しているのです。価値がお金ではない別のモノに移動しています。
その集約の先には情報があるのです。
お金があっても情報がない人はなにもできない時代が来るのです。それが情報経済です。
しかし、この情報経済にもいつかは問題が生まれて、新たな経済の仕組みが誕生するでしょう。
かつての絶対王政から民主主義へ、資本主義へ。資本主義から価値主義へ。いずれも、前の思想に問題があったから新しいものが誕生してきました。
常に少しずつ前に進んでいきます。これが社会の仕組みなのです。
佐藤さんは、価値主義の誕生もまた1つの人間の進化の過程のうちにあるとしています。
しかし、テクノロジーの誕生によって長きにわたって人類を支えてきた資本主義が価値主義に変わることはとても大きなことに感じます。
vol.1をまとめる
今回は「お金」「価値主義」、この2つに焦点を当てて紹介してきました。
お金が本来どのようなものなのか、これからの社会でそのあり方はどう変わっていくのか。
また、それに代わる代替案が情報になることも紹介してきました。
みなさんはこれを読んでどのように感じましたか?
2と3も併せて公開しているので、ぜひご覧になってください!
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