2018年、12月17日から全国2,225店舗の「ミニストップ」でスマホ画面のバーコードをかざすだけで決済ができる「PayPay(ペイペイ)」、「LINE Pay(ラインペイ)」、「楽天ペイ」が導入されました。
上記の決済方法は全てデジタル決済と呼ばれるもので、今大変注目を集めています。
このようなデジタル決済は、店舗や私たち、または日本の社会にどのような影響を与えるのかを様々な視点で見ていきます。
また、そのデジタル決済によってキャッシュレスが広まっていますが、
果たしてそれは未来の社会のゴールなのかを考察していきます。
目次
キャッシュレス決済がコンビニで広がる
PayPayやLINE Pay、楽天ペイなどのキャッシュレス決済は
大胆なキャンペーンやプロモーションによって多くの利用者を獲得しました。
そして、家電量販店やコンビニを中心にキャッシュレス決済は新たに導入される動きを見せました。
例えば、ミニストップでは2018年12月17日より、スマホを活用したキャッシュレス決済「楽天ペイ(アプリ決済)」「PayPay」「LINE Pay」の3サービスを、国内のミニストップ2225店舗にに導入すると発表しました。
ですが、すでに現金決済以外のクレジットカード、電子マネーなどの多様な支払い方法があるのにもかかわらず新たにキャッシュレス決済を導入したのでしょうか。
消費者、個人、そして経済の観点からその理由を紐解いていきます。
キャッシュレス決済のメリットを紹介する
キャッシュレス決済のメリットは主に以下があります。
- 初期費用が抑えられる(QRコードを印刷するだけ)
- QR コードをかざすだけなのでスマホ一台で決済可能
- クレジットのようにカード情報を店側に渡さなくていい
- 貨幣発行コスト削減
まず、店舗側としてはまず、QRコードを店に張りだすだけで導入が完了するので初期費用がほとんど発生しない上に、
場合によってはクレジットカード決済などに比べつと店舗側の負担費用を抑えることが可能です。
実際、PayPayはユーザーがQRコードを読み取って決済をする方式の場合には、加盟店の決済手数料が3年間無料です。
ちなみにLINE Payも同様の取り組みを発表するなど日本のキャッシュレスプラットフォームは覇権争いの厳しさがみられます。
また、利用者としては、上記の他にポイントなどのインセンティブをうけとることができるメリットがあります。
PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」やLINE Payの「LINEポイント」、「マイカラー制度」などに見られる大胆なプロモーションが有名です。
キャッシュレス決済のデメリットは中央集権である
- 法定通貨、アプリを管理する企業に左右される
- アプリを起動する手間がある
- 世代間によるデジタルデバイド
今、日本で話題のPayPayやLINE Payなどのバーコード決済は銀行口座やクレジットカードに紐付いているので使用される通貨は当然、法定通貨です。
また、スマートフォンにダウンロードされたアプリを通して決済をするので
もしそのアプリを運営する企業のサーバーダウン、ハッキングが起こると、利用者は一方的に不便を被ります。
実際、PayPayは「100億円あげちゃうキャンペーン」期間中には、
一時サービスが停止して決済が不可能になったり、
サービスを経由したクレジットカードの不正利用の被害を訴える声がSNS上に多く見られたりしました。
このように法定通貨もPayPayのような決済サービスも一つの国家や企業に
管理されているので、
利用者の個人情報もそのセキュリティの脆弱性や国家の信用度に左右されます。
これは中央集権によって個人やその個人情報が支配されているゆえに起こることです。
そもそも企業や国家のような第三者は価値交換に介入する必要があるのでしょうか。
キャッシュレス決済のデメリットを突くのは何か
現金を持ち歩かない。スマホ一つで決済、導入が簡単楽々…。
いいことだらけのデジタル決済は、日常生活において欠かせないものになってきています。
ですが、今のような個人の価値交換に第三者が介入するデジタル決済手段は
中央集権社会をいつまでも存続させる”温床”になるのではないでしょうか。
個人の価値交換に特定の組織や国家が介入せずに決済を可能にする手段は何があるのでしょうか。
次世代に求められるキャッシュレス決済は仮想通貨である
前述した通り、デジタル決済は今、中央集権の完全なる支配下にあります。
中央集権的な支配下では、個人が自由に価値交換、または創造ができないです。
そのような脆弱性を持つデジタル決済の弱点を突き、
非中央集権社会を実現するのが「仮想通貨」です。
仮想通貨にあって、キャッシュレス決済にないメリットを以下にまとめました。
- 分散型である
- 世界中でどの通貨でも使用できる
- 独自のコミュニティが形成できる(トークンエコノミー)
- ブロックチェーン技術による透明度が高い
- 特定の個人や組織の方針に左右されにくい
- 銀行の利子が低い
- ATMなどもインフラが整いすぎている
- セキュリティに対する不安
- 電子マネーがすでに広まっている
世界中の不特定多数がブロックチェーン上で情報を管理する分散型のプラットフォームで
仮想通貨は取引されるので中央集権に左右されることはありません。
さらに、仮想通貨は法定通貨とは違い、国籍がない通貨なので
言うなれば、世界中どこにいても仮想通貨さえあれば暮らしていくことができるのです。
また、仮想通貨の最大の利点は、特定のコミュニティ内で
中央集権的な第三者を介さずに
個人が価値を交換できるトークンエコノミーが形成できる点です。
そのトークンエコノミーは、同じ力を持った仲間同士、つまり「Peer」が
個人間のやりとりをして価値を交換します。
なので、今まで一つの組織に権限が集中する
法定通貨では測れなかったモノやコトの価値が
特定のコミュニティ内で生み出されます。
たとえば、LINEが独自に発行する海外向けコイン「LINK」と国内向け「LINE point」はDAppsという分散型アプリケーション上でユーザーのアクションに応じて、交換されます。
具体的に「wizball」という知識共有プラットフォームがDAppsサービスのとつとしてよく知られています。
その中で、ユーザーの疑問や知識に価値を置き、質問者と回答者のアクションに対してLINE pointが付与されます。
価値を正しく適切に評価する仕組みを作ることで回答の品質や専門性をあげたり、ユーザーのモチベーションを維持したりする効果があります。
さらにトークンエコノミーについて知識を深めたい方は、ぜひ以下の記事をご参考にお読みください。
薄型テレビが将来的に無料になる衝撃的トークンエコノミー大予測をしています。
仮想通貨が日本で実用的に使用されないのはなぜか
仮想通貨は非中央集権に不可欠な要素を持ち合わせているのにかかわらず、
仮想通貨は実用的にあまり使用されていません。
仮想通貨が特に日本で広まらない理由としては以下があげられます。
上記の理由の他に、懸念されるのが仮想通貨のボラティリティの高さです。
政府などが仮想通貨に対しての規制をきちんと定められていないゆえに
市場での価格操作が行われているのがその理由の一つです。
なので、まずは仮想通貨の実用面を促進する規制を定めることが非中央集権社会の第一歩です。
未来の社会に必要なのはキャッシュレスなのか
Paypayが「100億円あげちゃうキャンペーン」を行ったり、それに続きLINE Payが20%還元キャンペーンをしたりと、
今キャッシュレス市場は確実に広がっています。
大胆なキャンペーンによって利用者も増え、店側も導入費用がかからないのでどんどん参入しています。
また、海外の観光客がふえる家電量販店などでは重宝されることでしょう。
ですが、今、注目されているキャッシュレスは「法定通貨」の枠を超えてはいません。
そこで考えたいのが私たちが目指すべき社会の姿です。
その社会はキャッシュレスで、
小銭や紙幣を数える数秒や行列を避ける効率的な社会でしょうか。
違います。
インターネットが普及し、個人が簡単に発信が可能になった時代では
個人が持つ情報が最大の価値になります。
そしてその個人の価値が中央集権社会で権力を持つ一部の人間に
搾取されないための社会を目指すべきです。
特定の機関に支配されずに個人が価値を発揮して、
そのコミュニティによる経済圏が築かれる、非中央集権社会にこそ明るい未来があります。
そのためにはキャッシュレスの先にある仮想通貨の役割を理解する必要があります。
仮想通貨が法定通貨に代わって、世界通貨になるという過激な議論をしたいのではありません。
ただ仮想通貨で、
「Peer」つまり「仲間、力が同じくらいのもの」同士が
第三者を介さずにつながることで、
分散型のコミュニティを創るということを
これを読んでいる方に少しでも理解していただきたいと思っています。
仮想通貨がキャッシュレスと比較されることで
本来の目的が霞んでいる社会の風潮に流されず、常に一歩先をみることが大切です。
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