「佐藤航陽(さとうかつあき)」
おそらくこの名前を聞いたことがある人もたくさんいるのではないでしょうか。
若くして世界に進出していった日本が誇る起業家です。
今回のシリーズでは
「お金」「価値主義」「世の中の仕組み」「経済システム」「時間」「仮想地球」「未来予測」
この7項目から佐藤さんがなにを考え、どのように感じているのかを徹底的に見ていきたいと思います。
この中から第2回は、「世の中の仕組み」「経済システム」をテーマに考察していきたいと思います。
なお、今回参考にさせていただいた佐藤さんのブログのURLは記事下に掲載させて戴いますので、そちらのほうも併せてご覧ください。
1回と3回はこちらから。
目次
佐藤航陽と世の中の仕組み
まず見ていくのは、佐藤航陽と「世の中の仕組み」。
第1回では、お金や経済など、抽象度の高い題材で佐藤さんの考えを紹介しました。ここからは、より現実に近い内容で進めていきたいと思います。
最終的に、世の中の仕組みを俯瞰して捉えることで人間はどのように生きていくべきなのかに導いています。
現実の構造
現在の社会はさまざまな要素で構成されていると思います。
その構成要素の中で最も影響力の強いものを3つ上げます。
それは「お金」「感情」「テクノロジー」です。
それぞれ見ていきましょう。
お金
やはり資本主義と呼ばれる現代社会で最も影響力を持つのはお金でしょう。
今の生活でお金がなかったらご飯も食べられないし、服を買うこともできない。
そのために人は働いてお金を稼がなければいけません。
生きることに直結していると考えたら、お金が最も影響力が強いということができます。
感情
お金の次にあげられるのが感情です。
人はそれぞれ別の生き物ですので、全員が同じ感情を共有することはできませんが、母集団形成をするときには必ず他者からの共感を得ることが絶対条件になります。
いくらお金がたくさんあって短期的に成功を収めることができたとしても、感情を無視して行動することはそう長くは続きません。持続性がないのです。
だからこそ、感情の影響力は強いといえます。
テクノロジー
最後の要素はテクノロジーです。
ほとんどの人にはこのテクノロジーは直接的には影響がないように思われます。
だいたい0.1%以外の人は意識しないで生きているのではないでしょうか?
しかし、今を作ってきたのは間違いなくテクノロジーでしょう。
そしてこのテクノロジーは常に連動性を持っています。必ず1つ前のテクノロジーと次のテクノロジーはつながりを持っているのです。
それは第1回でも話したITによる手段の多様化につながります。
以上にあげた3つの要素はベクトルで表すことができます。そしてそれぞれのベクトルの先端を結んだ三角形の重心が現在時点で、そのベクトルの向きが未来への方向性を表すのです。
この3要素のどれが抜けても現実はうまく機能しません。
お金がないのはもちろん、ヒトの感情を無視したり、テクノロジーなしではなにもできないのです。
だからこそ佐藤さんは、この3要素を影響力の強いものとしてあげたのでしょう。
自然と経済
3要素で最も影響力をもつお金、つまり「経済」に焦点を当てると、経済はネットワークであり、常に動き続けていて流動性が高いということがわかります。
また、経済の仕組みを考えることによって、資本主義という経済の仕組みは自然の原理に似ているから成功したということもわかります。
自然の世界では弱肉強食が当たり前で、エネルギーという共通のものを介在することによって成り立っています。経済で言うお金がエネルギーにあたるのは言うまでもありません。
ではここからわかる、自然の根底にある3つのシステムと動的なネットワークに共通する2つの特徴を挙げていきます。
自発的な秩序の形成
これは、誰もルールや仕組みを作っていないのに、簡単な要素から複雑な秩序が出来上がっていくことを言います。
そう動くように誰かが決めたわけではないのに、そのように動いてしまうのです。
そのような秩序が自発的に作り上げられます。
エネルギーの循環構造
自然界に住む生物でエネルギーの流れにかかわっていないものはいません。
必ず食物連鎖のどこかに存在し、体内にエネルギーを循環させて、排出しています。
この循環構造があることで秩序を維持することができるのです。
情報による秩序の強化
この世の中はたくさんの選択で成り立っています。もし完全にすべてが決まっている状態やなにもかもがランダムな状態であったら、選択するという行為は生まれていないでしょう。
そして、選択するときに必要になるのが情報です。
生命は遺伝子という形で体内に情報を保存しています。
絶えず動いている外部環境の中でも、内部に情報を保存していることによって、秩序を安定させることができているのです。
極端な偏り
ここからは動的なネットワークに共通する特徴をあげます。
その1つが偏りです。これは自動的に起きることなのですが、最初についたほんの少しに差によって、そのあとの差がどんどん大きくなっていくというものです。
パレートの法則とも呼ばれるこの現象は、動的なネットワークでは自然に発生してしまうものです。
「お金持ちと一般人」や「ゲームの有料と無料」など、必ずそれらは二分されず、大きな偏りを生むのです。
不安定性と不確実性
これは偏りが生むものの1つとも捉えらえます。全体が緊密につながることによって、少しの事象や離れたところで起きた事象でも全体に影響を及ぼすようになります。
緊密になればなるほど、どのような影響があるのか判別がつきにくくなってしまうのが動的ネットワークの特徴です。
この5つの要素は、さまざまな組織に当てはまることがわかります。生命から始まり国家に至るまで、その規模感に限らず、すべて同じ構造をとっていることがわかります。
逆説的にいえることが、この5つの要素から離れれば離れるほど、普及する確率が低くなるということです。自然の原理に反しているものは、勝手に淘汰されていくのです。
佐藤さんが世の中の仕組みについて考えることによってわかったことがあります。
大切なことは「情熱をもって動き続けること」だということです。
熱量によって人々は行動することができ、行動しないということは死を意味します。だからこそ必要なのは常に動き続けることだと結論付けられるのです。
佐藤航陽と経済システム
次に考えるのが、佐藤航陽と「経済システム」。
佐藤さんが経済システムを作ることを考えたときに、経済システムが成り立つにはなにが必要なのか、どうすれば持続し発展していくのか、これからの経済のあり方はどう変わっていくのかを解説しています。
一緒に見ていきましょう。
経済システムの基本
経済システムには欠かせない5つの要素があります。まずはそれを見ていきましょう。
インセンティブ
まず最も重要なのがこのインセンティブです。
その経済システムに参加することによって、自分にはなんの利益があるのかを明確にする必要があります。
ただ現代では、3M (儲けたい、モテたい。認められたい)の3つが強い欲求として取り上げられます。これらが充足されるようなインセンティブを持つシステムは発展しやすいでしょう。
リアルタイム
状況が変化することはとても重要です。ここではリアルタイムとしていますが、必ずしもその必要性はなく、常に変化し続けることが求められます。
これは、前のパラグラフで紹介しましたが、動いていない状態は生命として死んでいるに等しいです。
そのためにも、システムは常に動き続ける必要性があります。
不確実性
こちらも前のパラグラフで出ていた、選択するということにつながります。
不確実性がない状態とは、すべてが確実にわかるとき。これは上述したように、選択をするという行為自体を否定することになるので、あってはなりません。
しかし、何もかもわからない状態は生きていくうえでかなり困難になってしまうので、不確実性のバランスはとても重要になってきます。
ヒエラルキー
ここでいうヒエラルキーは必ずしもマイナスなイメージを持つものではありません。
学歴や順位、偏差値など、秩序を明確に可視化しておくことが重要になります。
しかし、このヒエラルキーもそれが固定されている状態は好ましくなく、ほどよいバランスを保つことが必須です。
コミュニケーション
そのコミュニティがどれほど優秀なものだったとしても、そのコミュニティ内で会話が行われていなかったら、仕組みとして成り立ちません。
コミュニケーションの場を設けることによって、全体が1つの共同体であることを認識し、上記であげた4つの要素を結び付ける機能を持ちます。
この5つの要素があることで経済は自動的に発展していくことができます。
経済システムの発展
5つの要素に加えて、寿命と共同幻想を加えることで、経済システムに安定性と持続性をもたらすことができます。
それぞれ見ていきましょう。
寿命
まず一つ目は寿命です。長生きさせるためにあえて寿命を取り入れるのです。
寿命が存在せずに永続的にシステムが続いていくことを考えると、システム内でヒエラルキーの固定化が起きてしまいます。
寿命が存在していることを認識することによって、決められた時間で最適な行動をすることができます。
また、寿命が来たら新しいシステムに円滑に移行できることが、システムの新陳代謝を促すことができます。
共同幻想
しかし、最も重要なことはシステムを持続させることなので、寿命を延ばすことを考えなければなりません。
そこで2つ目に必要なのが「共同幻想」です。
同じ価値観を共有することによって、コミュニティ内に問題が生じたときでも、お互いに譲歩できる着地点を見つけやすくなります。
共同幻想があることによって、ただ利害関係でつながっている状態よりも、システムの寿命は飛躍的に伸びていくでしょう。
この2つの要素が加わることによって、システムに安定性と持続性をもたらしてくれるのです。
経済システムのこれから
今の時代、大規模の独自経済システムを作り上げることができるのです。
莫大な資本も必要なく、大量のスタッフも必要ありません。
簡単に経済システムを作りげることができるので、新しい経済の形が続々と生まれてくるでしょう。
乱立する新しい経済の中で、それらが競争してより良いものが生き残っていくのです。これこそまさに自然の原理であるといえます。
そしてシステムに参加する側から見たら、自分の参加したいシステムを選ぶことができるようになります。
経済システム自体が分散化することと、経済システムが多様化して分散化することが起きるのです。
vol.2をまとめる
今回は「世の中の仕組み」「経済システム」、この2つに焦点を当てて考えてきました。
自然というものを、論理的に俯瞰的に見つめたときに、最終的に出てきた答えが「情熱をもって常に動き続けること」でした。
自然という絶対的で冷たいものは、情熱をもって感情的に生きることで発展していくことができるのです。
矛盾のようにも感じるこの結論は私たちの実生活にも適応させることができるはずです。
日々の生活より意味のあるものにしていきたいと思えたいい機会になりました。
1と3も併せて公開しているので、ぜひご覧になってください!
ぜひご覧になってみてください!
「佐藤航陽のブログ」
「偶然でも必然でもない世界を生きるということ、動き続けることの大事さ」
「持続的に発展する経済システムの作り方を考えてみる」
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