ビットコインの世界における有名な方にウィンクルボス兄弟がいます。
彼らはキャメロンとタイラーという双子の兄弟ですが、ここでは、どうして彼らが注目を集めるようになったのかを解説していきます。
目次
ウィンクルボス兄弟の現在の資産は?
彼らが共同創業者となっている「ウィンクルボス・キャピタル」で保有するビットコインを含む資産額は9〜11億ドル(日本円で950億円〜1200億円)と推測されています。
2012年にビットコインへの投資を開始し、その後の値上がりを上手く捉え、2018年2月にフォーブス誌が発表した「世界の仮想通貨長者ランキング」で、第4位にランキングされています。
彼らはビットコインへの投資を開始して以降、一度も売却していないとの話が伝えられています。
2018年2月7日、米国のテレビ局であるCNBCに出演した彼らは、最近のビットコイン価格の急落に対して引き続き強気の姿勢を継続しており、(金と比較して)「ビットコインはまだ評価されていない資産であるため、今後30〜40倍の上昇余地が見込める」と話しています。彼らは、まだまだビットコインには伸び代があると考えているようです。
彼らはなぜビットコインを購入したのか。Facebookが関係している?
キャメロンとタイラーは共にハーバード大学に進学しましたが、そこでFacebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグと出会います。
Facebookのアイデアの基礎になった「ハーバードコネクション」と呼ばれる、ハーバード大学内のコミュニティサイトをウィンクルボス兄弟が発案し、マーク・ザッカーバーグにサイト構築を依頼しました。
しかし、マーク・ザッカーバーグは同様のアイデアを持つ別のサイトとして、Facebookを起業したことから、のちにウィンクルボス兄弟はマーク・ザッカーバーグを訴えます。
その後、両者は和解し、ウィンクルボス兄弟はマーク・ザッカーバーグから約6,500万ドルの和解金を手に入れることになりました。この辺りの両者のやり取りは映画「ソーシャル・ネットワーク」に描かれているところです。
ここまでならば、たまに耳にするような話ですが、ウィンクルボス兄弟が有名になったのは、「その手に入れた和解金の一部を、2012年当時はまだ120ドル程度だったビットコインに投資を開始し、大きな値上がり益を手にした」という話が続いてある点です。伝えられているところでは、彼らはまだ一度もビットコインを手放していないとのことで、現在までに大きな富を手にしているのです。
彼らの発言や行動はビットコインの価値にどう影響するのか
ウィンクルボス兄弟の有名な行動は、ビットコイン価格に連動する上場投資信託である「ビットコインETFの組成、上場に向けた取り組み」でしょう。
ビットコインETFの上場に対する期待が広がっていた2017年3月には、ビットコインは1ビットコイン1,350ドルの高値まで迫っていました。
しかし、米証券取引委員会が上場申請を却下することを公表すると、1時間のうちに300ドルも急落しました。
この決定後、ウィンクルボス・キャピタルの広報担当者は、タイラー氏のコメントを発表し、ビットコイン市場の健全な発展のため、同委員会の決定に賛意を表明するとともに、ビットコインETFに関する取り組みを継続することを表明しています。
このような彼らのビットコインに対して強気な姿勢もその後の価格が切り返した要因となっています。
また、彼らは金をビットコインの対比として良く例に出しますが、時価総額で7兆ドルである金に対して、数千億円程度のビットコインにはまだまだ上値があるとコメントしています。
過去の相場のサイクルにおいても、過去の価格より高い水準で底値をつけた経験則にも言及し、ビットコインの成長性を非常に評価しているのです。
ビットコイン急落に対する彼らの見解
2018年に入りビットコイン価格は大きく調整しています。2017年12月にビットコイン先物が「シカゴ・オプション取引所」および「シカゴ・マーカンタイル取引所」に上場しました。
ウィンクルボス兄弟がブルームバーグでのインタビューで語ったところでは、先物の上場による価格発見機能の向上が遠因にあるとも見ているようです。
しかし、ビットコインの先行きについては彼らは非常に強気です。
自主規制団体の発足
2018年3月には、ウィンクルボス兄弟は仮想通貨に関わる自主規制機関の設立を計画していることを公表しました。この自主規制機関は、業界内に適用される基準の策定、透明性の向上に関する取り組みの推進、などを担う予定とのことです。
現在の米国では、仮想通貨を包括的に取り締まる公的な機関は存在しません。米証券取引委員会、米商品先物取引委員会、などがそれぞれの立場から部分的に関与しています。こうしたなかで、この取り組みは多くの方からは好意的に受け止められているようです。
自主規制機関の設立を求めていた米商品先物取引委員会のブライアン・クインテンツ氏は、声明を発表し、ウィンクルボス兄弟と彼らが運営する仮想通貨取引所のジェミニに対し、このような取り組みを評価するコメントを公表しており、ツイッター上で賛同するツイートが見られます。
また、仮想通貨の流出事件などを受けて、英国や日本にも仮想通貨取引所などを中心に自主規制機関の設立に向けた動きが広がる中で、仮想通貨ジャーナリストの方などからも、このような流出事件などに対する業界の現実的な取り組みとして評価する声が多いです。
ウィンクルボス兄弟が一から考えたものではなく、業界内からは以前から出ている中での動きの一つであるとのコメントも見られています。
Btw, Tyler and Cameron (and @twobitidiot and others) aren't the only ones discussing self-regulation. @katie_haun also mentioned it in this special SXSW episode of Unconfirmed: https://t.co/COuPWY3VDQ
— Laura Shin (@laurashin) March 14, 2018
まとめ
ここまでウィンクルボス兄弟とビットコインの関わりについてまとめてきました。Facebookのマーク・ザッカーバーグ氏との確執があったとの話よりも、現在はビットコイン市場を牽引する中心人物です。
ビットコインの主要な投資家という側面だけではなく、ビットコイン市場の育成・発展を担っているといえるでしょう。
特に、自主規制機関は度々起こる流出事件を防ぐ取り組みとして注目されます。引き続き、彼らのビットコインに対する発言は注目ですね。
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